2024年(令和6年)1月に実施されましたFP2級学科試験の問27の問題(ポートフォリオ)と解答・解説です。
問27:ポートフォリオ
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- システマティック・リスクは、市場全体の変動の影響を受けるリスクであり、分散投資によっても消去しきれないリスクとされている。
- ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
- 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は得られない。
- 同一期間における収益率が同じ2つのファンドをシャープ・レシオで比較する場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が、収益率の標準偏差の値が大きいファンドよりも当該期間において効率的に運用されていたと評価することができる。
解答・解説
- 適切
システマティック・リスクは、市場全体の変動の影響を受けるリスクであり、分散投資によっても消去しきれないリスクとされています。 - 適切
ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となります。 - 不適切
相関係数が-1の場合、2つの資産がまったく逆の方向に値動きしており、最大のリスク軽減効果があります。
↓
相関係数が1の場合、2つの資産がまったく同じ方向に値動きしており、リスク軽減効果はありません。 - 適切
シャープレシオは、「(ポートフォリオ全体の収益率-無リスク資産収益率)÷ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差)」により求めることができ、シャープレシオの値が大きいポートフォリオほど、効率よく運用されていたと評価できます。
↓
上記算式の分母である標準偏差の値が小さいほど、シャープレシオの値が大きくなります。つまり、効率的に運用されていたと評価できます。
解答:3