【2020年1月FP3級保険顧客】第4問の問題と解説

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2020年1月に実施されましたFP3級実技試験(保険顧客資産相談業務)の第4問の問題と解説です。

第4問:2020年1月FP3級実技試験(保険顧客)

次の設例に基づいて、下記の各問(問10~問12)に答えなさい。

《設例》

Aさんは、飲食店を営む個人事業主である。Aさんは、開業後直ちに青色申告承認申請書と青色事業専従者給与に関する届出書を所轄税務署長に提出している。また、Aさんは、2019年中に一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金を受け取っている。

<Aさんとその家族に関する資料>

  • Aさん (49歳):個人事業主(青色申告者)
  • 妻Bさん (47歳): Aさんが営む飲食店の事業に専ら従事し、2019年中に、青色事業専従者として給与収入80万円を得ている。
  • 長女Cさん(20歳):大学生。2019年中に、塾講師のアルバイトとして給与収入90万円を得ている。
  • 二女Dさん(15歳):中学生。2019年中の収入はない。

<Aさんの2019年分の収入等に関する資料>

(1)事業所得の金額:400万円(青色申告特別控除後)

(2)一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金

  • 契約年月:2010年6月
  • 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
  • 死亡保険金受取人:妻Bさん
  • 解約返戻金額:620万円
  • 一時払保険料:500万円

※妻Bさん、長女Cさんおよび二女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしてい る。

※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。

※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2019年12月31日現在のものである。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問10:所得税における青色申告制度

所得税における青色申告制度に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「青色申告をすることができる者は、( 1 )、事業所得または山林所得を生ずべき業務を行う者です」
  2. 「事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者は、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則により記帳し、その記帳に基づいて作成された貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を確定申告書に添付して、法定申告期限内に提出すれば、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高65万円を控除することができます。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合、青色申告特別控除額は最高( 2 )万円となります」
  3. 「青色申告者が適用を受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除の適用、青色事業専従者給与の必要経費算入、翌年以後( 3 )年間の純損失の繰越控除、純損失の繰戻還付などがあります」
  1. (1)不動産所得 (2)10 (3)3
  2. (1)譲渡所得  (2)10 (3)7
  3. (1)不動産所得 (2)55 (3)7

問11:所得税における所得控除

Aさんの2019年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 「妻Bさんは青色事業専従者として給与の支払を受けていますが、妻Bさんの合計所得金額は38万円以下であるため、Aさんは、配偶者控除の適用を受けることができます」
  2. 「長女Cさんの合計所得金額は38万円以下であるため、Aさんは長女Cさんに係る扶養控除の適用を受けることができます。長女Cさんに係る扶養控除の額は63万円となります」
  3. 「Aさんは二女Dさんに係る扶養控除の適用を受けることができます。二女Dさんに係る扶養控除の額は38万円となります」

問12:総所得金額

Aさんの2019年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

  1. 435万円
  2. 470万円
  3. 520万円

解答・解説

問10:所得税における青色申告制度

(1)について

不動産所得、事業所得、山林所得を生ずべき業務を行う者が、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、青色申告書を提出することができます。

(2)について

「確定申告書を法定申告期限後に提出した場合」「正規の簿記の原則に従って記帳していなかった場合」等には、65万円を控除することができず、青色申告特別控除額は最高10万円となります。

※2020年9月の試験からは、「65万円控除」ではなく、原則として「55万円控除(一定の要件を満たせば65万円)」となります。詳しくは、テキスト完成版とポイント解説でご確認ください。

(3)について

青色申告者が適用を受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除の適用、青色事業専従者給与の必要経費算入、翌年以後3年間の純損失の繰越控除、純損失の繰戻還付などがあります。

解答:1

問11:所得税における所得控除

  1. 不適切
    妻Bさんは青色事業専従者として給与の支払を受けていますので、配偶者控除の適用を受けることができません。
  2. 適切
    長女Cさんは、Aさんと生計を一にしており、また、合計所得金額が38万円以下(←2020年9月の試験からは、48万円以下となります。)ですので、扶養控除の適用を受けることができます。
    そして、
    長女Cさんは、20歳(19歳以上23歳未満)ですので、特定扶養親族に該当することになり、控除額は63万円となります。
  3. 不適切
    二女Dさん(15歳)は、16歳未満ですので、扶養控除の適用を受けることができません。

解答:2

問12:総所得金額

一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金については、解約返戻金と払込保険料との差額が一時所得となります。

なお、払込保険料の方が多ければ課税されない!ということになります。

事業所得も一時所得も総合課税の対象となりますので、総所得金額に含めます。

なお、一時所得については、「一時所得の金額の2分の1」を総所得金額に含めます。

事業所得:400万円

一時所得:(620万円-500万円-50万円)×2分の1=35万円

総所得金額:400万円+35万円=435万円

解答:1

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