2023年(令和5年)9月に実施されましたFP2級学科試験の問56の問題(民法上の遺言)と解答・解説です。
問56:民法上の遺言
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 相続人が自筆証書遺言を発見し、家庭裁判所の検認を受ける前に開封した場合、その遺言は無効となる。
- 遺言者が自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコンで作成する場合、当該目録への署名および押印は不要である。
- 公正証書遺言の作成において、遺言者の推定相続人とその配偶者は証人として立ち会うことができない。
- 公正証書遺言は、自筆証書遺言によって撤回することはできず、公正証書遺言によってのみ撤回することができる。
解答・解説
- 不適切
相続人が自筆証書遺言を発見し、家庭裁判所の検認を受ける前に開封したとしても、遺言自体は、無効とはなりません。 - 不適切
自筆証書遺言に添付する財産目録は、パソコンで作成することができますが、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合は、その両面)に署名し、印を押さなければなりません。 - 適切
公正証書や秘密証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要ですが、以下の者は、遺言の証人又は立会人となることができません。
・未成年者
・推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
・公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人 - 不適切
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、遺言の全部又は一部を撤回することができます。ですので、公正証書遺言は、自筆証書遺言によっても撤回することができます。
解答:3