2級リスク管理問題【2017年1月】

FP2級・3級試験教材

2017年1月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(リスク管理)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

リスク管理問題(2017年1月)

【問題11】生命保険の商品性

生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 低解約返戻金型終身保険の解約返戻金は、他の契約条件が同じで低解約返戻金型ではない通常の終身保険と比較して、保険料払込期間中は少ないが、保険料払込終了後は同水準になる。
  2. 収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなる。
  3. 外貨建て終身保険は、円換算支払特約を付加することにより、保険金等を円貨で受け取ることができ、為替リスクを回避することができる。
  4. こども(学資)保険は、保険料払込期間中に契約者が死亡し、保険料の払込みが免除となった場合であっても、契約は有効に継続し祝金や満期保険金を受け取ることができる。

【問題12】個人年金保険

個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 保証期間付終身年金では、保証期間中に被保険者(=年金受取人)が死亡した場合には、被保険者の相続人が継続して保証期間満了まで年金を受け取ることができる。
  2. 保証期間のない有期年金では、年金支払開始後10年、15年など契約時に定めた期間中に被保険者(=年金受取人)が死亡した場合には、被保険者の相続人が残りの年金支払期間分の年金現価を一時金で受け取ることができる。
  3. 確定年金では、年金支払開始後10年、15年など契約時に定めた期間中は、被保険者の生死にかかわらず年金を受け取ることができる。
  4. 変額個人年金保険では、据置期間中(保険料払込期間中)の資産運用が特別勘定で行われ、その損益はすべて契約者に帰属する。

【問題13】総合福祉団体定期保険

総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 総合福祉団体定期保険は、従業員の死亡退職だけでなく、定年退職した場合の退職金等の準備としても活用できる。
  2. 契約の締結に際しては、加入予定者の保険約款に基づく告知および被保険者になることについての同意が必要となる。
  3. 企業が負担した保険料は、その2分の1相当額を資産に計上し、残りを損金の額に算入することができる。
  4. ヒューマン・ヴァリュー特約を付加することによって、被保険者が不慮の事故により身体に傷害を受けた場合の治療費や入院費が保障される。

【問題14】生命保険の税金

生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)は個人であるものとする。

  1. 契約者が契約日から8年経過した一時払養老保険契約を解約して受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
  2. 契約者と保険金受取人が同一人の保険契約で、被保険者の死亡により一時金で受け取った死亡保険金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
  3. 被保険者本人が受け取った三大疾病保険金、介護保険金などの生前給付保険金は、非課税である。
  4. 契約者の死亡により、相続人が相続により取得した生命保険契約に関する権利の価額は、既払込保険料相当額によって評価される。

【問題15】生命保険契約の経理処理(法人)

契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は年払いで支払われているものとする。

  1. 満期保険金受取人および死亡保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、その全額を資産に計上する。
  2. 死亡保険金受取人が法人である長期平準定期保険について、保険期間の前半6割相当期間においては、保険料の全額を資産に計上する。
  3. 法人が受け取った医療保険(10年更新)の入院給付金は、その全額を雑収入として計上する。
  4. 法人が終身保険の解約返戻金を受け取った場合は、解約返戻金とそれまでに資産計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。

【問題16】火災保険及び地震保険

火災保険および地震保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。

  1. 火災保険では、突風により住宅の窓ガラスや屋根が破損した場合、補償の対象となる。
  2. 専用住宅を対象とする火災保険の保険料を決定する要素の一つである建物の構造級別には、「M構造」「T構造」「H構造」の3種類の区分がある。
  3. 地震保険では、地震による津波によって建物が破損し、一定の損害を被った場合、補償の対象となる。
  4. 地震保険には、「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の4種類の保険料割引制度があり、重複して適用を受けることができる。

【問題17】傷害保険

傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとする。

  1. 家族傷害保険の被保険者は、被保険者本人、配偶者、被保険者本人または配偶者と生計を共にする同居の親族に限られる。
  2. 交通事故傷害保険は、道路通行中または交通乗用具に搭乗中の交通事故および交通乗用具の火災によるケガを補償の対象としており、エスカレーターも交通乗用具に含まれる。
  3. 普通傷害保険は、日本国外における就業中の事故によるケガも補償の対象となる。
  4. 国内旅行傷害保険は、旅行中の食事を原因とする細菌性食中毒も補償の対象となる。

【問題18】第三分野保険の商品性

第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 所得補償保険は、ケガにより就業不能になった場合に被保険者が喪失する収入を補償する保険であり、病気により就業不能になった場合には保険金は支払われない。
  2. 特定(三大)疾病保障保険では、ガン、急性心筋梗塞、脳卒中により所定の状態となり、特定疾病保険金を受け取った場合、当該保険契約は消滅する。
  3. ガン保険の入院給付金には、1回の入院での支払限度日数や保険期間を通じて累計した支払限度日数が定められており、支払限度日数を超えた入院に対しては入院給付金は支払われない。
  4. 医療保険では、退院後に入院給付金を受け取り、その退院日の翌日から180日を超えた後に前回と同一の疾病により再入院した場合、入院給付金支払日数は前回の入院日数と合算され、1入院当たりの給付日数制限の適用を受ける。

【問題19】損害保険によるリスク管理(家庭)

損害保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 自動車同士の事故だけでなく、電柱や橋と接触した場合の所有する自動車の修理費に備えて、自動車保険の車両保険を一般条件にして契約した。
  2. 高校生の息子が自転車で通学中に歩行者にケガをさせて治療費の負担が必要となる場合に備えて、自宅の火災保険契約時に個人賠償責任(補償)特約を付帯した。
  3. 国内旅行中に友人から借りたビデオカメラを誤って壊して修理費の負担が必要となる場合に備えて、国内旅行傷害保険契約時に個人賠償責任(補償)特約を付帯した。
  4. 草野球の練習中のケガによる入院や通院の治療費に備えて、普通傷害保険を契約した。

【問題20】損害保険によるリスク管理(事業活動)

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。
  2. 食品製造販売業を営む企業が、販売した食品に起因して食中毒が発生したことにより損害賠償責任を負う場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
  3. 飲食店を営む企業が、火災・爆発等の災害による営業の休止または阻害による利益の減少等に備えて、店舗休業保険を契約した。
  4. スーパーマーケットを営む企業が、店舗内に収容されている調理用の機械設備の火災事故による損害に備えて、機械保険を契約した。

リスク管理解答・解説

問題13、問題14、問題17、問題18、問題19、問題20の解答解説につきましては、合格セット購入者専用ページに掲載しています。合格セット購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題11】生命保険の商品性

  1. 低解約返戻金型終身保険は、低解約返戻金型ではない通常の終身保険よりも保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えることにより、保険料を安く抑えるものです。なお、保険料払込終了後は同水準になって戻ってきます。
  2. 収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、受取時期を早めることに伴う運用益が控除されることとなるので、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなります。
  3. 円換算支払特約を付加することにより、保険金等を円貨で受け取ることができます。円貨で受け取る場合、為替相場の変動による影響を受けることになります。為替相場の影響によっては、為替差損が発生する可能性があります。
  4. 契約時に定めた保険期間内に契約者が死亡したときには、それ以降の保険料の払い込みは免除されます。さらに祝金や満期保険金を受け取ることができます。

A.3

【問題12】個人年金保険

  1. 保証期間付の終身年金は、保証期間中(10年など)は生死に関係なく年金を受け取ることができ、その後は被保険者が生存している限り一生涯にわたり年金を受け取ることができます。
    保証期間中に受取人が死亡したとしても、保証期間中、受取人の相続人は、年金を受け取ることができます。
  2. 有期年金は、契約時に定めた年金受取期間(10年など)、被保険者が生存している限り年金を受け取ることができます。
  3. 確定年金は、契約時に定めた年金受取期間(10年など)、被保険者の生死に関係なく年金を受け取ることができます。
  4. 変額個人年金保険の据置期間中(保険料払込期間中)の資産運用は、特別勘定(株式や債券等により運用されるファンド)で行われ、その損益はすべて契約者に帰属することになります。

A.2

【問題15】生命保険契約の経理処理(法人)

  1. 満期保険金受取人および死亡保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、その全額を資産に計上する。
    ※満期保険金受取人が法人で、死亡保険金受取人が従業員等の遺族である場合→1/2を資産計上、1/2を損金算入。
    ※満期保険金受取人が従業員等で、死亡保険金受取人が従業員等の遺族である場合→全額損金算入。
  2. 保険加入時から保険期間の6割に相当する期間を経過するまでは、支払保険料の1/2を資産(前払保険料)計上し、1/2を損金に算入します。
    ※後の保険期間の4割に相当する期間では、支払保険料の全額を損金に算入し、それに加え、上記で資産計上した金額を残っている期間で均一に取り崩し、損金に算入します。
  3. 法人が受け取った医療保険(10年更新)の入院給付金は、その全額を雑収入として計上します。
    仕訳:(借方)現金預金等××/雑収入××(貸方)
  4. 法人が、解約返戻金を受け取った場合、法人が、資産として保険料積立金等を計上しているときには、雑収入(解約返戻金>資産計上額の場合における差額)として益金に算入するか、雑損失(解約返戻金<資産計上額の場合における差額)として損金に算入します。
    ※法人が資産計上していないときには、解約返戻金全額を雑収入として益金に算入します。

A.2

【問題16】火災保険及び地震保険

  1. 突風や竜巻などにより住宅の窓ガラスや屋根が破損した場合、火災保険から保険金が支払われます。
  2. 建物の構造級別には、「M構造」「T構造」「H構造」の3種類の区分があります。
    ※燃えやすい構造のものもあれば、燃えにくい構造のものもあり、それにより、保険料も異なります。
    ※火災リスク:(高い)M構造>T構造>H構造(低い)
  3. 地震による津波によって建物が破損し、一定の損害を被った場合、地震保険から保険金が支払われます。
  4. 地震保険には、「建築年割引(昭和56年6月1日以降に新築等:10%割引)」「耐震等級割引(住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級を有しているなど:10%~50%割引)」「免震建築物割引(住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物:50%割引)」「耐震診断割引(耐震診断の結果、改正建築基準法上の耐震基準を満たすものなど:10%割引)」の4種類の保険料割引制度があります。
    これらの割引制度は、重複して適用を受けることができません。

A.4

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