保険顧客資産相談業務(3級実技試験)~問題解説

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法人税(タックスプランニング編)の勉強を終えた方は、法人税の問題にチャレンジしてください。

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合格セット購入者専用ページ内にあります実技対策問題の相続・事業承継編の一部のみを掲載しています。

第1問

次の設例に基づいて、下記の各問(問1~問3)に答えなさい。

<設例>

Aさん(74歳)は、妻Bさん(70歳)、長女Cさん(42歳)および長男Dさん(40歳)との4人暮らしである。Aさんは、妻Bさんには自宅を、長女Cさんには賃貸アパートを相続させたいと考えており、遺言の作成を検討している。また、Aさんは、現在、一時払終身保険への加入を検討している。

<Aさんの家族構成(推定相続人)>

  • 妻Bさん  : Aさんと自宅で同居している。
  • 長女Cさん : 会社員。Aさん夫妻と同居している。
  • 長男Dさん : 会社員。Aさん夫妻と同居している。

<Aさんが保有する主な財産(相続税評価額)>

  • 現預金 : 1億3,000万円
  • 自宅(敷地300㎡) : 3,000万円(注)
  • 自宅(建物) : 1,000万円
  • 賃貸アパート(敷地300㎡) : 3,000万円(注)
  • 賃貸アパート(建物) : 2,000万円

(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

<Aさんが加入を検討している一時払終身保険の内容>

  • 契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
  • 死亡保険金受取人 : 妻Bさん
  • 死亡保険金額 : 2,500万円

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問1

遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成するものです。相続開始後に円滑に手続を進めるために、妻Bさんや長女Cさんを証人にすることをお勧めします」
  2. 「自筆証書遺言は、遺言者が、その遺言の全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成するものですが、自筆証書遺言に添付する財産目録については、パソコン等で作成することも認められています」
  3. 「自筆証書遺言は、所定の手続により、法務局(遺言書保管所)に保管することができます。法務局(遺言書保管所)に保管された自筆証書遺言は、相続開始時、家庭裁判所での検認が不要となります」

問2

Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「妻Bさんおよび長女Cさんが相続財産の大半を取得した場合、長男Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が2億円である場合、長男Dさんの遺留分の金額は( 1 )万円です」
  2. 「Aさんが加入を検討している一時払終身保険の死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。Aさんの相続開始後、妻Bさんが受け取る死亡保険金2,500万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は、( 2 )万円となります」
  3. 「Aさんの相続が開始し、妻Bさんが特定居住用宅地等に該当する自宅の敷地を相続により取得し、その敷地の全部について『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額3,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( 3 )万円とすることができます」
  1. (1)2,500 (2)500  (3)2,400
  2. (1)5,000 (2)1,000 (3)2,400
  3. (1)2,500 (2)1,000 (3)600

問3

仮に、Aさんの相続が現時点で開始し、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億8,000万円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。

  1. 3,300万円
  2. 3,400万円
  3. 5,500万円

解答・解説

問1

  1. 不適切
    推定相続人であるBとCは証人になることができません。
  2. 適切
    自筆証書遺言は、遺言者が、その遺言の全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成するものですが、自筆証書遺言に添付する財産目録については、パソコン等で作成することも認められています。
  3. 適切
    自筆証書遺言は、所定の手続により、法務局(遺言書保管所)に保管することができます。
    なお、法務局(遺言書保管所)に保管された自筆証書遺言は、相続開始時、家庭裁判所での検認が不要となります

解答:1

問2

(1)について

「相続人が直系尊属のみ」以外の場合の各相続人の遺留分は、遺留分算定基礎財産の価額の2分の1相当額に法定相続分を乗じた額となります。

ですので、長男Dの遺留分の金額は、「2億円×1/2×1/4=2,500万円」となります。

(2)について

非課税金額が「500万円×3人(税務上の法定相続人の数)=1,500万円」となり、相続税の課税価格に算入される金額は、「2,500万円-1,500万円=1,000万円」となります。

(3)について

特定居住用宅地等ですので、適用対象となる宅地等の面積は最大で330㎡であり、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額される割合は80%です。

ですので、相続税の課税価格に算入すべき価額を「3,000万円-3,000万円×80%=600万円」とすることができます。

解答:3

問3

  • Bの相続税について
    1億8,000万円×2分の1(法定相続分)=9,000万円
    9,000万円×30%-700万円=2,000万円
  • Cの相続税について
    1億8,000万円×4分の1(法定相続分)=4,500万円
    4,500万円×20%-200万円=700万円
  • Dの相続税について
    Cと同様、700万円

上記の結果、

相続税の総額は、「2,000万円+700万円+700万円=3,400万円」となります。

解答:2

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