2021年9月に実施されましたFP3級実技試験(保険顧客資産相談業務)の第4問の問題と解説です。
第4問:2021年9月FP3級実技試験(保険顧客)
次の設例に基づいて、下記の各問(問10~問12)に答えなさい。
<設例> 会社員のAさんは、妻Bさんおよび母Cさんとの3人家族である。Aさんは、2021年中に一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金500万円を受け取っている。 <Aさんとその家族に関する資料>
<Aさんの2021年分の収入等に関する資料> (1) 給与収入の金額:750万円 (2) 一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金
<Aさんが2021年中に支払った生命保険の保険料に関する資料>
※妻Bさんおよび母Cさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。 |
問10
Aさんの2021年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。
- 565万円
- 590万円
- 615万円
問11
Aさんの2021年分の所得税における所得控除の控除額に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
|
- ① 26 ② 38 ③ 48
- ① 26 ② 58 ③ 38
- ① 38 ② 58 ③ 48
問12
Aさんの2021年分の所得税における生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 「Aさんが加入した終身医療保険に係る保険料は、介護医療保険料控除の対象となります」
- 「Aさんが生命保険料控除として総所得金額から控除することができる金額は、100,000円です」
- 「生命保険料控除は、生命保険に加入した年分については勤務先の年末調整で適用を受けることができず、所得税の確定申告が必要となります」
解答・解説
問10
給与所得:750万円-(750万円×10%+110万円)=565万円
一時所得:500万円-400万円-50万円=50万円×2分の1=25万円
総所得金額:565万円+25万円=590万円
解答:2
問11
①について
合計所得金額が900万円以下である納税者が配偶者控除の適用を受ける場合、控除対象配偶者のその年12月31日現在の年齢が70歳未満であるとき(老人控除対象配偶者ではないとき)は、控除額は38万円となります。
②について
老人扶養親族(控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の者)の場合、同居老親等以外の者の扶養控除額は48万円、同居老親等の扶養控除額は58万円である。
③について
納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下の場合には、基礎控除の金額は、48万円です。
解答:3
問12
- 適切
Aさんが加入した終身医療保険に係る保険料は、介護医療保険料控除の対象となります。 - 不適切
2012年(平成24年)1月1日以後に締結した保険契約等に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、年間の支払保険料等の金額が8万円超であれば、それぞれ、一律4万円です。 - 不適切
所得控除のうち、雑損控除、医療費控除、寄附金控除は、年末調整の対象外で、確定申告が必要となります。ですので、生命保険料控除は、年末調整の対象となります。
解答:1