2020年9月に実施されましたFP3級実技試験(保険顧客資産相談業務)の第1問の問題と解説です。
第1問:2020年9月FP3級実技試験(保険顧客)
次の設例に基づいて、下記の各問(問1~問3)に答えなさい。
《設例》 Aさん(47歳)は、小売店を営んでいる個人事業主である。Aさんは、大学卒業後に入社した電機メーカーを退職した後、現在の小売店を開業し、売上は堅調に推移し ている。最近、Aさんは老後の年金収入を増やしたいと考えており、その前提として、自分の公的年金がどのくらい支給されるのか、知りたいと思っている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。 <Aさんに関する資料> (1)生年月日:1973年7月11日 (2)公的年金の加入歴:下図のとおり(60歳までの見込みを含む)。大学卒業後から15年間、厚生年金保険に加入。小売店の開業後は国民年金の保険料を納付している。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。 |
問1
はじめに、Mさんは、《設例》の<Aさんに関する資料>に基づき、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(2020年度価額)を試算した。Mさんが試算した老齢基礎年金の年金額の計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。
問2
次に、Mさんは、老後の年金収入を増やすための各種方法について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)~(3)に入る語句の組合せとして、 次のうち最も適切なものはどれか。
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- (1)一時所得 (2)48,000円 (3)68,000円
- (1)退職所得 (2)24,000円 (3)68,000円
- (1)退職所得 (2)48,000円 (3)70,000円
問3
最後に、Mさんは、確定拠出年金の個人型年金(以下、「個人型年金」という)について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
- 「個人型年金のメリットとして、税制の優遇措置が挙げられます。加入者が拠出する掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります」
- 「個人型年金の留意点として、加入時や運用期間中に各種の手数料がかかることや、年金資産の運用リスクは加入者が負うことなどが挙げられます」
- 「個人型年金では、加入時に決めた掛金の拠出額を途中で減額することや掛金の拠出を停止することができない点に留意する必要があります」
解答・解説
問1
保険料未納期間33月については、保険料納付済月数に含めず、問題上の分子に含めません。
ですので、老齢基礎年金の年金額の計算式は、「781,700円×447月÷480月」となります。
解答:1
問2
(1)について
『一括受取り』の共済金(死亡事由以外)は、税法上、退職所得として課税の対象となります。
(2)について
付加年金額は、「200円×120月(付加保険料納付月数)=24,000円」です。
(3)について
国民年金基金に拠出することができる掛金の限度額は、原則として、月額68,000円となります。
解答:2
問3
- 適切
加入者が拠出する掛金は、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。 - 適切
個人型年金の留意点として、加入時や運用期間中に各種の手数料がかかることや、年金資産の運用リスクは加入者が負うことなどが挙げられます。 - 不適切
加入時に決めた掛金の拠出額を途中で減額することや掛金の拠出を停止することができます。
解答:3