【2021年9月FP3級個人資産】第4問の問題と解説

2021年9月に実施されましたFP3級実技試験(個人資産相談業務)の第4問の問題と解説です。

第4問:2021年9月FP3級実技試験(個人資産)

次の設例に基づいて、下記の各問(問10~問12)に答えなさい。

《設例》

Aさん(62歳)は、12年前に父親の相続により取得した自宅(建物およびその敷地である甲土地)を所有している。Aさんは自宅を売却し、駅前のタワーマンションを購入して移り住むことを検討している。
先日、Aさんが知り合いの不動産会社の社長に相談したところ、「甲土地は最寄駅に近く、都心へのアクセスもよい。賃貸マンション経営をしてみてはどうか」とアドバイスを受けた。

<甲土地の概要>

  • 指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
  • 特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問10

甲土地に耐火建築物を建築する場合の①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. ① 360㎡ ② 1,440㎡
  2. ① 360㎡ ② 1,200㎡
  3. ① 400㎡ ② 1,200㎡

問11

自宅(建物およびその敷地である甲土地)の譲渡に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「仮に、Aさんがタワーマンションに転居し、その後、居住していない現在の自宅を譲渡した場合に、Aさんが『居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例』の適用を受けるためには、家屋に自己が居住しなくなった日から( ① )を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること等の要件を満たす必要があります。また、『居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例』の適用を受けた場合、課税長期譲渡所得金額が( ② )以下の部分については、軽減税率が適用されます」
  2. 「Aさんが自宅を譲渡し、マンションを購入した場合、譲渡した年の1月1日において譲渡した居住用財産の所有期間が( ③ )を超えていること等の要件を満たせば、『特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例』の適用を受けることができます」
  1. ① 3年 ② 1億円 ③ 5年
  2. ① 5年 ② 1億円 ③ 10年
  3. ① 3年 ② 6,000万円 ③ 10年

問12

自己建設方式による甲土地の有効活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、相続税の課税価格の計算上、甲土地は貸宅地として評価されます」
  2. 「甲土地が貸付事業用宅地等に該当すれば、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができます。貸付事業用宅地等は、相続税の課税価格の計算上、200㎡までの部分について50%の減額が受けられます」
  3. 「賃貸マンションを建築することで相続税等の軽減が期待できますが、将来の賃料収入が減少することや、借入金の返済が滞ることなどのリスクを考慮し、実行にあたっては慎重な計画が求められます」

解答・解説

問10

①について

土地面積×建蔽率=建築面積

準防火地域内に耐火建築物を建築する場合ですので、建蔽率の限度が10分の1緩和されることになり、建蔽率の限度が90%となります。

ですので、建蔽率の上限となる建築面積は、「400㎡×90%=360㎡」です。

②について

土地の面積×容積率=延べ面積

前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。)の幅員が12m未満である建築物の容積率は、「当該前面道路の幅員(6m)に一定の数値(6/10)を乗じたもの(360%)」と「指定容積率(300%)」の2つを比較して、低い方(300%)が、容積率の上限となります。

ですので、容積率の上限となる延べ面積は、「400㎡×300%=1,200㎡」です。

解答:2

問11

①について

『居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例』の適用を受けるためには、家屋に自己が居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること等の要件を満たす必要があります。

②について

『居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例』の適用を受けた場合、課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の部分については、軽減税率が適用されます。(所得税は、10.21%、住民税は、4%となる)

③について

譲渡した年の1月1日において譲渡した居住用財産の所有期間が10年を超えていること等の要件を満たせば、『特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例』の適用を受けることができます。

解答:3

問12

  1. 不適切
    Aが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、相続税の課税価格の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。
  2. 適切
    甲土地が貸付事業用宅地等に該当すれば、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができます。貸付事業用宅地等は、相続税の課税価格の計算上、200㎡までの部分について50%の減額が受けられます。
  3. 適切
    賃貸マンションを建築することで相続税等の軽減が期待できますが、将来の賃料収入が減少することや、借入金の返済が滞ることなどのリスクを考慮し、実行にあたっては慎重な計画が求められます。

解答:1

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