2級ライフプランニング問題と解説【2017年9月】

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2017年9月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(ライフプランニング)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

ライフプランニング問題(2017年9月)

【問題1】職業倫理・関連法規

ファイナンシャル・プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理や関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。

  1. 外貨建て投資信託の仕組みについて相談を受けたファイナンシャル・プランナーが、顧客に対し、元本保証がないことや為替レートの変動で差損益が生じることを説明した。
  2. 賃貸アパートの建設に関する相談を受けたファイナンシャル・プランナーが、顧客から預かったデベロッパーの事業計画書を、顧客の同意を得ることなく、融資検討資料として紹介予定の銀行の担当者に渡した。
  3. 金融商品取引業の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、顧客に株式の個別銘柄の売買に関する助言を行うため、顧客と投資顧問契約を締結した。
  4. 弁護士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、遺産分割をめぐって係争中の顧客から相談を受け、業務の一環として、報酬を得る目的で和解案を提案し、相続人間の利害調整を行った。

【問題2】子供の学習費調査

文部科学省が調査を行っている「子供の学習費調査」による子ども1人当たりの学習費の1年間の支出金額についての下記<資料>に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

<資料>

子供の学習費調査(FP過去問)

出所:文部科学省「平成26年度 子供の学習費調査」に基づき作成

  1. 公立における「学習費総額」について、「幼稚園」から「高等学校(全日制)」まで、最も構成比が高い内訳は、いずれも「学校外活動費」である。
  2. 私立における「学習費総額」について、「幼稚園」から「高等学校(全日制)」まで、最も構成比が高い内訳は、いずれも「学校外活動費」である。
  3. 「学習費総額」を公立と私立で比較したときの差額は、中学校が最も大きい。
  4. 「幼稚園」から「高等学校(全日制)」までの15年間(幼稚園3年間・小学校6年間・中学校3年間・高等学校3年間)の「学習費総額」を単純合計すると、すべて私立に通った場合は、すべて公立に通った場合より1,000万円以上多額になる。

【問題3】係数

ライフプランニングにおける各種係数を用いた必要額の算出に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、算出に当たっては下記<資料>の係数を乗算で使用するものとし、手数料や税金等については考慮しないものとする。

毎年年末に一定額を積み立てながら年利率3%で複利運用した場合、20年後に1,500万円となる貯蓄計画においては、毎年の積立金額は( ア )円となる。また、年利率3%で複利運用しながら、毎年年末に200万円を10年間受け取る場合においては、当初の元金として( イ )円が必要となる。

<資料>年利率3%の各種係数

6係数(FP過去問)

  1. (ア)558,000 (イ)17,060,400
  2. (ア)558,000 (イ)14,877,500
  3. (ア)744,100 (イ)17,060,400
  4. (ア)744,100 (イ)14,877,500

【問題4】公的医療保険

公的医療保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 健康保険の適用事業所に常時使用される75歳未満の者は、原則として、全国健康保険協会管掌健康保険または健康保険組合管掌健康保険のいずれかに加入する。
  2. 個人事業主や農林漁業者などが被保険者となる国民健康保険は、国が保険者として運営している。
  3. 退職により健康保険の被保険者資格を喪失した者は、所定の要件を満たすことにより、最長で2年間は健康保険の任意継続被保険者となることができる。
  4. 健康保険や国民健康保険の被保険者が75歳に達したときは、その被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度の被保険者となる。

【問題5】雇用保険

雇用保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 雇用保険の適用事業所に雇用される者であっても、アルバイトは、雇用保険の被保険者となることはない。
  2. 雇用保険料のうち、失業等給付の保険料は、被保険者の賃金総額に事業の種類に応じた雇用保険率を乗じて得た額を事業主が全額負担する。
  3. 受給資格者の離職理由が自己都合退職の場合、基本手当は、原則として、待期期間に加えて公共職業安定所長が定める一定の期間について支給されない。
  4. 雇用保険の基本手当の受給期間は、原則として、離職の日の翌日から起算して2年である。

【問題6】老齢厚生年金

老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 65歳からの老齢厚生年金が支給されるためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1ヵ月以上あることが必要である。
  2. 老齢厚生年金に加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年以上あることが必要である。
  3. 老齢厚生年金の繰下げ支給を申し出る場合、老齢基礎年金の繰下げ支給と同時に申し出なければならない。
  4. 老齢厚生年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率で、最大42%となる。

【問題7】障害年金

障害基礎年金および障害厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 国民年金の被保険者でない20歳未満の期間に初診日がある傷病により、20歳に達した日またはその日後において障害等級1級または2級に該当する障害の状態にある者は、その者の所得にかかわらず、障害基礎年金が支給される。
  2. 障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の年金額は、障害認定日の属する月までの厚生年金保険の被保険者記録に基づき計算されるが、その額が最低保障額に満たない場合は最低保障額が支給される。
  3. 障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者が、所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害厚生年金には、加給年金額が加算される。
  4. 障害基礎年金の受給権者が、所定の要件を満たす子を有する場合、その受給権者に支給される障害基礎年金には、子の数に応じた額が加算される。

【問題8】確定拠出年金

確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 個人型年金の第1号加入者(自営業者等)が、国民年金の付加保険料を納付している場合、その者の個人型年金の掛金は、月額68,000円から当該保険料の額を控除した額の範囲内(千円単位)となる。
  2. 老齢給付金を60歳から受給するためには、60歳時点で確定拠出年金の通算加入者等期間が20年以上なければならない。
  3. 老齢給付金を一時金で受け取った場合は、退職所得として所得税の課税対象となる。
  4. 平成29年1月から、個人型年金の加入者の範囲が拡大され、公務員や私学共済加入者も、原則として加入できることになった。

【問題9】国の教育ローン

日本学生支援機構の貸与型奨学金および日本政策金融公庫の教育一般貸付(以下「国の教育ローン」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 日本学生支援機構の第一種奨学金の対象者は、特に優れた学生・生徒であって経済的理由により著しく修学に困難があるものと認定された者とされている。
  2. 国の教育ローンの融資金利は固定金利であり、返済期間は母子家庭等の場合を除き15年以内である。
  3. 国の教育ローンを利用するためには、世帯年収(所得)が申込人の世帯で扶養している子の数に応じて定められている上限額以内であることが要件とされている。
  4. 国の教育ローンの資金使途は、受験にかかった費用(受験料、受験時の交通費・宿泊費等)および学校納付金(入学金、授業料、施設設備費等)に限定されている。

【問題10】損益計算書

下記<物品販売業A社の損益計算書>の勘定科目に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

<物品販売業A社の損益計算書>

損益計算書(FP過去問)

  1. 売上高は、企業の規模を推し量る数値であり、経営効率を示す指標である総資本回転率は、売上高を総資本で除した数値である。
  2. 売上原価は、期首の在庫(期首商品棚卸高)と期中の商品仕入高の合計から期末の在庫(期末商品棚卸高)を差し引いたものである。
  3. 販売費及び一般管理費は、販売業務や管理業務に関して発生した費用であり、役員報酬や従業員給与はここに含まれる。
  4. 当期純利益は、税引前当期純利益から法人税等を差し引いた後の利益であり、利益効率を示す指標であるROEは、売上高に対する当期純利益の割合である。

ライフプランニング解答・解説

問題1、問題2、問題8、問題9、問題10の解答解説につきましては、合格セット購入者専用ページに掲載しています。合格セット購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題3】係数

将来の目標金額を得るためには、毎年、いくら積み立てればよいのかを求めたい場合に使われる係数は、減債基金係数です。

よって、毎年年末に一定額を積み立てながら年利率3%で複利運用した場合、20年後に1,500万円となる貯蓄計画においては、毎年の積立金額は、次の算式により求めることができます。

1,500万円×0.0372(減債基金係数・20年)=558,000円

複利運用しながら、一定期間、一定金額を受け取るためには、現在、いくらの元本が必要なのかを求める場合に使われる係数は、年金現価係数です。

よって、年利率3%で複利運用しながら、毎年年末に200万円を10年間受け取る場合における当初の元金は、次の算式により求めることができます。

200万円×8.5302=17,060,400円

A.1

【問題4】公的医療保険

  1. 健康保険の適用事業所に常時使用される75歳未満の者は、原則として、全国健康保険協会管掌健康保険または健康保険組合管掌健康保険のいずれかに加入することになります。
    75歳になった者は、健康保険の被保険者、被扶養者の資格を失うこととなり、後期高齢者医療制度に移行していきます。
    よって、本問は、適切な記述となります
  2. 国民健康保険の保険者(保険料を徴収したり、給付を行っていくもの)は、市区町村となります。
    よって、本問は、不適切な記述となります
  3. 任意継続被保険者として加入することができる期間は、退職後2年間となります。
    よって、本問は、適切な記述となります
  4. 肢1のとおりです。
    よって、本問は、適切な記述となります

A.2

【問題5】雇用保険

  1. パート、アルバイト、派遣労働者は、次のいずれにも該当する場合、原則として、被保険者に該当することになります。
    ・1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
    ・31日以上の雇用見込があること。
    よって、本問は、不適切な記述となります

  2. 失業等給付の雇用保険料については、労働者と事業主で負担することになります。なお、雇用保険二事業(雇用安定事業と能力開発事業)の保険料については、全額、事業主が負担することになります。
    よって、本問は、不適切な記述となります

  3. 離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から7日間を待期期間といいます。待期期間が経過しないと、基本手当は支給されません。
    なお、自己都合退職の場合、「7日間(待期期間)+3ヵ月(給付制限)」が経過しないと、基本手当は、支給されません。
    よって、本問は、適切な記述となります

  4. 基本手当の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数が330日の場合は1年と30日、所定給付日数が360日の場合は1年と60日)です。
    なお、基本手当の受給期間内に出産、疾病などの理由により引き続き30日以上職業に就くことができない受給資格者が所定の期間内にその旨を申し出た場合、受給期間が最長で3年間まで延長することができます。
    よって、本問は、不適切な記述となります

A.3

【問題6】老齢厚生年金

  1. 「(本来支給の)老齢厚生年金=65歳からの老齢厚生年金」については、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たし、かつ、厚生年金保険に1ヵ月以上、加入する必要があります。
    よって、本問は、適切な記述となります

  2. 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上(中高齢の資格期間の短縮の特例を受ける人については、厚生年金保険の被保険者期間が15年~19年。)ある人が、特別支給の老齢厚生年金の定額部分や65歳以後の老齢厚生年金を受給できるようになった時点で、生計を維持されている65歳未満の配偶者や18歳到達年度末までの子ども(1級もしくは2級の障害がある場合には、20歳未満の子ども)がいるときに、加給年金額が支給されることになります。
    よって、本問は、適切な記述となります

  3. 老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出と同時に行う必要がありません。繰上げとは、異なります。
    よって、本問は、不適切な記述となります

  4. 繰下げによる増額率= 0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数(上限は、60月となります。)
    上限が60月ですので、最大増額率は、次の算式により求めることができます。
    0.7%×60月=42%
    よって、本問は、適切な記述となります

A.3

【問題7】障害年金

  1. 20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないことを理由に所得制限が設けられています。所得金額によっては、年金額の2分の1が支給停止されることがあり、所得金額によっては、年金額の全額が支給停止されることもあります。
    よって、本問は、不適切な記述となります

  2. 障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の年金額は、障害認定日の属する月までの厚生年金保険の被保険者記録に基づき計算されるが、その額が最低保障額に満たない場合は最低保障額が支給されます。なお、最低保障額は、584,500円となります。
    よって、本問は、適切な記述となります

  3. 受給権者(障害等級1級・2級)によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者がいるときには、その受給権者に支給される障害厚生年金には、加給年金額(224,300円)が加算されることになります。なお、障害厚生年金3級の場合には、加給年金は、支給されません。
    よって、本問は、適切な記述となります

  4. 受給権者によって生計を維持しているその者の子(18歳到達年度の末日を経過していない子など。)がいるときには、次の金額が加算されることになります。
    ・2人目まで1人当たり、224,300円となります。
    ・3人目以降1人当たり、74,800円となります。
    よって、本問は、適切な記述となります

A.1

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