2級個人資産相談業務(実技)~問題解説

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個人資産相談業務対策問題

第1問:遺言等・小規模宅地等の特例問題

Aは、平成29年10月に病気により70歳で死亡した。Aと妻Bは、長女D家族と20年前から同居しており、A夫婦は長女Dの子である孫Fと養子縁組(特別養子縁組ではない)をしている。また、Aは生前に公正証書遺言を作成している。Aの親族関係図および主な財産の状況等は、以下のとおりである。

<親族関係図>

親族図過去問4

<Aの主な財産(相続税評価額)>

  • 預貯金:7,000万円
  • 有価証券:8,500万円
  • 自宅の敷地(330平方メートル):1億2,500万円(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の相続税評価額である。)
  • 自宅の建物: 1,100万円

<Aが加入していた生命保険契約に関する資料>

  • 保険の種類:終身保険
  • 契約者(=保険料負担者)及び被保険者:A
  • 死亡保険金受取人:妻B
  • 死亡保険金額:2,500万円

【問1:遺言等】

相続開始後の手続等に関する以下の文章の空欄(1)~(4)に入る最も適切な語句を、下記の<語句群>のイ~ヲのなかから選びなさい。

  1. Aが作成していた公正証書遺言は、証人(1)以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成されるものであり、作成された遺言書の原本は(2)に保管される。この方式による遺言は、被相続人の相続開始後に検認の手続が不要である。
  2. 相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から原則として(3)以内に、その相続について単純承認、限定承認または放棄のいずれかを選択しなければならない。また、相続税の申告義務を有する者は、遺産が分割されたか否かにかかわらず、その相続の開始があったことを知った日の翌日から原則として(4)以内に、相続税の申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

遺言等語句

【問2:小規模宅地等の特例】

Aの相続に関する次の記述1~3について、適切なものには○を不適切なものには×をつけなさい。

  1. 孫Eおよび孫Fが相続人となる場合、これらの者に係る相続税額は2割加算となる。
  2. 妻Bが相続によりAの自宅の敷地(宅地)を取得する場合,その敷地(宅地)を相続税の申告期限までに売却した場合であっても、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることにより、330平方メートルを限度面積として、評価額の80%を減額することができる。
  3. 「配偶者に対する相続税額の軽減」は、相続税の申告期限までに遺産が分割された場合にのみ適用を受けることができるため、申告期限後に遺産が分割された場合、妻Bはその適用を受けることができない。

【問1:解答・解説】

解答:(1)ロ (2)へ (3)チ (4)ヲ

公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いが必要です。あること次に掲げる方式に従う必要があります。

よって、(1)は、2人(ロ)が正解です。

※「未成年者」や「推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族」などは、証人になることができません。

 

遺言書を公正証書で作成する場合、遺言書の原本が公証役場に保管されます。

よって、(2)は、公証役場(へ)が正解です。

※遺言書の原本が公証役場に保管されますので、遺言書の紛失・改ざん・隠匿などを心配する必要はありません。

 

相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その相続について単純承認、限定承認または放棄のいずれかを選択しなければなりません。

よって、(3)は、3ヵ月(チ)が正解です。

※「3ヵ月以内」という期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができます。

※相続人が、「上記の3ヵ月以内」の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされます。

 

相続税の申告書の提出期限は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から原則として10ヵ月以内です。

よって、(4)は、10ヵ月(ヲ)が正解です。

※被相続人の死亡時における住所が日本国内にある場合、相続税の申告書の提出先は、被相続人の住所地を所轄する税務署です。

【問2:解答・解説】

解答:1.× 2.〇 3.×

  1. 相続・遺贈・相続時精算課税に係る贈与により財産を取得した者が被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫も含みます。)及び配偶者以外の者である場合には、その者の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
    孫Eと孫Fは、代襲相続人となるので、2割加算の対象となりません。
  2. 配偶者は、無条件に「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることができます。特定居住用宅地等の場合、330平方メートルを限度面積として、評価額の80%を減額することができます。
  3. 相続税の申告書の提出期限までに分割されていない財産については、原則として配偶者の税額軽減の対象になりません。ただし、相続税の申告書又は更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、配偶者の税額軽減の対象になります。

第2問:遺留分・贈与税の非課税特例問題

Aは、先月、70歳になったことを機に自身の相続について考えるようになった。長男Cと二男Dの関係は良好であるが、遺産分割の際に無用な争いが起きることを避けるためにも、Aは遺言を作成したいと考えている。また、長男Cが住宅ローンの返済や孫Eの教育費の負担が重いと話しているのを聞き、Aは、子どもたちに資金援助をしてあげたいと思っている。Aの親族関係図および主な財産の状況等は、以下のとおりである。

<親族関係図>

親族関係図過去問

<Aの主な財産の状況(相続税評価額)>

  • 預貯金:5,600万円
  • 有価証券:6,000万円
  • 自宅の敷地(280平方メートル):1億4,000万円(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の相続税評価額)
  • 自宅の建物:1,600万円
  • ゴルフ会員権:800万円

<Aが検討している贈与等の概要>

  • 住宅ローンを返済している長男Cに対して、現金500万円を贈与する予定。
  • ゴルフを趣味としている二男Dに対して、ゴルフ会員権を200万円で譲渡する予定。
  • 孫Eに対して、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例を利用して、同特例の非課税限度額以下の現金を贈与する予定。

【問1:遺留分等】

遺言に関する以下の文章の空欄(1)・(2)に入る最も適切な語句を、下記の<語句群>のイ~ルのなかから選びなさい。

  1. 遺言者は遺言により法定相続分とは異なった相続分を定めることができるが、遺言の作成にあたっては、その内容が遺留分権利者の遺留分を侵害しないように留意する必要がある。仮に、Aの相続が現時点(平成29年5月24日)で開始した場合、遺留分権利者は、遺留分算定の基礎となる財産に(1)を乗じた額に各人の法定相続分を乗じた額を遺留分として有することになる。
  2. Aさんが遺言を作成した後、遺言の対象となった財産の一部を譲渡するなど生前処分し、遺言の内容と抵触した場合、遺言の(2)を撤回したものとみなされる。

実技語句群

【問2:住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税等】

Aが検討している贈与等に関する次の記述1~3について、適切なものには◯を、不適切なものには×をつけなさい。

  1. 長男CがAから贈与を受ける現金500万円を住宅ローンの返済に充当した場合、所定の要件のもと、長男Cは、この贈与について「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の適用を受けることができる。
  2. 二男DがAから受けるゴルフ会員権の譲渡が、著しく低い価額の対価による財産の譲渡となった場合、そのゴルフ会員権の時価(相続税評価額)と支払った対価との差額は贈与税の課税対象となる。
  3. 孫EがAから受ける現金の贈与について、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の適用を受けた場合、2,000万円までの金額が非課税とされる。

【問1:解答・解説】

解答:(1)リ (2)ル

相続人が直系尊属(父母・祖父母等)のみの場合、遺留分の割合は、3分の1となります。相続人が「直系尊属のみ以外」の場合、遺留分の割合は、2分の1となります。

本問の場合、相続人は、妻Bと子供(直系卑属)C・Dです。

よって、(1)は、2分の1(リ)が正解です。

※例えば、遺留分算定の基礎となる財産の価額が1億円だとします。この場合、長男Cの遺留分の金額は、下記の計算により、1,250万円となります。

本問の法定相続分は、妻Bが2分の1で、長男Cと長女Dは、それぞれ4分の1(2分の1÷2人)となります。

1億円×1/2×1/4=1,250万円が遺留分の金額となります。

遺言を作成した後、遺言の対象となった財産の一部を譲渡するなど生前処分し、遺言の内容と抵触した場合、遺言の抵触する部分を撤回したものとみなされます。

よって、(2)は、抵触する部分(ル)が正解です。

※遺言をした者は、自由に、遺言した内容と異なる財産の処分をすることができます。遺言した内容と異なる生前処分をした場合、生前処分と抵触する条項のみが撤回されたことになります。他の条項については、撤回されたことになりません。

【問2:解答・解説】

解答:1.× 2.〇 3.×

  1. 住宅用家屋の新築、建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得、既存住宅用家屋の取得、居住の用に供している住宅の増改築等の対価に充てるための金銭の贈与を受けた場合に、適用されますので、住宅ローンを返済するための金銭の贈与を受けた場合には非課税の特例の対象となりません。
  2. ゴルフ会員権の譲渡が、著しく低い価額の対価による財産の譲渡となった場合、そのゴルフ会員権の時価と支払った対価との差額は贈与税の課税対象となります。
  3. 直系尊属(父、母、祖父母など。年齢制限なし。)から受贈者(教育資金管理契約を締結する日において30歳未満である子供・孫などに限ります。)に教育資金を一括贈与し、その金額を受贈者名義で開設しておいた口座に預け入れた場合、1,500万円までが非課税となります。なお、学校等以外の者に教育に関する役務の提供の対価として直接支払われる金銭で一定のものに係る支出については、500万円を限度として非課税となります。

第3問:借家契約等問題

Aさん(50歳)は、現在、都心近郊の分譲マンションに妻と子の3人で暮らしている。平成29年2月にAの母親が死亡し、Aは母親の自宅およびその敷地(甲土地)を相続により取得した。Aは、甲土地の隣地である乙土地に賃貸アパートを所有しているが、建物が老朽化しているため、2年以内に現在の賃貸アパートと母親の自宅を取り壊して、甲土地と乙土地との一体利用により、賃貸アパートを建て替えたいと考えている。甲土地および乙土地に関する資料は、以下のとおりである。

<甲土地および乙土地に関する資料>

建築面積等

1.甲土地

  • 用途地域:第一種住居地域
  • 指定建ぺい率:60%
  • 指定容積率:200%
  • 前面道路幅員による容積率の制限:前面道路幅員×4/10
  • 防火規制:準防火地域

2.乙土地

  • 用途地域:近隣商業地域
  • 指定建ぺい率:80%
  • 指定容積率:300%
  • 前面道路幅員による容積率の制限:前面道路幅員×6/10
  • 防火規制:防火地域

※乙土地、および甲土地と乙土地の一体地は、ともに建ぺい率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。

【問1:借家契約】

Aが取壊しを検討している賃貸アパートの賃貸借契約に関する次の記述1~3について、適切なものには○を、不適切なものには×をつけなさい。

  1. 賃貸人からの普通借家契約の更新拒絶は、正当の事由がある場合でなければすることができない。
  2. 普通借家契約において2年未満の賃貸借期間を定めた場合、期間の定めがない建物の賃貸借として取り扱われる。
  3. 定期建物賃貸借契約(定期借家契約)を締結するためには、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対して、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要がある。

【問2:建築面積と延べ面積】

Aが、甲土地および乙土地を一体利用して耐火建築物を建築する場合の最大建築面積と最大延べ面積を求める次の〈計算式〉の空欄(1)~(4)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<計算式>

1.最大建築面積

  • 甲土地:15m×14m×(1)%=□□□平方メートル
  • 乙土地:15m×15m×□□□%=(2)平方メートル

2.最大延べ面積

(ア)容積率の判定

【甲土地】

  • 指定容積率:200%
  • 前面道路幅員による容積率の制限:(3)%

【乙土地】

  • 指定容積率:300%
  • 前面道路幅員による容積率の制限:□□□%

(イ)最大延べ面積

  • 甲土地:15m×14m×□□□%=□□□平方メートル
  • 乙土地:15m×15m×□□□%=□□□平方メートル
  • 甲土地□□□平方メートル+乙土地□□□平方メートル=(4)平方メートル

【問1:解答・解説】

解答:1.〇  2.× 3.〇

  1. 賃貸人からの普通借家契約の更新拒絶は、正当の事由がある場合でなければすることができません。
    なお、賃借人から更新拒絶を通知すれば、正当事由がなくても、更新されません。
  2. 建物について、賃貸人と賃借人との間で、借家権の存続期間を定める場合、何年でも可能です。ただし、存続期間を1年未満と定めた場合、その建物の賃貸借(定期建物賃貸借等は除きます。)は、存続期間の定めがないものとみなされます。
    なお、賃貸人と賃借人との間で存続期間を定めないことも有効となります。
  3. 定期建物賃貸借契約を締結する前に、賃貸人は、賃借人に対して、「この建物の賃貸借は、契約の更新がなく、期間満了により終了する」旨を記載した書面を交付したうえで、説明する必要があります。
    上記の説明をしなかった場合、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効となります。
    つまり、定期建物賃貸借契約ではなく、普通の建物の賃貸借契約となります。

【問2:解答・解説】

解答:(1)80 (2)225 (3)240 (4)1,095

【1】建築面積

建築物の建築面積=敷地面積×建ぺい率

甲土地:15m×14m×80%※1=168平方メートル

乙土地:15m×15m×100%※2=225平方メートル

※1・2 .建築物が、防火地域(乙土地)及び準防火地域(甲土地)にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用します。

※1.防火地域に指定された区域内に耐火建築物を建築する場合で、建ぺい率の限度が10分の8とされている地域以外の地域であれば、建ぺい率の限度に、10分の1が加算されることになります。また、街区の角にある敷地(角地)又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物については、建ぺい率の限度に、10分の1が加算されることになります。これらの両方に該当した場合、建ぺい率の限度に、10分の2が加算されることになります。

※2.建ぺい率の限度が10分の8とされている地域内、かつ、防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率の制限が適用されません。つまり、建ぺい率が100%です。

【2】延べ面積

1.容積率

前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの(本問では、6m:6m>5m)です。)の幅員が12m未満である建築物の容積率は、「当該前面道路の幅員のメートルの数値に、甲土地は4/10、乙土地は6/10を乗じたもの」と「指定容積率」の2つを比較して、厳しい方(数値の小さい方)が、容積率となります。

甲土地:200%(指定容積率)<6m×4/10=240%→200%が容積率です。

乙土地:300%(指定容積率)<6m×6/10=360%→300%が容積率です。

2.延べ面積

建築物の延べ面積=敷地面積×容積率

甲土地:15m×14m×200%=420平方メートル

乙土地:15m×15m×300%=675平方メートル

対象地の延べ面積:420平方メートル+675平方メートル=1,095平方メートル

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