【2020年9月FP3級個人資産】第3問の問題と解説

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2020年9月に実施されましたFP3級実技試験(個人資産相談業務)の第3問の問題と解説です。

第3問:2020年9月FP3級実技試験(個人資産)

次の設例に基づいて、下記の各問(問7~問9)に答えなさい。

《設例》

個人事業主であるAさんは、開業後直ちに青色申告承認申請書と青色事業専従者給与に関する届出書を所轄税務署長に対して提出している青色申告者である。

<Aさんとその家族に関する資料>

Aさん(63歳):個人事業主(青色申告者)

妻Bさん(57歳):Aさんの事業に専ら従事し、青色事業専従者給与(2020年分:84万円)の支払を受けている。

<Aさんの2020年分の収入等に関する資料>

(1)事業所得の金額:400万円(青色申告特別控除後)

(2)特別支給の老齢厚生年金の年金額:50万円

(3)上場株式の譲渡損失の金額(証券会社を通じて譲渡したものである):30万円

※妻Bさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。

※Aさんおよび妻Bさんは、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。

※Aさんおよび妻Bさんの年齢は、いずれも2020年12月31日現在のものである。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問7

所得税における青色申告制度に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「2019年分の所得税では、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することにより、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( ① )万円を控除することができました。2020年分以後の所得税からは、従前の要件に加えて、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うことで、引き続き( ① )万円の青色申告特別控除の適用を受けることができます。従前の要件のみを満たす場合、控除額は( ② )万円に引き下げられます」
  2. 「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の( ③ )年間の繰越控除、純損失の繰戻還付、棚卸資産の評価について低価法を選択することができることなどが挙げられます」
  1. ① 65 ② 10 ③ 7
  2. ① 65 ② 55 ③ 3
  3. ① 55 ② 10 ③ 3

問8

Aさんの2020年分の所得税の課税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「妻Bさんは青色事業専従者として給与の支払を受けているため、Aさんは、妻Bさんについて配偶者控除の適用を受けることはできません」
  2. 「Aさんの場合、公的年金等の収入金額の合計額が60万円以下であるため、公的年金等に係る雑所得の金額は算出されません」
  3. 「Aさんの場合、上場株式の譲渡損失の金額を事業所得の金額と損益通算することができます」

問9

Aさんの2020年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

  1. 400万円
  2. 420万円
  3. 450万円

解答・解説

問7

①について

2019年分の所得税では、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することにより、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高65万円を控除することができました。

②について

2020年分以後の所得税からは、従前の要件に加えて、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うことで、引き続き65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができます。従前の要件のみを満たす場合、控除額は55万円に引き下げられます。

③について

青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の3年間の繰越控除、純損失の繰戻還付、棚卸資産の評価について低価法を選択することができることなどが挙げられます。

解答:2

問8

1.適切

妻Bさんは青色事業専従者として給与の支払を受けているため、Aさんは、妻Bさんについて配偶者控除の適用を受けることはできません

2.適切

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が
1,000万円以下で、65歳未満の者の公的年金等の収入金額の合計額が60万円までの場合、所得金額は、0(ゼロ)となります。

3.不適切

上場株式の譲渡損失の金額を事業所得の金額と損益通算することができません。

なお、上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、その年分の上場株式等の配当等に係る利子所得の金額及び申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得の金額と損益通算することができます。

解答:3

問9

問8も考慮した結果、事業所得の金額400万円が総所得金額となります。

解答:1

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