2級不動産問題【2017年5月】

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2017年5月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(不動産)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

不動産問題(2017年5月)

【問題41】不動産の価格

不動産の価格に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 地価公示の公示価格は、毎年4月1日を価格判定の基準日としている。
  2. 都道府県地価調査の基準地の標準価格は、毎年1月1日を価格判定の基準日としている。
  3. 相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%を価格水準の目安として設定されている。
  4. 固定資産税評価額は、原則として4年ごとの基準年度において評価替えが行われる。

【問題42】宅地建物取引業法

宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。

  1. 宅地建物取引業者は、宅地・建物の売買の媒介に際して、当該宅地・建物の買主に対して、売買契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
  2. 専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、当該契約の目的物である宅地・建物の情報を指定流通機構に登録しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地・建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない。
  4. 宅地建物取引業者が、宅地・建物の貸借の媒介を行う場合、貸主・借主双方から受け取ることのできる報酬の合計額は、借賃の3ヵ月分が限度とされる。

【問題43】不動産売買契約

民法における不動産の売買契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後でも、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を償還することにより、契約を解除することができる。
  2. 買主に債務の履行遅滞が生じた場合、売主は、履行の催告をすることなく直ちに契約を解除することができる。
  3. 売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求をする場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から1年以内にしなければならない。
  4. 売主は、売買の目的物に隠れた瑕疵があることを知らなかった場合、その瑕疵について瑕疵担保責任を負う必要はない。

【問題44】普通借地権

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権といい、特約については考慮しないものとする。

  1. 普通借地権の設定当初の存続期間は、借地権者と借地権設定者との合意にかかわらず、30年を超えて定めることができない。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権設定者が立退き料を支払うことにより、借地契約を必ず終了させることができる。
  3. 借地権者は、普通借地権について登記がなくても、当該土地上に借地権者の名義で登記された建物を所有するときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。
  4. 普通借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は借地権設定者に対し、建物を建築費で買い取るよう請求することができる。

【問題45】借家契約

借地借家法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。

  1. 普通借家契約において、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。
  2. 賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。
  3. 定期借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て設置した造作について、「期間満了時、賃借人は賃貸人に対し、造作を時価で買い取るよう請求することができない」という特約は有効である。
  4. 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、賃借人の通常の使用により生じた自然的損耗については、それにより建物価値の減価が生じていても、賃借人の原状回復義務の対象にはならないとされている。

【問題46】建築基準法

都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 建築基準法第42条第2項により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建築物を建築することができないが、建ぺい率、容積率を算定する際の敷地面積に算入することができる。
  2. 建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域には適用されない。
  3. 日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)は、すべての用途地域内に適用される。
  4. 防火地域内に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率と容積率の双方の制限について緩和措置を受けることができる。

【問題47】建物の区分所有等に関する法律

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 区分所有建物の建替えについては、集会において、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数により、その旨の決議をすることができる。
  2. 区分所有建物のうち、構造上の独立性と利用上の独立性を備えた住居として利用することができる部分であっても、規約によって共用部分とすることができる。
  3. 区分所有者以外の専有部分の占有者は、建物またはその敷地もしくは附属施設の使用方法について、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
  4. 共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、各共有者が有する専有部分の床面積の割合による。

【問題48】不動産の取得に係る税金

不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 不動産取得税は、相続により不動産を取得した場合には課されない。
  2. 一定の要件に該当する戸建て住宅(認定長期優良住宅を除く)を新築した場合、不動産取得税の課税標準の算定に当たっては、一戸につき1,200万円を価格から控除することができる。
  3. 贈与により取得した不動産の所有権移転登記に係る登録免許税の税率は、課税標準に対して1,000分の20である。
  4. 印紙税の課税文書に貼付されている印紙が消印されていない場合は、原則として、その印紙の額面金額の2倍に相当する金額の過怠税が課される。

【問題49】3,000万円特別控除と軽減税率の特例

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(以下3,000万円特別控除」という)と居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「軽減税率の特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。

  1. 3,000万円特別控除は、譲渡した居住用財産の所有期間にかかわらず適用を受けることができる。
  2. 3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合であっても適用を受けることができる。
  3. 軽減税率の特例では、課税長期譲渡所得金額のうち1億円以下の部分の金額について軽減税率が適用される。
  4. 軽減税率の特例は、譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した年の1月1日において5年を超えていれば、適用を受けることができる。

【問題50】不動産の有効活用

不動産の有効活用の一般的な手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 事業受託方式は、土地有効活用の企画、建設会社の選定、当該土地上に建設された建物の管理・運営および建築資金の調達のすべてをデベロッパーに任せる方式である。
  2. サブリース(一括賃貸)方式は、賃貸ビルや賃貸マンションの所有者が不動産業者等に転貸を目的として貸室等を一括賃貸することにより、一定期間の賃料収入の安定確保を目的とする方式である。
  3. 等価交換方式では、土地所有者は建物の建築資金を負担する必要はないが、土地の所有権の一部を手放すことにより、当該土地上に建設された建物の全部を取得することができる。
  4. 定期借地権方式では、土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、借地期間中の当該土地上の建物の所有名義は土地所有者となる。

不動産解答・解説

問題44、問題47、問題48、問題50の解答解説につきましては、合格セット購入者専用ページに掲載しています。合格セット購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題41】不動産の価格

  1. 地価公示の公示価格は、毎年1月1日を基準にして3月下旬に公表されます。
  2. 基準地標準価格は、毎年7月1日を基準にして9月下旬に公表されます。
  3. 相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%程度です。
  4. 固定資産税評価額は、原則として、3年ごとの基準年度において評価替えが行われます。

A.3

【問題42】宅地建物取引業法

  1. 本問のとおりです。ポイントは以下のとおりです。
    ・売買契約が成立するまでの間
    ・宅地建物取引士が説明
    ・「書面の交付+説明」、なお、買主が宅地建物取引業者の場合には、書面の交付のみで足ります。ここは、改正部分です。
  2. 専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者は、専任媒介契約の締結の日から7日以内(宅地建物取引業者の休業日は含みません。)に、依頼者の物件の情報を指定流通機構に登録しなければなりません。
    ※なお、専属専任媒介契約については、7日以内ではなく、5日以内です。
    ※一般媒介契約については、登録義務がありません。
  3. 本問のとおりです。
    ※買主が宅地建物取引業者の場合、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができます。
    ※代金額の10分の2を超える手付を受領した場合には、その超える部分についてのみ無効となります。
  4. 宅地建物取引業者が、宅地・建物の貸借の媒介を行う場合、貸主・借主双方から受け取ることのできる報酬の合計額は、借賃の1ヵ月分が限度とされています。

A.4

【問題43】不動産売買契約

  1. 相手方である買主が履行に着手するまでであれば、売主は、手付の倍額を返還し、契約を解除することができます。
    買主は、既に、売買代金の一部を支払っているので、「履行に着手」したことになります。
    よって、売主は、手付の倍額を返還することにより、契約を解除することができません。
  2. 履行遅滞が生じた場合、売主が、買主に対して、相当の期間を定めてその履行の催告をします。そして、買主が、その期間内に履行しなかった場合に、売主は、契約を解除することができます。よって、「履行の催告をすることなく直ちに契約を解除することができる」旨の記述が誤りです。
    ※なお、履行不能の場合には、催告が不要です。
  3. 本問のとおりです。
    ※なお、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権は、引渡し時から、10年が経過すると時効により消滅することになります。
  4. 売主は、故意、過失に関係なく、担保責任を負います。つまり、無過失責任です。
    よって、売主は、売買の目的物に隠れた瑕疵があることを知らなかったとしても、その瑕疵について瑕疵担保責任を負う必要があります。

A.3

【問題45】借家契約

  1. 普通借家契約の場合、存続期間を1年未満と定めた場合、存続期間の定めがないものとみなされます。
  2. 賃貸借期間が1年以上である普通借家契約・定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができません。
    ※なお、通知をしなければ、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、更新後の契約は、存続期間の定めがないものとなります。
  3. 「造作買取請求権を行使しない旨」の特約を定めたとしても、その特約は、無効とならず、有効となります。
  4. 賃借物の通常使用に基づく損耗、年月が経過することによる劣化の修繕費用については、原則、賃借人が負担すべき原状回復の範囲に含みません。

A.1

【問題46】建築基準法

  1. 建ぺい率や容積率の算定上、セットバック部分は、敷地面積には含まれません。
  2. 隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域を除く10種類の用途地域、用途地域の指定のない区域に適用されることになります。
  3. 原則、商業地域、工業地域、工業専用地域を除く9種類の用途地域及び用途地域の指定のない区域のうち、地方公共団体の条例で指定する区域内において、日影規制の適用があります。
  4. 防火地域内に耐火建築物を建築する場合、建ぺい率の制限について緩和措置を受けることができますが、容積率の制限について緩和措置を受けることができません。

A.2

【問題49】3,000万円特別控除と軽減税率の特例

  1. 譲渡した居住用財産の所有期間に関係なく、他の要件を満たせば、3,000万円特別控除の適用を受けることができます。
  2. 「配偶者、直系血族、生計を一にする親族、内縁関係者等に居住用財産を譲渡していないこと。」が、3,000万円特別控除の適用要件の1つです。
  3. 軽減税率の特例では、課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分の金額について軽減税率が適用されます。
  4. 「譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した年の1月1日において10年を超えていること。」が、軽減税率の特例の適用要件の1つです。

A.1

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