3級FP第1問~〇×問題【2017年9月】

FP2級・3級試験教材

2017年(平成29年)9月に実施された3級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題の第1問と解答・解説を掲載しています。

第1問は、問1~問30までの〇×形式で出題されています。

〇×形式なので、運でも正解できる可能性がありますが、必ず、実力で正解できるようになってください。

目次

【第1問】〇×問題

次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには(1)を、誤っているものまたは不適切なものには(2)をつけてください。

問1:関連法規

税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客のために反復継続して確定申告書の作成を代行しても、その行為が無償であれば税理士法に抵触しない。

問2:日本政策金融公庫の教育一般貸付

日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)の返済期間は、母子家庭等の場合を除き10年以内である。

問3:公的介護保険

公的介護保険の保険給付の対象となるサービスを利用したときの被保険者の自己負担割合は、原則として、そのサービスにかかった費用(食費、居住費等を除く)の3割である。

問4:老齢基礎年金の繰下げ

65歳到達時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者が、70歳到達日に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の老齢基礎年金の増額率は、42%になる。

問5:遺族厚生年金

遺族厚生年金を受けることができる遺族の範囲は、被保険者等の死亡当時、その者によって生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹である。

問6:長期平準定期保険

長期平準定期保険は、死亡保障が確保できることに加え、当該解約返戻金を役員退職金の原資として活用することができる生命保険である。

問7:収入保障保険

収入保障保険では、被保険者が保険期間中に死亡した場合、死亡保険金を年金形式で受け取るほか、一時金で受け取ることもできる。

問8:損害保険の保険料

損害保険の保険料は、純保険料と付加保険料で構成されており、純保険料は、保険会社が支払う保険金の原資となる。

問9:地震保険

保険始期が平成29年1月1日以降となる地震保険契約について、損害区分は「全損」「半損」「一部損」の3区分とされている。

問10:必要保障額

遺族のための必要保障額(遺族に必要な生活資金等の総額から遺族の収入見込金額を差し引いた金額)は、通常、子どもの成長とともに逓増する。

問11:公開市場操作

日本銀行の金融政策の1つである公開市場操作において、日本銀行が金融機関の保有する有価証券等の買入を行えば、市中に出回る資金量は増加する。

問12:上場不動産投資信託

上場不動産投資信託(J-REIT)は、上場株式と同様に、成行注文や指値注文によって取引することができる。

問13:債券

残存期間や表面利率等の他の条件が同一であれば、通常、高い信用格付を付された債券は、低い信用格付を付された債券に比べて債券価格が低く、利回りが高い。

問14:特別分配金

追加型の国内公募株式投資信託の収益分配金のうち元本払戻金(特別分配金)は、配当所得として所得税の課税対象となる。

問15:金融商品取引法

金融商品取引法に定める適合性の原則により、金融商品取引業者等は、金融商品取引行為について、顧客の知識、経験、財産の状況および金融商品取引契約を締結する目的に照らして、不適当な勧誘を行ってはならないとされている。

問16:上場株式等に係る配当等

個人の株主(発行済株式総数の3%以上を有する大口株主を除く)が受ける上場株式等に係る配当等は、その金額の多寡にかかわらず、所得税の確定申告不要制度を選択することができる。

問17:少額減価償却資産

所得税における事業所得の金額の計算上、使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満の減価償却資産については、その取得価額に相当する金額を、業務の用に供した日の属する年分の必要経費に算入する。

問18:総所得金額

所得税における一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額の合計額を控除し、その残額から特別控除額(最高50万円)を控除した金額であり、その金額が総所得金額に算入される。

問19:住宅借入金等特別控除

所得税において、合計所得金額が1,000万円を超える年分については、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができない。

問20:青色申告

不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき業務を行う居住者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けることにより青色申告書を提出することができる。

問21:路線価

宅地の相続税評価の基礎となる路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額である。

問22:手付額の制限

宅地建物取引業者は、自らが売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、取引の相手方が宅地建物取引業者でない場合、代金の額の10分の1を超える額の手付を受領することができない。

問23:建物の区分所有等に関する法律

建物の区分所有等に関する法律の規定によれば、集会において、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数で、建物を取り壊し、その敷地上に新たに建物を建築する旨の決議をすることができる。

問24:固定資産税

固定資産税における小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり200平方メートル以下の部分)の課税標準については、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の4分の1の額とする特例がある。

問25:譲渡費用

個人が土地を譲渡するために、その土地の上にある老朽化した建物を取り壊した場合の取壊し費用は、所得税における譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用となる。

問26:贈与

書面によらない贈与は、既に履行が終わった部分を含めて、各当事者が撤回することができる。

問27:贈与税

贈与税の納付については、納期限までに金銭で納付することを困難とする事由があるなど、一定の要件を満たせば、物納によることが認められている。

問28:法定後見制度

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があり、法定後見制度には「後見」「保佐」「補助」の3つがある。

問29:死亡保険金と税金

生命保険契約において、契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人がAさん、被保険者がAさんの配偶者である場合、Aさんの配偶者の死亡によりAさんが受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。

問30:相続財産の評価

相続財産の評価において、貸家の敷地の用に供されている宅地(貸家建付地)の価額は、「自用地としての評価額×借地権割合」の算式により評価する。

【第1問】解答・解説

問6~問11、問16、問17、問19~問21、問24~問26の解答・解説につきましては、教材購入者専用ページに掲載しております。

申し訳ございませんが、教材購入者以外の方は、教材購入者専用ページに掲載しているコンテンツをご利用いただけません。

問1:関連法規

税理士の資格を有していないFPは、税務書類の作成(確定申告書の作成等)や個別具体的な税務相談を行うことができません。たとえ、報酬をもらっていなくても、行うことができません。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問2:日本政策金融公庫の教育一般貸付

返済期間は、通常、15年以内となっています。ただし、母子家庭、父子家庭または世帯年収200万円以内の方や子ども3人以上の世帯、かつ、世帯年収500万円(所得346万円)以内の人は、18年以内となっています。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問3:公的介護保険

限度額の範囲内でサービスを利用した場合、介護サービスにかかった費用の1割が、自己負担額となります。

ただし、65歳以上の方で、本人の合計所得金額が160万円以上など一定の要件を満たすものの自己負担額は、2割となります。

なお、介護保険施設を利用する場合、費用の1割(一定以上の所得者の場合には、2割)負担のほかに、居住費、食費、日常生活費についても自己で負担する必要があります。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問4:老齢基礎年金の繰下げ

老齢基礎年金を65歳から受給することができる人は、66歳以後に繰り下げて受給することができます。

繰上げ受給と異なり、受給できる年金額は、増額されます。なお、増額された年金額が生涯支給されます。

増額率は、次の算式により求めることができます。

昭和16年4月2日以後に生まれた方の場合の増額率= 0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数(上限は、60月となります。)

本問は、70歳到達日に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をしたので、以下の算式により増額率を求めることができます。

0.7%×60月=42%(増額率)

よって、本問は、正しい記述です。

解答.(1)=〇

問5:遺族厚生年金

死亡した人に生計を維持されていた以下の者が、遺族厚生年金を受給することができます。

  1. 配偶者・子
  2. 父母
  3. 祖父母

本問は、「兄弟姉妹」も対象としているので、誤った記述です。

解答.(2)=×

問12:上場不動産投資信託

株式と同様、証券会社を通じていつでも売買を行うことが可能で、指値注文や成行注文も可能です。

よって、本問は、正しい記述です。

解答.(1)=〇

問13:債券

高い信用格付を付された債券は、低い信用格付を付された債券に比べて、購入したい人が増えますので、債券価格が高くなります。それに伴い、利回りが低くなります。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問14:特別分配金

株式投資信託の収益分配金は、普通分配金と特別分配金に分けられます。

分配後基準価額が個別元本と同額か上回る場合、収益分配金全額が普通分配金となります。

分配後基準価額が個別元本を下回る場合、その個別元本を下回る部分が特別分配金となります。そして、収益分配金から特別分配金を差し引いた金額が普通分配金となります。

  • 普通分配金は、配当所得として20.315%(復興特別所得税を含みます。)の源泉徴収がされます。
  • 特別分配金は、非課税です。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問15:金融商品取引法

顧客の知識、経験、財産の状況、金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当な勧誘をしてはいけない決まりを適合性の原則といいます。

よって、本問は、正しい記述です。

解答.(1)=〇

問18:総所得金額

総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

一時所得の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。

よって、本問は、誤った記述です。

※なお、総合課税の長期譲渡所得の場合も、長期譲渡所得の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。

解答.(2)=×

問22:手付額の制限

宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができません。

ただし、買主が宅地建物取引業者である場合には、代金の額の10分の2という制限はありません。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問23:建物の区分所有等に関する法律

区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、建替え決議をすることができます。

建替え決議とは、建物を取り壊し、かつ、その建物の敷地若しくはその一部の土地又はその建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議のことです。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

 

 

問27:贈与税

贈与税の納付は、金銭での一括納付のほか、5年以内の延納(分割払い)が認められています。ただし、相続税と異なり、物納は認められていません。

よって、本問は、誤った記述です。

解答.(2)=×

問28:法定後見制度

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があり、法定後見制度には「後見」「保佐」「補助」の3つがあります。

よって、本問は、正しい記述です。

解答.(1)=〇

問29:死亡保険金と税金

保険契約者(保険料負担者)と保険金受取人が同じである場合、受け取った死亡保険金については、所得税の課税対象となります。

よって、本問は、誤った記述です。

※所得税の課税対象となる死亡保険金の場合、死亡保険金を一時金で受領したときには一時所得、年金で受領したときには雑所得として課税されることになります。

解答.(2)=×

問30:相続財産の評価

貸家建付地とは、土地の所有者が建物を建築し、その建物をほかに貸し付けている場合の宅地のことです。

自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=貸家建付地の評価額

よって、本問は、誤った記述です。

※本問の算式は、借地権の評価額の算式です。

解答.(2)=×

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