2023年9月に実施されましたFP3級実技試験(保険顧客資産相談業務)の第4問の問題と解説です。
第4問:2023年9月FP3級実技試験(保険顧客)
次の設例に基づいて、下記の各問(問10~問12)に答えなさい。
<設例> 会社員のAさんは、妻Bさん、長女Cさんとの3人家族である。Aさんは、2023年中に一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金を受け取っている。 <Aさんとその家族に関する資料>
<Aさんの2023年分の収入等に関する資料> (1)給与収入の金額:650万円 (2)一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金
<Aさんが2023年中に支払った生命保険の保険料に関する資料> (1)終身保険(特約付加なし)
(2)終身がん保険(死亡保障なし)
※妻Bさんおよび長女Cさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。 |
問10
Aさんの2023年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。
- 476万円
- 496万円
- 516万円
問11
Aさんの2023年分の所得税の課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 「Aさんは、2023年中に解約した一時払変額個人年金保険の解約差益が20万円を超えるため、所得税の確定申告をしなければなりません」
- 「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、38万円です」
- 「Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、63万円です」
問12
Aさんの2023年分の所得税における生命保険料控除の控除額は、次のうちどれか。
- 4万円
- 8万円
- 10万円
解答・解説
問10
- 給与所得の金額は、「650万円-(650万円×20%+44万円)=476万円」で、この金額が総所得金額に算入されます。
- 一時所得の金額は、「440万円-400万円=40万円≦特別控除額50万円」となりますので、0円です。
ですので、総所得金額は476万円です。
解答:1
問11
- 不適切
1ヵ所から給与等の支払を受けている者で、給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合、確定申告が必要となりますが、
問10の解説のとおり、一時所得の金額は、0円ですので、確定申告をする必要はありません。 - 適切
「妻Bさんの合計所得金額が48万円以下であること」などの要件を満たしていますので、配偶者控除の適用を受けることができます。
そして、合計所得金額が900万円以下である納税者(Aさん)が配偶者控除の適用を受ける場合、控除対象配偶者のその年12月31日現在の年齢が70歳未満であるとき(老人控除対象配偶者ではないとき)は、控除額は38万円となります。 - 不適切
長女Cさんは、17歳ですので、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)に該当せず、一般の控除対象扶養親族に該当します。
ですので、控除額は、38万円です。
解答:2
問12
終身保険も、終身がん保険も、2012年1月1日以後に締結していますので、新制度の対象となります。
そして、終身保険も、終身がん保険も、払込保険料が8万円を超えていますので、
生命保険料控除の控除額は、「一般の生命保険料控除が4万円(上限)+介護医療保険料控除4万円(上限)=8万円」となります。
解答:2