退職所得の計算について【FP過去問ポイント解説】

FP2級・3級試験教材

退職所得の金額を計算しなさい!

FP試験では頻出論点ですので、過去問を使って解説します。

【過去問(一部改題)】

X社が社長であるAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額を計算しなさい。なお、Aさんの役員在任期間(勤続期間)を35年4ヵ月とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。

退職所得の金額(特定役員退職手当等に係るものを除く)は、「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×2分の1」の算式により計算されることになります。

上記算式の( )書き部分、特定役員についてですが、

ここについては、役員等(取締役、監査役、理事、監事、国家・地方公務員など)として勤務した期間の年数(1年未満の端数があれば、その端数を1年に切り上げます)が5年以下であれば、「(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)」の算式により計算されることになります。つまり、2分の1は不要!ということになります。

Aさんは、特定役員等ではありません。

退職所得控除額についてですが、

ここについては、勤続年数が20年以下なのか?20年超なのか?で異なることになります。

勤続年数

退職所得控除額

20年以下

40万円×勤続年数(80万円未満の場合には、80万円)

20年超

800万円+70万円×(勤続年数-20年)

※勤続年数について、1年未満の端数があれば、その端数を1年に切り上げます。

Aさんの勤続年数は、35年4ヵ月で、1年未満の端数を1年に切り上げますので、36年となります。

退職所得控除額は、「800万円+70万円×(36年-20年)=1,920万円」となります。

なお、問題文で、「障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。」と記載していますが、

ここについては、

例えば、障害者になったことが直接の原因で退職したとします。

この場合、退職所得控除額は、「上記の算式により計算した金額+100万円」となります。

Aさんの退職所得の金額は、「(5,000万円-1,920万円)×2分の1=1,540万円」となります。

※退職所得は、総合課税の対象とはなりませんので、総所得金額に算入されません。(本試験出題済み)

解答:1,540万円

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