2級不動産問題と解説【2017年9月】

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2017年9月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(不動産)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

不動産問題(2017年9月)

【問題41】不動産の価格

不動産の価格に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 地価公示の公示価格は、毎年7月1日を価格判定の基準日としている。
  2. 都道府県地価調査の基準地の標準価格は、各都道府県に設置された土地鑑定委員会が判定する。
  3. 相続税路線価は、地価公示の公示価格の70%を価格水準の目安として設定されている。
  4. 固定資産税評価額は、原則として、市町村長が固定資産評価基準により決定する。

【問題42】宅地建物取引業法

宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 一般媒介契約において、有効期間が1ヵ月を超える場合には、その期間は1ヵ月とされる。
  2. 専任媒介契約では、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を1ヵ月に1回以上報告しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約の締結に際して、買主が宅地建物取引業者でないときは、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない。
  4. 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、貸主・借主双方から受け取ることができる報酬の合計額は、当該建物の借賃の2ヵ月分が上限となる。

【問題43】借地借家法

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。

  1. 普通借地権の設定契約では、当該契約により30年を超える存続期間を定めることができる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がない場合でも、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。
  3. 存続期間を50年以上とする定期借地権には建物の用途に関する制限があり、店舗または事務所等の事業用建物の所有を目的として設定することができない。
  4. 建物の譲渡により建物譲渡特約付借地権が消滅した場合において、当該建物の使用を継続する賃借人が借地権設定者に対して請求をしたときには、賃借人と借地権設定者との間で存続期間を2年とする建物の賃貸借がされたものとみなされる。

【問題44】都市計画法

都市計画法における開発行為および開発許可に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう。
  2. 市街化区域における開発行為については、その規模にかかわらず、都道府県知事等の許可が必要である。
  3. 市街地再開発事業の施行として行う開発行為には、都道府県知事等の許可を必要としない。
  4. 土地区画整理事業の施行として行う開発行為には、都道府県知事等の許可を必要としない。

【問題45】建築基準法

都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 建築物の敷地は、原則として、建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない。
  2. 敷地の前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、原則として、前面道路の幅員により定まる容積率と都市計画で定められた容積率とのいずれか低い方が上限となる。
  3. 商業地域、工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない。
  4. 第二種低層住居専用地域においては、高さが9mを超える建築物を建築することはできない。

【問題46】建物の区分所有等に関する法律

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 共用部分に対する各区分所有者の共有持分は、規約で別段の定めをしない限り、各共有者が有する専有部分の床面積の割合による。
  2. 区分所有者は、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、敷地利用権を専有部分と分離して処分することはできないが、規約で別段の定めをすることができる。
  3. 区分所有者以外の専有部分の占有者は、建物またはその敷地もしくは附属施設の使用方法について、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
  4. 区分所有建物の建替えは、集会において、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数により、その旨の決議をすることが必要である。

【問題47】不動産の取得に係る税金

不動産の取得に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 不動産取得税は、相続により不動産を取得した場合であっても課される。
  2. 不動産取得税は、贈与により不動産を取得した場合であっても課される。
  3. 登録免許税は、相続により不動産を取得した場合の所有権移転登記であっても課される。
  4. 登録免許税は、贈与により不動産を取得した場合の所有権移転登記であっても課される。

【問題48】譲渡所得に係る所得税

個人が土地を譲渡したことによる譲渡所得に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 相続(限定承認に係るものを除く)により取得した土地を譲渡した場合において、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、原則として被相続人が取得した日とされる。
  2. 土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が10年以下の場合には短期譲渡所得に区分され、10年を超える場合には長期譲渡所得に区分される。
  3. 土地を譲渡する際に不動産業者に支払った仲介手数料は、譲渡所得の金額の計算上、その土地の譲渡費用に含まれる。
  4. 土地の譲渡に係る譲渡所得は、他の所得と分離して課税される。

【問題49】土地の有効活用

土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた下表の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本人とは有効活用する土地の所有者のことである。

土地有効活用(FP過去問)

  1. (ア)の空欄には「デベロッパー」があてはまる。
  2. (イ)の空欄には「テナント」があてはまる。
  3. (ウ)の空欄には「あり」があてはまる。
  4. (エ)の空欄には「借地人」があてはまる。

【問題50】不動産の投資判断手法等

不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. NOI利回りは、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。
  2. 借入金併用型投資では、対象不動産の収益率が借入利子率を上回っている場合には、レバレッジ効果が働き、投下した自己資金に対する収益率の向上が期待できる。
  3. IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
  4. NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。

不動産解答・解説

問題45~問題50の解答解説につきましては、合格セット購入者専用ページに掲載しています。合格セット購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題41】不動産の価格

  1. 地価公示の公示価格は、毎年1月1日を基準にして3月下旬に公表されます。
    よって、本問は、不適切な記述です
  2. 都道府県地価調査の基準地の標準価格は、都道府県知事が判定します。
    よって、本問は、不適切な記述です
  3. 相続税路線価は、地価公示の公示価格の80%程度です。
    よって、本問は、不適切な記述です
  4. 固定資産税評価額は、原則として、市町村長が固定資産評価基準により決定します。
    よって、本問は、適切な記述です

A.4

【問題42】宅地建物取引業法

  1. 専任媒介契約及び専属専任媒介契約の有効期間と異なり、一般媒介契約の有効期間は、契約当事者間で自由に設定することができ、制限されていません。
    よって、本問は、不適切な記述です
  2. 専任媒介契約については、媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者は、依頼者に対し、2週間(休業日を含む)に1回以上、報告する義務があります。
    よって、本問は、不適切な記述です
  3. 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約の締結に際して、買主が宅地建物取引業者でないときは、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができません。なお、買主が宅地建物取引業者であれば、この規定は、適用されません。
    よって、本問は、適切な記述です
  4. 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、貸主・借主双方から受け取ることができる報酬の合計額は、当該建物の借賃の1ヵ月分が上限となります。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.3

【問題43】借地借家法

  1. 借地借家法によれば、「借地権の当初の存続期間は最低でも30年となる。」と規定されています。
    例えば、当事者間で、存続期間を15年と定めたときには、自動的に30年となり、当事者間で35年と定めた場合、35年となります。
    よって、本問は、適切な記述です
  2. 借地権の存続期間が満了する際に、借地権者が、契約の更新を請求したときは、「借りている土地上に建物がある場合に限り」、当事者間の合意がなくても、従前の契約と同一の条件(存続期間は除く)で契約を更新したものとみなされます。
    よって、本問は、不適切な記述です
  3. 存続期間を50年以上とする定期借地権、つまり、一般定期借地権には建物の用途に関する制限がありません。
    よって、本問は、不適切な記述です
    ※なお、事業用定期借地権(存続期間10年以上50年未満)については、居住用では、設定することはできません。
  4. 建物の譲渡により建物譲渡特約付借地権が消滅した場合において、当該建物の使用を継続する賃借人が借地権設定者に対して請求をしたときには、賃借人と借地権設定者との間で「期間の定めのない」建物の賃貸借がされたものとみなされる。
    よって、本問は、不適切な記述です

A.1

【問題44】都市計画法

  1. 開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更のことです。
    よって、本問は、適切な記述です
  2. 原則、市街化区域内で行う1,000平方メートル未満の開発行為については、開発許可が不要となります。
    なお、市街化調整区域内において行う開発行為については、原則、規模によって、開発許可が不要となることはありません。
    よって、本問は、不適切な記述です
  3. 都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業、防災街区整備事業の施行として行う開発行為については、開発許可が不要となります。
    よって、本問は、適切な記述です
  4. 肢3と同様です。

A.2

 

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