公的年金の併給調整と年金手続き等テキスト

FP2級・3級試験教材

年金の手続きと年金の税金について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性がありますので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

公的年金の併給調整

例えば、「老齢基礎年金と老齢厚生年金」、「障害基礎年金と障害厚生年金」、「遺族基礎年金と遺族厚生年金」のように支給事由が同じ場合には、両方を受給することができます。

しかし、支給事由が異なる場合には、原則、2つ以上の年金を受給することができず、いずれか1つの年金を選択する必要があります。これを1人1年金といいます。

ただし、支給事由が異なったとしても、以下のように、2つ以上の年金を併せて受給することができる場合があります。

障害基礎年金との併給

  • 障害基礎年金を受給している者が、65歳以降に老齢厚生年金の受給権を取得したときには、障害基礎年金と老齢厚生年金は併給されます
  • 障害基礎年金を受給している者が、65歳以降に遺族厚生年金の受給権を取得したときには、障害基礎年金と遺族厚生年金は併給されます

遺族厚生年金との併給

遺族厚生年金を受給している者が、65歳以降の老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給する場合、老齢基礎年金や老齢厚生年金は全額支給されます。

  • 遺族厚生年金を受給している者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときには、遺族厚生年金と老齢基礎年金は併給されます。
  • 遺族厚生年金と老齢厚生年金を受給できる権利がある者は、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。

配偶者の死亡により65歳以降に受け取ることができる遺族厚生年金の額は、下記の(1)の金額と(2)の金額とを比較して、高い方の金額となります。そして、その遺族厚生年金の額より本人の老齢厚生年金の額の方が少ないときには、遺族厚生年金の額と自分の老齢厚生年金の額との差額(遺族厚生年金の額-自分の老齢厚生年金の額)を遺族厚生年金として受給することができます。

(1)遺族厚生年金の額(死亡した者の老齢厚生年金額の報酬比例部分の4分の3)

(2)上記(1)の金額×3分の2+自分の老齢厚生年金額の2分の1

雇用保険との調整

雇用保険の基本手当を受給した場合

雇用保険の基本手当を受給する場合、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金については、全額支給停止されます。

原則、求職の申込みを行った日の属する月の翌月から基本手当の受給が終わるまで、年金全額が支給停止されます。

なお、繰上げ支給の老齢基礎年金を受給している者が雇用保険の基本手当を受給する場合においては、繰上げ支給の老齢基礎年金は、そのまま支給されます。

雇用保険の高年齢雇用継続給付

特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金を受給している人が、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受給するときには、「在職老齢年金の支給停止」に加えて「年金の一部(最高で、標準報酬月額の6%となります。)」が支給停止されます。

年金の裁定請求

年金を受給することができる資格を得たからといって自動的に支給が開始されるわけではありません。

年金を受給するためには、自分で請求をしていく必要があります。これを裁定請求といいます。

国民年金の第1号被保険者期間のみの人は、住所地の市区町村役場で、厚生年金の被保険者期間を有する人は、年金事務所が、裁定請求先となります。

年金の裁定請求

年金を受給することができる資格を得たからといって自動的に支給が開始されるわけではありません。

年金を受給するためには、自分で請求をしていく必要があります。これを裁定請求といいます。

国民年金の第1号被保険者期間のみの人は、住所地の市区町村役場で、厚生年金の被保険者期間を有する人は、年金事務所が、裁定請求先となります。

年金の支払い

受給する権利を取得した月の翌月から、死亡したなどにより受給する権利が消滅した月まで、年金は支給されることになります。

※例えば、7月3日に65歳になったとします。この場合、老齢基礎年金の受給権を取得した月である7月の翌月8月から支給されることになります。

年金は、原則、「2月、4月、6月、8月、10月、12月」の15日に、それぞれの月の前月までの2ヵ月分の年金が支払われることになります。

※例えば、8月15日に支払われる年金は、6月、7月の2ヵ月分です。

※年金を受ける権利は、原則として、権利が発生してから5年を経過すれば、時効によって消滅することになります。

公的年金の税金

  • 自分が負担した老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給した場合には、雑所得として、所得税・住民税が課されることになります。
    ただし、受給額が、65歳以上の人は1,200,000円以下、65歳未満の人は700,000円以下の場合には、所得金額が0円となります。
  • 障害年金や遺族年金を受給したとしても、非課税となるため、所得税も住民税も課されません。
  • 国民年金や厚生年金保険料は、社会保険料控除の対象となります。

この続きは、

教材購入者専用ページにありますテキスト完成版でご確認ください。

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