2020年9月に実施されましたFP2級実技試験(資産設計提案業務)の第4問の問題と解説です。
目次
第4問:FP2級資産設計(2020年9月実技試験)
下記の問11~問14について解答しなさい。
問11:生命保険
中井洋子さん(52歳)が保険契約者(保険料負担者)および被保険者として加入している生命保険(下記<資料>参照)の保障内容に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値を答えなさい。なお、保険契約は有効に継続し、かつ特約は自動更新しているものとし、洋子さんはこれまでに<資料>の保険から、保険金・給付金を一度も受け取っていないものとする。また、各々の記述はそれぞれ独立した問題であり、相互に影響を与えないものとする。
問12:リビングニーズ特約
リビングニーズ特約に関する下記<資料>の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句を語群の中から選びなさい。
<資料(ご契約のしおり・約款から一部抜粋)>
リビングニーズ特約による保険金のお支払い
<語群> 1.1ヵ月 2.3ヵ月 3.6ヵ月 4.1年 5.保険料相当額 6.利息相当額 7.保険料相当額および利息相当額 8.死亡保険金受取人 9.被保険者 10.保険契約者 11.法定相続人 12.1,000万円 13.3,000万円 14.5,000万円 15.1億円 |
問13:生命保険の税金
大久保邦彦さんと妻の久代さんが加入している生命保険契約(下記<資料>参照)について、保険金または給付金が支払われた場合の課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 契約Aについて、邦彦さんが受け取った死亡保険金は相続税の課税対象となる。
- 契約Bについて、久代さんが2年目以降に受け取る死亡年金は所得税(雑所得)の課税対象となる。
- 契約Bについて、久代さんが年金受取に代えて一時金受取を選択した場合、所得税(一時所得)の課税対象となる。
- 契約Cについて、久代さんが受け取ったガン診断給付金は、所得税(一時所得)の課税対象となる。
問14:自動車保険
柴田さん(52歳)は、自身を記名被保険者として契約している自動車保険の契約更新案内(下記<資料>参照)について、FPの唐沢さんにアドバイスを求めた。唐沢さんが述べた次の1~4の記述について、適切なものには○、不適切なものには×をつけなさい。なお、<資料>に記載のない特約については考慮しないものとする。
- 「柴田さんが車を駐車する際、誘導していた柴田さんの妻に誤って接触してケガを負わせた場合は、どのプランでも対人賠償保険による補償の対象になります。」
- 「前年同内容プランは、大雨による洪水で被保険自動車が水没した場合の車の損害も補償しています。」
- 「運転免許証を取得した柴田さんの息子(同居で22歳)が被保険自動車を運転して対物事故を起こした場合、おすすめプランAであれば補償の対象になります。」
- 「おすすめプランBは、柴田さんが運転中に他車との接触事故でケガをした場合、過失割合にかかわらず柴田さんの治療費用等は補償の対象になります。」
解答・解説
問11:生命保険
解答:(ア)8 (イ)758 (ウ)4,010
(ア)について
疾病入院特約:5,000円×8日間=4万円
生活習慣病入院特約(糖尿病・高血圧・ガンなど):5,000円×8日間=4万円
合計、8万円
(イ)について
特定疾病保障特約保険金(ガン、急性心筋梗塞など):500万円
疾病入院特約:5,000円×22日間=11万円
手術給付金:5,000円×20倍=10万円
生活習慣病入院特約:5,000円×22日間=11万円
ガン診断給付金:200万円
ガン入院給付金:1万円×26日間=26万円
合計、758万円
(ウ)について
終身保険金:200万円
定期保険特約保険金:2,800万円
特定疾病保障特約保険金:500万円
※特定疾病以外の事由により死亡した場合も、保険金が支払われます。
傷害特約保険金:500万円
※不慮の事故による死亡などが対象。
死亡給付金(ガン以外):10万円
合計、4,010万円
問12:リビングニーズ特約
解答:(ア)3 (イ)7 (ウ)9 (エ)13
(ア)について
支払事由ですが、リビング・ニーズ特約は、ケガや病気の種類を問わず、被保険者の余命が6カ月以内と診断された場合です。
(イ)について
リビング・ニーズ特約による保険金は、指定した保険金額から対応する6カ月分の利息および保険料相当額を控除した額になります。
(ウ)について
リビング・ニーズ特約による保険金の受取人は、原則として、被保険者となります。(生前に給付)
(エ)について
リビングニーズ特約による請求額は、保険金額の範囲内で一被保険者当たり3,000万円を限度とします。
問13:生命保険の税金
解答:2
1. | 不適切 | 保険契約者(保険料負担者)と保険金受取人が同一人であり、被保険者が異なる保険契約において、被保険者が死亡して保険金受取人が受け取る死亡保険金は、所得税の課税対象となります。 |
2. | 適切 | 年金で受け取る場合には、二段階で課税されます。 保険契約者(保険料負担者)と被保険者が同一人で、保険金受取人が異なる場合ですので、死亡時(1年目)は相続税の課税対象となり、2年目以降に受け取る死亡年金は所得税(雑所得)の課税対象となります。 |
3. | 不適切 | 肢2と異なり、一時金受取ですので、相続税の課税対象となるだけで、所得税(雑所得)の課税対象となりません。 |
4. | 不適切 | ガン診断給付金は、非課税となります。 |
問14:自動車保険
1. | × | 対人賠償保険では、「運転者自身またはその父母・配偶者・子」「被保険者またはその父母・配偶者・子」に対する損害に対しては、補償の対象となりません。 |
2. | 〇 | 車両保険では、大雨による洪水で被保険自動車が水没した場合の車の損害も補償しています。(エコノミー型も補償対象) |
3. | × | おすすめプランAの運転者年齢条件が「35歳以上補償」となっていますので、柴田さんの22歳の息子が被保険自動車を運転して対物事故を起こしたとしても、補償の対象とはなりません。 |
4. | 〇 | おすすめプランBは、「人身傷害補償保険:付帯あり」となっており、 柴田さんが運転中に他車との接触事故でケガをした場合、過失割合にかかわらず柴田さんの治療費用等は補償の対象になります。 |