【2023年9月FP3級個人資産】第2問の問題と解説

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2023年9月に実施されましたFP3級実技試験(個人資産相談業務)の第2問の問題と解説です。

第2問:2023年9月FP3級実技試験(個人資産)

次の設例に基づいて、下記の各問(問4~問6)に答えなさい。

《設例》

会社員のAさん(58歳)は、国内の銀行であるX銀行の米ドル建定期預金のキャンペーン広告を見て、その金利の高さに魅力を感じているが、これまで外貨建金融商品を利用した経験がなく、留意点や課税関係について知りたいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

<X銀行の米ドル建定期預金に関する資料>

  • 預入金額:10,000米ドル
  • 預入期間:6カ月
  • 利率(年率):4.0%(満期時一括支払)
  • 為替予約なし

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問4

Mさんは、《設例》の米ドル建定期預金について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「米ドル建定期預金の満期時の為替レートが、預入時の為替レートに比べて円高・米ドル安となった場合、円換算の運用利回りは向上します」
  2. 「X銀行に預け入れた米ドル建定期預金は、金額の多寡にかかわらず、預金保険制度の保護の対象となりません」
  3. 「X銀行の米ドル建定期預金に10,000米ドルを預け入れた場合、Aさんが満期時に受け取ることができる利息額は400米ドル(税引前)になります」

問5

Aさんが、《設例》および下記の<資料>の条件で、10,000米ドルを預け入れ、満期時に円貨で受け取った場合における元利金の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、計算にあたっては税金等を考慮せず、預入期間6カ月は0.5年として計算すること。

  1. 1,326,000円
  2. 1,331,100円
  3. 1,336,200円

問6

Mさんは、Aさんに対して、《設例》の米ドル建定期預金に係る課税関係について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「AさんがX銀行の米ドル建定期預金に預け入れをした場合、当該預金の利子に係る利子所得は、所得税および復興特別所得税と住民税を合わせて20.315%の税率による(①)の対象となります」
  2. 「外貨預金による運用では、外国為替相場の変動により、為替差損益が生じることがあります。為替差益は(②)として、所得税および復興特別所得税と住民税の課税対象となります。なお、為替差損による損失の金額は、外貨預金の利子に係る利子所得の金額と損益通算することが(③)」
  1. ①源泉分離課税 ②雑所得 ③できません
  2. ①源泉分離課税 ②一時所得 ③できます
  3. ①申告分離課税 ②雑所得 ③できます

解答・解説

問4

  1. 不適切
    満期時の為替レートが預入時の為替レートに比べて円高になれば、円換算した時には、為替差損が発生することになります。
    これに伴って、円換算の投資利回りは下落することになります。
  2. 適切
    外貨預金は、預金保険制度の保護の対象となりません。
  3. 不適切
    X銀行の米ドル建定期預金に10,000米ドルを預け入れた場合、Aさんが満期時に受け取ることができる利息額は「10,000米ドル×4%×6ヵ月÷12ヵ月=200米ドル(税引前)」になります。

解答:2

問5

満期時の外貨ベースの元利合計額は、「10,000米ドル+10,000米ドル×4%×0.5=10,200米ドル」となります。

そして、外貨ベースの元利合計額を円転した金額を求める際に使う為替レートはTTBですので、

満期時に円貨で受け取った場合における元利金の合計額は、「10,200米ドル×130円=1,326,000円」となります。

解答:1

問6

①について

AさんがX銀行の米ドル建定期預金に預け入れをした場合、当該預金の利子に係る利子所得は、所得税および復興特別所得税と住民税を合わせて20.315%の税率による源泉分離課税の対象となります。

②について

外貨預金の預入時に為替先物予約を締結しなかった場合、満期時の元本部分に係る為替差益は、雑所得として総合課税の対象となります。

③について

為替差損による損失の金額は、外貨預金の利子に係る利子所得の金額と損益通算することができません。

解答:1

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