【2022年9月FP3級個人資産】第1問の問題と解説

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2022年9月に実施されましたFP3級実技試験(個人資産相談業務)の第1問の問題と解説です。

第1問:2022年9月FP3級実技試験(個人資産)

次の設例に基づいて、下記の各問(問1~問3)に答えなさい。

《設例》

会社員のAさん(39歳)は、妻Bさん(38歳)、長男Cさん(10歳)および二男Dさん(6歳)との4人暮らしである。Aさんは、自分に万一のことがあった場合に、妻Bさんが受給することができる公的年金制度の遺族給付について知りたいと思っている。また、まもなく保険料の徴収が始まる公的介護保険の保険給付についても確認しておきたいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

<Aさんの家族構成>

  • Aさん:1982年11月14日生まれ
    会社員(厚生年金保険・全国健康保険協会管掌健康保険に加入)
  • 妻Bさん:1984年6月20日生まれ
    国民年金に第3号被保険者として加入している。
  • 長男Cさん:2012年6月1日生まれ
  • 二男Dさん:2016年1月4日生まれ

<公的年金加入歴(2022年8月分まで)>

※妻Bさん、長男Cさんおよび二男Dさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※家族全員、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問1

現時点(2022年9月11日)においてAさんが死亡した場合、妻Bさんに支給される遺族基礎年金の年金額(2022年度価額)は、次のうちどれか。

  1. 777,800円+74,600円+74,600円=927,000円
  2. 777,800円+223,800円+74,600円=1,076,200円
  3. 777,800円+223,800円+223,800円=1,225,400円

問2

Mさんは、現時点(2022年9月11日)においてAさんが死亡した場合に、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の金額等について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の(①)相当額となります。
ただし、Aさんの場合、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が(②)月に満たないため、(②)月とみなして年金額が計算されます。
また、二男Dさんの18歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金に(③)が加算されます」
  1. ①3分の2 ②240 ③中高齢寡婦加算
  2. ①4分の3 ②300 ③中高齢寡婦加算
  3. ①4分の3 ②240 ③経過的寡婦加算

問3

Mさんは、公的介護保険(以下、「介護保険」という)について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「介護保険の被保険者が保険給付を受けるためには、市町村(特別区を含む)から要介護・要支援認定を受ける必要があります。介護保険の被保険者は、(①)以上の第1号被保険者と40歳以上(①)未満の医療保険加入者である第2号被保険者に区分されます。介護保険の第2号被保険者は、(②)要介護状態または要支援状態となった場合に保険給付を受けることができます。
介護保険の第2号被保険者が介護給付を受けた場合、原則として、実際にかかった費用(食費、居住費等を除く)の(③)を自己負担する必要があります」
  1. ①60歳 ②特定疾病が原因で ③2割
  2. ①65歳 ②原因を問わず ③2割
  3. ①65歳 ②特定疾病が原因で ③1割

解答・解説

問1

遺族基礎年金の基本額は777,800円、子の加算額は223,800円(第3子以降は、1人につき74,600円)です。
※子とは「18歳到達年度の末日を経過していない子」「20歳未満で障害年金の障害等級1級又は2級の子」のことをいいます。

よって、777,800円+223,800円+223,800円=1,225,400円となります。

解答:3

問2

  1. 遺族厚生年金の年金額(中高齢寡婦加算額及び経過的寡婦加算額を除く)は、原則、死亡した被保険者の厚生年金保険被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額です。
  2. 被保険者期間が300月未満の場合には、300月とみなして計算します。
  3. 厚生年金保険の被保険者等である夫が死亡したときは、「子がいない妻の場合、夫の死亡当時40歳以上65歳未満である。」「子がいる妻の場合、40歳時点で遺族厚生年金と遺族基礎年金を受給していたが、子が18歳年度末(一定の障害状態にある子は20歳)に達したことで、遺族基礎年金を受給できなくなった。」等の要件を満たせば、妻が受ける遺族厚生年金には、65歳になるまで、中高齢寡婦加算額が加算されます。

解答:2

問3

  1. 公的介護保険の被保険者は、65歳以上の者は第1号被保険者、40歳以上65歳未満の公的医療保険加入者は第2号被保険者に区分されます。
  2. 40歳以上65歳未満の第2号被保険者は、初老期における認知症や脳血管疾患等の特定疾病により、要介護状態又は要支援状態と認定された場合に、介護サービスを利用できます。
  3. 介護保険の自己負担は、原則、1割(食費・居住費等を除く)です。

解答:3

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