2級タックスプランニング問題と解説【2017年9月】

FP2級・3級試験教材

2017年9月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(タックスプランニング)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

タックスプランニング問題(2017年9月)

【問題31】所得税の原則的な取扱い

所得税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 所得税は、国や地方公共団体の会計年度と同様、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間を単位として課される。
  2. 課税総所得金額に対する所得税は、所得の金額に応じた超過累進税率により計算される。
  3. 所得税は、納税者の申告により、税務署長が所得や納付すべき税額を決定する賦課課税方式を採用している。
  4. 所得税の納税義務者は、日本国籍を有し、かつ日本国内に住所がある個人に限定されている。

【問題32】所得の分類(所得税)

所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 預貯金の利子を受け取ったことによる所得は、利子所得である。
  2. 上場株式の配当を受け取ったことによる所得は、配当所得である。
  3. 賃貸していた土地を売却した代金を受け取ったことによる所得は、不動産所得である。
  4. 定年退職時に退職手当として一時金を受け取ったことによる所得は、退職所得である。

【問題33】所得税における利子所得および配当所得

所得税における利子所得および配当所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 特定公社債の利子については、申告分離課税の対象となる。
  2. 一般公社債(特定公社債以外の公社債)の利子については、源泉分離課税の対象となる。
  3. 公募公社債投資信託の収益分配金については、申告分離課税の対象となる。
  4. 申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得については、配当控除の対象となる。

【問題34】総所得金額(所得税)

Aさんの平成29年分の所得の金額が下記のとおりであった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。

総所得金額(FP2級過去問)

  1. 170万円
  2. 200万円
  3. 220万円
  4. 250万円

【問題35】所得控除(所得税)

所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 医療費控除の対象となる医療費の金額は、その年中に実際に支払った金額であり、治療を受けたが未払いとなっている金額は対象とならない。
  2. 寡婦控除の控除額は、扶養親族の有無にかかわらず一律である。
  3. 居住者の扶養親族が非居住者である場合には、その扶養親族については扶養控除の対象とならない。
  4. 控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が18歳の者は、特定扶養親族に該当する。

【問題36】住宅ローン控除

平成29年分の所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、平成29年4月に住宅ローンを利用して家屋を取得したものとする。

  1. 住宅ローン控除の適用を受けようとする者のその年分の合計所得金額は、3,000万円以下でなければならない。
  2. 住宅ローン控除の適用を受ける最初の年分は、必要事項を記載した確定申告書に一定の書類を添付し、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  3. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、住宅ローンの一部繰上げ返済を行い、借入金の償還期間が当初の借入れの日から10年未満となった場合であっても、残りの控除期間について、住宅ローン控除の適用を受けることができる。
  4. 中古の住宅を取得した場合であっても、取得した日以前一定期間内に建築されたものや、一定の耐震基準に適合するものであれば、住宅ローン控除の適用の対象となる。

【問題37】法人税の損金

法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 使用人兼務役員に対して支給される給与のうち、使用人部分の給与については、原則として役員の報酬とは切り離して損金の額に算入することが認められている。
  2. 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人が支出した交際費等のうち、年800万円までの金額は、損金の額に算入することが認められている。
  3. 1人当たり1万円以下の得意先等との飲食費は、必要とされる書類等を保存していれば、税法上の交際費等に該当せず、その全額を損金の額に算入することができる。
  4. 損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則としてその事業税に係る納税申告書を提出した事業年度の損金の額に算入することができる。

【問題38】消費税

旅館業を営むX社が受け取る次の金銭のうち、消費税の課税対象とされるものとして、最も適切なものはどれか。

  1. 旅館に宿泊した者から受け取った宿泊料
  2. 旅館に火災が発生して損害保険会社から受け取った保険金
  3. X社が所有している上場株式から受け取った配当金
  4. X社が新たに従業員を採用して受け取った特定求職者雇用開発助成金

【問題39】会社と役員間の取引に係る所得税・法人税

会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合の利息に相当する金額について、原則として役員に対して所得税は課されない。
  2. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合の賃貸料に相当する金額について、原則として役員に対して所得税は課されない。
  3. 会社が役員の所有する土地を適正な時価よりも低い価額で取得した場合、その適正な時価と実際に支払った対価との差額は、その会社の受贈益になる。
  4. 役員が会社の所有する建物を適正な時価よりも低い価額で譲り受けた場合、その適正な時価と譲渡価額との差額は、役員の給与として取り扱われる。

【問題40】決算書の分析

決算書の分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 総資本経常利益率は、売上高経常利益率と総資本回転率に分解することができる。
  2. 当座比率は、その企業の短期の負債に対する支払能力を評価するための指標であり、一般に、この数値は高い方が望ましいとされる。
  3. 自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が財務の健全性が高いと判断される。
  4. 損益分岐点売上高は、「固定費÷限界利益率」の算式によって求めることができる。

タックスプランニング解答・解説

問題35~問題40の解答解説につきましては、教材購入者専用ページに掲載しています。教材購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題31】所得税の原則的な取扱い

  1. 所得税は、1暦年間(1月1日から12月31日までの期間)の所得に対して課税されます。これを暦年単位課税といいます。
    よって、本問は、不適切な記述です

  2. 課税総所得金額に対する所得税は、所得の金額に応じた超過累進税率により計算されます。
    よって、本問は、適切な記述です

  3. 所得税は、納税者が納めるべき税額を計算して納税する申告納税方式です。
    よって、本問は、不適切な記述です

  4. 納税義務者は、原則、個人です。所得税の納税義務者を居住者、非居住者などに分けてそれぞれ納税義務が定められています。
    居住者とは、日本国内に住所がある、または、現在まで引き続いて1年以上居所がある個人です。
    居住者は、「非永住者以外の居住者」と「非永住者」に分けられることになります。非永住者とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所又は居所を有する期間の合計が5年以下である個人のことです。
    非居住者とは、居住者以外の個人のことです。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.2

【問題32】所得の分類(所得税)

  1. 預貯金の利子を受け取ったことによる所得は、利子所得に該当します。
    よって、本問は、適切な記述です
  2. 上場株式の配当を受け取ったことによる所得は、配当所得に該当します。
    よって、本問は、適切な記述です
  3. 賃貸していた土地を売却した代金を受け取ったことによる所得は、譲渡所得に該当します。
    よって、本問は、不適切な記述です
    ※なお、土地の貸付けについては、不動産所得に該当します。
  4. 定年退職時に退職手当として一時金を受け取ったことによる所得は、退職所得に該当します。
    よって、本問は、適切な記述です

A.3

【問題33】所得税における利子所得および配当所得

  1. 特定公社債の利子については、申告分離課税の対象となります。
    よって、本問は、適切な記述です

  2. 一般公社債(特定公社債以外の公社債)の利子については、源泉分離課税の対象となります。
    よって、本問は、適切な記述です

  3. 公募公社債投資信託の収益分配金については、申告分離課税の対象となります。
    よって、本問は、適切な記述です

  4. 総合課税を選択せず、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得については、配当控除の適用はありません。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.4

【問題34】総所得金額(所得税)

以下の所得の金額の計算上、損失が生じた場合に、損益通算ができます。

  1. 不動産所得
    次の損失は、損益通算の対象となりません。
    ・土地(土地の上に存する権利を含みます。)取得のための負債の利子
    ・生活に必要不可欠ではない資産(別荘など)の貸付けによる損失
  2. 事業所得
  3. 山林所得
  4. 譲渡所得(譲渡所得の場合も不動産所得と同様、損益通算の対象とならないものがありますが、本問と無関係であるため省略します。)

よって、総所得金額は、次の算式により求めることができます。

300万円-(50万円-30万円)-80万円=200万円(総所得金額)

A.2

 

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