2級金融資産運用問題と解説【2017年9月】

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2017年9月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(金融資産運用)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

金融資産運用問題(2017年9月)

【問題21】為替相場の変動要因

日本円・米ドル間の為替相場の変動要因に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 米国の金利が上昇し日本との金利差の拡大が予想されるとき、一般に、円高傾向となる。
  2. 米国の景気が日本と比較して相対的に後退局面となることが予想されるとき、一般に、円安傾向となる。
  3. 日本の経常収支が米国と比較して相対的に悪化することが予想されるとき、一般に、円安傾向となる。
  4. 日本の物価が米国と比較して相対的に上昇し、過度なインフレが予想されるとき、一般に、円高傾向となる。

【問題22】上場投資信託(ETF)

上場投資信託(ETF)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 運用成果が、東証株価指数(TOPIX)などの株価指標や、金価格などの商品指標などに連動するように、投資信託委託会社によって運用されている。
  2. 非上場の投資信託とは異なり、特定の基準価額等ではなく、取引所での売り手と買い手の需給によって決まる市場価格が取引価格となる。
  3. 非上場の投資信託とは異なり、運用管理費用(信託報酬)は徴収されないが、売買の際には上場株式と同様に売買委託手数料がかかる。
  4. レバレッジ型指標に連動するETFは、原指標に連動するETFと比較すると運用成果の変動率が大きくなる。

【問題23】固定利付債券の利回り

一般的な固定利付債券の利回りと価格の関係等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 他の条件が同一であれば、債券価格が下落すると、その利回りは上昇する。
  2. 他の条件が同一であれば、残存期間の短い債券より残存期間の長い債券の方が、利回りの変動に対する価格の変動幅は小さい。
  3. 他の条件が同一であれば、表面利率が低いほど、利回りの変動に対する価格の変動幅は大きい。
  4. 他の条件が同一であれば、信用リスクが低いほど、利回りは低くなる。

【問題24】所有期間利回り

表面利率1%、発行価格が額面100円当たり99円50銭、償還年限が10年の固定利付債券を購入し、4年間保有して額面100円当たり100円25銭で売却した。この場合の所有期間利回りとして、正しいものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとし、解答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。

  1. 1.01%
  2. 1.06%
  3. 1.11%
  4. 1.19%

【問題25】株式の投資指標

株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. PBRは、株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標である。
  2. PERは、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標である。
  3. 配当性向は、当期純利益に対する年間配当金の割合を示す指標である。
  4. 配当利回りは、総資産に対する年間配当金の割合を示す指標である。

【問題26】金融派生商品

金融派生商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. オプション取引は、将来の一定期日または一定期間内に、原資産を、あらかじめ定められた価格で売る権利または買う権利を売買する取引である。
  2. オプションの売り手は、オプションを行使する権利を有するが、その権利を放棄することもできる。
  3. 先物取引には、証拠金を預けることによって、それよりも多額の取引ができるという現物取引にはない特徴があり、これをレバレッジ効果という。
  4. 現物取引と反対のポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引をヘッジ取引という。

【問題27】シャープレシオ

下記<資料>に基づくファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンスの比較評価に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

<資料>ファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンスに関する情報

ポートフォリオ(2級FP過去問)

ポートフォリオの運用パフォーマンスの評価には、シャープレシオを尺度とするものがある。シャープレシオは、ポートフォリオの超過収益率を標準偏差で除して算出される。無リスク金利を1.0%として、<資料>の数値によりファンドAのシャープレシオの値を算出すると( ア )となる。同様に算出したファンドBのシャープレシオの値により、両ファンドの運用パフォーマンスを比較すると、過去5年間は( イ )の方が効率的な運用であったと判断される。
  1. (ア)2.5 (イ)ファンドA
  2. (ア)2.5 (イ)ファンドB
  3. (ア)3.1 (イ)ファンドA
  4. (ア)3.1 (イ)ファンドB

【問題28】NISA

平成29年におけるNISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。

  1. NISA口座で保有することができる金融商品には、公募公社債投資信託も含まれる。
  2. NISA口座で保有する上場株式を売却することにより生じた損失は、確定申告を行うことにより、特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の譲渡益と通算できる。
  3. 特定口座で保有する上場株式をNISA口座に移管することで、譲渡益や配当金を非課税扱いにできる。
  4. NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。

【問題29】セーフティネット

わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 財形貯蓄制度により国内銀行に預け入れられている預金は、預金保険制度による保護の対象となる。
  2. 国内銀行に預け入れられている外貨預金は、預金保険制度による保護の対象外である。
  3. 確定拠出年金制度で運用されている預金は、加入者の預金等として、預金保険制度による保護の対象となる。
  4. 国内証券会社が保護預かりしている一般顧客の外国株式は、投資者保護基金による補償の対象外である。

【問題30】金融政策

日本銀行の金融政策に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

日本銀行は平成28年9月、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を決定した。その内容は以下のとおりである。

(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)

短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に( ア )を適用する。

長期金利:( イ )がゼロ%程度で推移するよう、( ウ )の買入れを行う。買入れ額に
ついては、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。

(2)資産買入れ方針

( ウ )以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。

1)( エ )について、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。

2) CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。

  1. ( ア )▲0.1%のマイナス金利( イ )10年物国債金利( ウ )長期国債( エ )ETFおよびJ-REIT
  2. ( ア )ゼロ%の金利( イ )10年物国債金利( ウ )個人向け国債( エ )ETFおよびJ-REIT
  3. ( ア )▲0.1%のマイナス金利( イ )物価連動国債金利( ウ )個人向け国債( エ )外国債券および外国株式
  4. ( ア )ゼロ%の金利( イ )物価連動国債金利( ウ )長期国債( エ )外国債券および外国株式

金融資産運用解答・解説

問題21、問題22、問題23、問題28、問題29、問題30の解答解説につきましては、合格セット購入者専用ページに掲載しています。合格セット購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題24】所有期間利回り

次の算式により、所有期間利回りを求めることができます。

表面利率+{(売却価格-購入価格)÷所有期間}=A(収益)

A÷購入価格×100=所有期間利回り(%)

上記の算式に、本問の数値を入れて計算していきます。

1+{(100.25-99.5)÷4}=0.8125

1.1875÷99.5×100=1.193…→1.19%(小数点以下第3位を四捨五入)

A.4

【問題25】株式の投資指標

  1. PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標である。
    肢1の記述は、PERの記述です。
    よって、本問は不適切な記述です

  2. 肢1のとおり。
    よって、本問は不適切な記述です

  3. 配当性向は、当期純利益に対する年間配当金の割合を示す指標です。
    よって、本問は適切な記述です

  4. 配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金÷株価×100
    よって、本問は不適切な記述です

A.3

【問題26】金融派生商品

  1. オプション取引は、将来の一定期日または一定期間内に、原資産を、あらかじめ定められた価格で売る権利または買う権利を売買する取引です。
    よって、本問は適切な記述です

  2. オプションの「買い手」は、オプションを行使する権利を有するが、その権利を放棄することもできます。これに対し、売り手は、当初にプレミアムを受け取ることができますが、買い手の権利行使に応じる義務があります。
    よって、本問は不適切な記述です

  3. 例えば、5万円の株式を購入する場合には5万円のお金が必要となります。
    ただし、先物取引の場合には、証拠金という担保を提供することにより証拠金の数十倍の取引ができる仕組みとなっています。これをレバレッジ効果といいます。
    極端な例をあげますと、1,000円の証拠金を提供することにより、5万円の株式を購入できます。
    よって、本問は適切な記述です

  4. 現物取引と反対のポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引をヘッジ取引といいます。
    よって、本問は適切な記述です。

A.2

【問題27】シャープレシオ

シャープレシオ=(収益率-安全資産利子率)÷標準偏差

ファンドA:(10.3-1.0)÷3=3.1

ファンドB:(3.5-1.0)÷1=2.5

ファンドAのシャープレシオの方がファンドBよりも大きいため、ファンドAの方が効率よく運用されていたと評価できる。

A.3

 

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