2018年5月に実施されましたFP3級実技試験(個人資産相談業務)の第4問の問題と解説です。
目次
第4問:2018年5月FP3級実技試験(個人資産)
次の設例に基づいて、下記の各問(問10~問12)に答えなさい。
《設例》 資産家のAさん(58歳)は、個人で賃貸アパートの経営を検討しており、宅地建物取引業者から紹介を受けた甲土地を取得し、その上に賃貸アパートを建築することを考えている。 Aさんが購入を検討している甲土地の概要は、以下のとおりである。 〈甲土地の概要〉 ※指定建蔽率および指定容積率は、それぞれ都市計画において定められた数値である。 |
問10:権利関係の調査
甲土地を取得する際の権利関係の調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 法務局で甲土地の登記事項証明書の交付申請を行う場合、甲土地の所有者から当該交付についての承諾を得た旨の書面をもらい、申請時に提出する必要がある。
- 甲土地の抵当権に関する登記の登記事項は、登記記録の権利部乙区で確認することができる。
- 仮に、Aさんが登記の記載事項を信頼して甲土地を購入し、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合であっても、原則として、Aさんは、甲土地に対する所有権を取得することができる。
問11:最大延べ面積
仮に、甲土地上に賃貸アパートを新築する場合の建築基準法による最大延べ面積は、次のうちどれか。
- 20m×18m×60%=216㎡
- 20m×18m×160%=576㎡
- 20m×18m×200%=720㎡
問12:賃貸アパートの注意点
Aさんが賃貸アパートを経営するうえでの留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- Aさんは、賃貸の開始にあたって、宅地建物取引業者として、都道府県知事の免許を受ける必要がある。
- 賃借人から賃料を受け取る際、消費税も併せて受領し、年度末に消費税の確定申告書を提出して納付しなければならない。
- 賃貸アパートの敷地は、Aさんの相続税の課税価格の計算において貸家建付地として評価され、その相続税評価額は「自用地としての評価額-自用地としての評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」の算式により算出される。
解答・解説
問10:権利関係の調査
- 不適切
誰でも、不動産の登記事項証明書の交付を請求することができます。 - 適切
所有権以外の権利(抵当権など)に関する事項は、乙区に記録されます。 - 不適切
不動産の登記に公信力がありません。つまり、登記を信じていたAであっても、保護されません。
解答:2
問11:最大延べ面積
土地の面積×容積率=延べ面積の上限
前面道路の幅員(4m)が12m未満ですので 容積率は、160%(4m×10分の4=160%<200%)です。
ですので、「360㎡×160%=576㎡」が延べ面積の上限となります。
解答:2
問12:賃貸アパートの注意点
- 不適切
「自ら貸借」を行う場合、宅地建物取引業に該当しません。つまり、免許は不要となります。 - 不適切
居住用建物の貸付は、貸付期間が1ヵ月に満たない場合などを除き、消費税が課されません。 - 適切
本肢のとおりです。
解答:3