2級リスク管理問題と解説【2017年9月】

FP2級・3級試験教材

2017年9月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(リスク管理)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

リスク管理問題(2017年9月)

【問題11】生命保険契約

生命保険契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 生命保険契約は、保険契約者と保険会社との合意により契約が成立する諾成契約である。
  2. 保険法では、生命保険契約を、保険契約のうち保険者が人の生存または死亡に関し一定の保険給付を行うことを約するもの(傷害疾病定額保険契約に該当するものを除く)としている。
  3. 保険法では、生命保険契約の当事者以外の者を被保険者とする死亡保険契約は、当該被保険者の同意がなくても、その効力を生じるとしている。
  4. 保険会社では、保険種類ごとに契約の内容を一定にした生命保険約款を作成し、内閣総理大臣の認可を受けて、多数の保険契約者が公平な条件で契約できるようにしている。

【問題12】生命保険の商品性

死亡保障を目的とする生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。

  1. 養老保険は、保険金の支払事由に該当せずに保険期間満了を迎えた場合、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取ることができる。
  2. 低解約返戻金型終身保険は、他の契約条件が同じで低解約返戻金型ではない終身保険と比較して、保険料払込期間中の解約返戻金は少ない。
  3. 定期保険は、保険期間中は所定の支払事由に該当すると、死亡保険金・高度障害保険金が支払われるが、保険期間満了時に満期保険金は支払われない。
  4. 変額保険は、運用実績によっては、死亡保険金の額が基本保険金額を下回ることがある。

【問題13】生命保険料控除

生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 平成23年12月31日以前に締結し、平成24年1月1日以後に契約更新や特約の中途付加等を行っていない生命保険契約の保険料に係る「一般の生命保険料控除」の控除額の上限は、所得税では5万円である。
  2. 平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約の保険料に係る「一般の生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれの控除額の上限は、所得税では4万円である。
  3. 平成23年12月31日以前に締結した医療保険契約を平成24年1月1日以後に更新した場合、更新後の保険料は「介護医療保険料控除」の対象となる。
  4. 平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約に付加された傷害特約の保険料は、「介護医療保険料控除」の対象となる。

【問題14】個人年金保険の税金

個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)、被保険者および年金受取人は同一人の個人であるものとする。

  1. 保険料払込期間が10年以上あることなどの条件を満たし「個人年金保険料税制適格特約」を付加した生命保険契約の保険料は、個人年金保険料控除の対象となる。
  2. 個人年金保険において、毎年受け取る年金は一時所得として所得税の課税対象となる。
  3. 個人年金保険の被保険者が年金受取開始前に死亡して、死亡給付金が法定相続人である遺族に支払われた場合、死亡給付金は相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。
  4. 保証期間付終身年金保険において、保証期間中に被保険者が死亡したために、残りの保証期間について遺族が受け取る年金の受給権は、相続税の課税対象となる。

【問題15】生命保険契約の経理処理

契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。

  1. 入院給付金の受取人が法人である医療保険(10年更新)の入院給付金は、その全額を雑収入に計上する。
  2. 死亡保険金受取人が法人である終身保険を解約して受け取った解約返戻金は、その全額を雑収入に計上する。
  3. 死亡保険金受取人および満期保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、全額を損金に算入する。
  4. 死亡保険金受取人が法人である長期平準定期保険について、保険期間の前半6割相当期間においては、保険料の全額を資産に計上する。

【問題16】地震保険

地震保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 地震保険は、火災保険の加入と同時に付帯する必要があり、火災保険の保険期間の中途では付帯することはできない。
  2. 地震保険の保険料には、建築年割引、耐震等級割引、免震建築物割引、耐震診断割引の4種類の割引制度があるが、これらは重複して適用を受けることはできない。
  3. 地震保険では、家財を対象とした契約をする場合、貴金属、宝石、骨とう等は、その価額にかかわらず、契約時に申込書に明記することにより、保険の対象とすることができる。
  4. 契約の始期が平成29年1月1日以降となる地震保険契約について、適用される損害区分は「全損」「半損」「一部損」の3区分とされた。

【問題17】自動車保険(任意加入)

任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。

  1. 対人賠償保険では、被保険者が自動車事故により他人を死傷させ法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険から支払われるべき部分を除いて保険金支払いの対象となる。
  2. 対物賠償保険では、被保険者が自動車を運転中に他の自動車に誤って追突し、相手車両の損害に対して法律上の損害賠償責任を負った場合、保険金支払いの対象となる。
  3. 人身傷害補償保険では、自動車事故により被保険者が死傷した場合、被保険者自身の過失部分を除いた損害についてのみ、保険金支払いの対象となる。
  4. 車両保険では、特約を付帯しない場合、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は保険金支払いの対象とならない。

【問題18】傷害保険

傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。

  1. 普通傷害保険では、熱中症により治療を受けた場合は保険金支払いの対象となる。
  2. 普通傷害保険では、被保険者の年齢によって保険料が異なる。
  3. 家族傷害保険では、保険契約締結後に誕生した記名被保険者本人の子も、被保険者となる。
  4. 家族傷害保険では、記名被保険者の家族の人数によって保険料が異なる。

【問題19】地震保険料控除

地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 店舗併用住宅を補償の対象とする地震保険の保険料は、原則として、店舗部分を除いた居住用部分に係る保険料のみが地震保険料控除の対象となる。
  2. 地震保険を付帯した火災保険については、火災保険の保険料と地震保険の保険料を合計した保険料が地震保険料控除の対象となる。
  3. 地震保険料控除の控除限度額は、所得税では40,000円、住民税では25,000円である。
  4. 5年分の地震保険の保険料を一括で支払った場合、その全額が支払った年の地震保険料控除の対象となり、翌年以降の地震保険料控除の対象とはならない。

【問題20】損害保険によるリスク管理

生命保険を利用した家庭のリスク管理のアドバイスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「自分が死亡した場合の家族の生活資金を準備するために生命保険に加入したい」という相談に対して、定期保険への加入を提案した。
  2. 「自分の老後の生活資金を準備するために生命保険に加入したい」という相談に対して、収入保障保険への加入を提案した。
  3. 「病気や傷害で入院した場合の医療費負担が不安なので生命保険に加入したい」という相談に対して、医療保険への加入を提案した。
  4. 「自分が死亡した場合の相続税の納税資金を確保するために生命保険に加入したい」という相談に対して、終身保険への加入を提案した。

リスク管理解答・解説

問題11、問題12、問題17、問題18、問題19、問題20の解答解説につきましては、教材購入者専用ページに掲載しています。教材購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題13】生命保険料控除

  1. 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく一般生命保険料の控除額の上限は、所得税では5万円で、住民税では3万5千円です。
    よって、本問は、適切な記述です
  2. 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の控除額の上限は、所得税では4万円で、住民税では2万8千円です。
    よって、本問は、適切な記述です
  3. 平成23年12月31日以前に締結した医療保険契約(旧制度の対象)を平成24年以後に契約の更新等をした場合には、その保険料が介護医療保険料控除(新制度)の対象になります。
    よって、本問は、適切な記述です
  4. 身体の傷害のみに基因して保険金が支払われる傷害特約については、新制度(介護医療保険料控除等)の対象となりません。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.4

【問題14】個人年金保険の税金

  1. 以下の要件を満たした個人年金保険料税制適格特約が付加された個人年金保険に加入している場合、個人年金保険料控除の適用を受けることができます。
    ・年金受取人が契約者または配偶者のいずれかであること。
    ・「年金受取人=被保険者」であること。
    ・保険料払込期間が10年以上であること。
    ・確定年金・有期年金の場合には、年金受給開始日の被保険者の年齢が60歳以上で、年金受取期間が10年以上であること。
    よって、本問は、適切な記述です

  2. 契約者と年金受取人が同じである場合には、雑所得として所得税が課されることになります。ただし、一括で受け取った場合、一時所得として所得税が課されることになります。
    よって、本問は、不適切な記述です

  3. 個人年金保険の被保険者が年金受取開始前に死亡して、死亡給付金が法定相続人である遺族に支払われた場合、死亡給付金は、契約者(=保険料負担者)と被保険者が同一人で、受取人が異なるので相続税の課税対象となります。また、法定相続人が取得しているので、死亡保険金の非課税金額の規定が適用されます。
    よって、本問は、適切な記述です
  4. 保証期間中に被保険者が死亡したために、残りの保証期間について遺族が受け取る年金の受給権については、相続又は遺贈により取得したものとみなされて、年金受給権の評価額が相続税の課税対象となります。
    よって、本問は、適切な記述です

A.2

【問題15】生命保険契約の経理処理

  1. 法人が入院給付金を受け取れば、その全額を雑収入に計上します。
    よって、本問は、適切な記述です
  2. 保険金受取人が法人の場合、終身保険の保険料は、資産計上します。
    法人が、解約返戻金を受け取った場合、法人が、保険料を資産として計上しているときには、「解約返戻金>資産計上額の場合」の差額を雑収入に計上するか、「解約返戻金<資産計上額の場合」の差額を雑損失に計上します。
    よって、本問は、不適切な記述です
  3. 死亡保険金受取人および満期保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、全額を資産に計上する。
    よって、本問は、不適切な記述です
  4. 死亡保険金受取人が法人である長期平準定期保険について、保険期間の前半6割相当期間においては、支払保険料の1/2を資産(前払保険料として処理。)計上し、1/2を損金に算入します。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.1

【問題16】地震保険

  1. 地震保険は、単独で契約をすることができず、火災保険の加入とセットで契約する必要があります。なお、火災保険の保険期間の中途であっても付帯することができます。
    よって、本問は、不適切な記述です
  2. 地震保険の保険料には、建築年割引、耐震等級割引、免震建築物割引、耐震診断割引の4種類の割引制度があるが、これらは重複して適用を受けることができません。
    よって、本問は、適切な記述です
  3. 1個または1組の価格が30万円超の高額な貴金属や美術品など(明記物件といいます。)については、地震保険の対象となりません。
    よって、本問は、不適切な記述です
  4. 契約の始期が平成29年1月1日以降となる地震保険契約について、適用される損害区分は「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分とされた。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

    FP2級・3級試験教材