2023年5月に実施されましたFP2級実技試験(資産設計提案業務)の第1問の問題と解説です。
第1問:FP2級資産設計(2023年5月実技試験)
下記の問1、問2について解答しなさい。
問1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)は、ファイナンシャル・プランニング業務を行ううえで関連業法等を順守することが重要である。FPの行為に関する次の1~4の記述について、適切なものには○、不適切なものには×をつけなさい。
- 税理士資格を有していないFPが、相続対策を検討している顧客に対し、有料の相談業務において、仮定の事例に基づいて、相続税額を計算する手順について説明を行った。
- 社会保険労務士資格を有していないFPが、顧問先企業の雇用保険に関する申請書を作成して手続きの代行を行い、報酬を受け取った。
- 生命保険募集人・保険仲立人・金融サービス仲介業者の登録を受けていないFPが、生命保険契約を検討している顧客のライフプランに基づき、具体的な必要保障額を試算した。
- 弁護士資格を有していないFP(遺言者や公証人と利害関係はない成年者)が、顧客から依頼されて公正証書遺言の証人となり、顧客から適正な報酬を受け取った。
問2
「消費者契約法」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 事業者が消費者に重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれを事実と信じて締結した契約は、取り消すことができる。
- 消費者の判断力が著しく低下し、過大な不安を抱いている状況に付け込んで、事業者の不当性の高い行為により消費者が困惑した状況で契約を締結した場合、当該契約は取り消すことができる。
- 消費者契約法の保護の対象となる消費者とは、個人(事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)とされており、法人は対象外とされている。
- 消費者が、商品を買わずに帰りたいと言っても帰らせてもらえずに困惑して商品購入の契約をした場合で、購入場所が事業者の店舗であるときは、当該契約は取り消すことができない。
解答・解説
問1
- 〇
税理士資格を有しないFPは、有償・無償にかかわらず、個別具体的な税務相談、税務書類の作成、税務代理をすることができませんが、本肢のように、仮の計算や一般的な説明はすることができます。 - ×
社会保険労務士資格等を有しないFPは、報酬を得て、労働及び社会保険諸法令に基づいて行政機関等に提出する申請書、届出書等の作成及び提出、法令に基づく帳簿書類の作成等の事務手続きをすることができません。 - 〇
生命保険募集人・保険仲立人・金融サービス仲介業者の登録を受けていなくても、必要保障額を試算することができます。 - 〇
弁護士資格を有していないFP(遺言者や公証人と利害関係はない成年者)は、公正証書遺言の証人となることができます。
「未成年者」「推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族」「公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人」は、遺言の証人又は立会人となることができません。
問2
- 適切
事業者が消費者に重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれを事実と信じて締結した契約は、取り消すことができます。 - 適切
消費者の判断力が著しく低下し、過大な不安を抱いている状況に付け込んで、事業者の不当性の高い行為により消費者が困惑した状況で契約を締結した場合、当該契約は取り消すことができます。 - 適切
消費者契約法の保護の対象となる消費者とは、個人(事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)とされており、法人は対象外とされています。 - 不適切
消費者が商品を買わずに帰りたいと言っても帰らせてもらえずに困惑して商品購入の契約をした場合、当該契約を取り消すことができます。なお、購入場所が事業者の店舗であっても同様です。
解答:4