【2021年5月FP3級保険顧客】第4問の問題と解説

FP2級・3級試験教材

2021年5月に実施されましたFP3級実技試験(保険顧客資産相談業務)の第4問の問題と解説です。

第4問:2021年5月FP3級実技試験(保険顧客)

次の設例に基づいて、下記の各問(問10~問12)に答えなさい。

<設例>

会社員のAさんは、妻Bさん、長女Cさんおよび母Dさんとの4人家族である。Aさんは、2020年中に購入した医薬品の費用について、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の適用を受けたいと考えている。また、Aさんは、2020年中に養老保険の満期保険金および個人年金保険(10年確定年金)の年金を受け取っている。

<Aさんとその家族に関する資料>

  • Aさん (60歳):会社員
  • 妻Bさん (52歳):専業主婦。2020年中の収入はない。
  • 長女Cさん(20歳):大学生。2020年中に、アルバイトとして給与収入50万円を 得ている。また、長女Cさんが負担すべき国民年金の保険 料はAさんが支払っている。
  • 母Dさん (80歳):2020年中に老齢基礎年金50万円および遺族厚生年金50万円 を受け取っている。

<Aさんの2020年分の収入等に関する資料>

(1) 給与収入の金額:800万円

(2) 養老保険(月払)の満期保険金

  • 契約年月:1990年7月
  • 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
  • 死亡保険金受取人:妻Bさん
  • 満期保険金受取人:Aさん
  • 満期保険金額:500万円
  • 正味払込保険料:400万円

(3) 個人年金保険(10年確定年金)の年金収入 : 100万円(必要経費は70万円)
※契約者(=保険料負担者)・被保険者・年金受取人はAさんである。
※配当金については考慮しないものとする。

※妻Bさん、長女Cさんおよび母Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2020年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問10

Aさんの2020年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「セルフメディケーション税制の適用を受ける場合、特定一般用医薬品等購入費の総額(保険金などで補填される金額を除く)が12,000円を超えるときに、その超える部分の金額(最高88,000円)を総所得金額等から控除することができます」
  2. 「会社員であるAさんは、勤務先の年末調整においてセルフメディケーション税制の適用を受けることができます」
  3. 「Aさんが支払っている長女Cさんの国民年金の保険料は、その全額がAさんの社会保険料控除の対象となります」

問11

Aさんの2020年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

  1. 650万円
  2. 665万円
  3. 690万円

問12

Aさんの2020年分の所得税における所得控除に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ① )万円です」
  2. 「長女Cさんは特定扶養親族に該当するため、Aさんが適用を受けることができる長女Cさんに係る扶養控除の控除額は、( ② )万円です」
  3. 「母Dさんは老人扶養親族の同居老親等に該当するため、Aさんが適用を受けることができる母Dさんに係る扶養控除の控除額は、( ③ )万円です」
  1. ① 26 ② 58 ③ 38
  2. ① 38 ② 58 ③ 48
  3. ① 38 ② 63 ③ 58

解答・解説

問10

  1. 適切
    セルフメディケーション税制の適用を受ける場合、特定一般用医薬品等購入費の総額(保険金などで補填される金額を除く)が12,000円を超えるときに、その超える部分の金額(最高88,000円)を総所得金額等から控除することができます。
  2. 不適切
    医療費控除については、年末調整の対象外で、確定申告が必要となります。
  3. 適切
    納税者が生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき国民年金保険料を支払った場合、その支払った金額は納税者の社会保険料控除の対象となります。

解答:2

問11

給与所得は、「800万円-(800万円×10+110万円)=610万円」となります。

一時所得(養老保険)は、「500万円-400万円-50万円=50万円」となり、総所得金額に算入されるのは、「50万円×2分の1=25万円」となります。

雑所得(個人年金)は、「100万円-70万円=30万円」となります。

上記の結果、総所得金額は、「610万円+25万円+30万円=665万円」となります。

解答:2

問12

①について

控除を受ける納税者本人の合計所得金額(問11参照)が900万円以下ですので、38万円の配偶者控除の適用があります。

②について

長女Cさんは、20歳ですので、特定扶養親族に該当することになります。

なお、特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の者をいい、扶養控除の控除額は、63万円です。

③について

母Dさんは老人扶養親族の同居老親等に該当しますので、扶養控除の控除額は、58万円です。

解答:3

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