2級金融資産運用問題【2017年1月】

FP2級・3級試験教材

~NEW~

法人税(タックスプランニング編)の勉強を終えた方は、法人税の問題にチャレンジしてください。

≫法人税問題ページ

2017年1月に実施された2級ファイナンシャルプランナー(FP)の学科試験問題(金融資産運用)と解説を掲載しています。

間違えた問題は、必ず、復習していきましょう。

金融資産運用問題(2017年1月)

【問題21】経済指標

経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定する統計で、総務省が作成・公表している。
  2. マネーストック統計は、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの統計として、日本銀行が作成・公表している。
  3. 国際収支統計は、一定の期間における居住者と非居住者の間で行われた対外経済取引を体系的に記録した統計で、財務省と日本銀行が共同で公表している。
  4. 有効求人倍率は、前月から繰り越された有効求職者数と当月の新規求職申込件数の合計数である「月間有効求職者数」を前月から繰り越された有効求人数と当月の新規求人数の合計数である「月間有効求人数」で除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表している。

【問題22】公募投資信託の費用

一般的な公募投資信託の費用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 証券会社経由で株式投資信託を購入する場合、原則として購入時手数料を支払うことになるが、銀行等の預貯金を取り扱う金融機関経由であれば、その手数料は無料である。
  2. 運用管理費用(信託報酬)は、受託会社(信託銀行)と投資信託委託会社に対する報酬であり、証券会社や銀行等の販売会社には運用管理費用からの報酬は支払われない。
  3. 会計監査に必要な費用(監査報酬)や組入有価証券に係る売買委託手数料は、信託財産から支出されるため、受益者(投資家)の負担となる。
  4. 信託財産留保額が設定されている投資信託では、追加設定に際して、基準価額に信託財産留保額を上乗せした価額で購入することになる。

【問題23】債券

債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇する。
  2. 利率と償還日が同じであれば、信用度が高い(債務不履行リスクが低い)債券の方が最終利回りは高い。
  3. 償還日前に売却した場合には、売却価格が額面価格を下回ることはない。
  4. 国債や普通社債が流通市場で取引される額は、店頭取引よりも取引所取引の方が多い。

【問題24】株式の信用取引

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 委託保証金は、現金以外に有価証券でも代用することができるため、信用取引口座を開設している証券会社に管理を委託している現物の上場株式等を活用して取引することができる。
  2. 委託保証金率が30%である場合に、30万円の委託保証金を金銭で差し入れたときは、約定金額100万円まで新規建てすることができる。
  3. 信用取引を開始した後に相場が変動しても、追加で保証金を請求されることはないため、損失は当初の委託保証金の範囲に限定される。
  4. 信用取引では、「買い」から取引を開始することも、「売り」から取引を開始することもできる。

【問題25】株式指標

下記<X社のデータ>に基づき算出されるX社の株式指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

<X社のデータ>

・株価:2,000円 ・1株当たり配当金(年額):80円 ・1株当たり当期純利益:200円

・1株当たり純資産:800円

  1. PBR(株価純資産倍率)は、2.5倍である。
  2. PER(株価収益率)は、10倍である。
  3. ROE(自己資本利益率)は、25%である。
  4. 配当利回りは、10%である。

【問題26】外貨建て債券ファンドの取引

個人が国内の金融機関を通じて行う外貨建て債券ファンドの取引に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

米ドル建て債券ファンド(為替ヘッジなし)を保有しているとき、米ドルに対する円の為替レートが円安に変動することは、当該ファンドの円換算の投資利回りの(ア)要因となる。反対に、為替レートが円高に変動したときは、当該ファンドの円換算の投資利回りの(イ)要因となる。このため、(ウ)局面では、為替レートの変動による損失が債券運用による収益を上回ると、円換算の投資利回りはマイナスになる。

  1. (ア)上昇 (イ)下落 (ウ)円安
  2. (ア)上昇 (イ)下落 (ウ)円高
  3. (ア)下落 (イ)上昇 (ウ)円高
  4. (ア)下落 (イ)上昇 (ウ)円安

【問題27】ポートフォリオ理論等

ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大となる。
  2. A資産の期待収益率が2.5%、B資産の期待収益率が6.0%の場合、A資産を40%、B資産を60%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は4.6%となる。
  3. シャープレシオは、ポートフォリオ全体の収益率から無リスク資産収益率を減じたものを、ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差)で除すことにより求められる。
  4. システマティック・リスクは、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしても低減しない。

【問題28】NISA(少額投資非課税制度)

NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。

  1. NISA口座で保有することができる上場株式等には、上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(J-REIT)は含まれない。
  2. NISA口座で保有する上場株式等を売却することにより生じた損失は、特定口座で保有する上場株式等の配当と損益通算をすることができる。
  3. NISA口座で保有する上場株式等を売却することにより生じた損失は、確定申告をすることにより、翌年以降3年間繰り越すことができる。
  4. NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税にするためには、株式数比例配分方式を選択しなければならない。

【問題29】株式売買状況

株式市場において、どのような投資家がどの程度売買しているのかを示す下記<資料>から読み取ることができる内容に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

<資料>

株式売買状況委託内訳

出所:東京証券取引所「投資部門別 株式売買状況 東証市場第一部[金額]委託内訳」をもとに作成

2012年、2013年、2014年をみると、個人は(ア)、海外投資家は(イ)ており、アベノミクス相場の渦中で、個人と海外投資家が(ウ)投資行動をとっていたことを読み取ることができる。また、2015年をみると、海外投資家が(ア)ており、海外投資家の売りと買いの合計で全体の約(エ)を占めていることが分かる。
  1. (ア)売り越し (イ)買い越し (ウ)一致する (エ)7割
  2. (ア)売り越し (イ)買い越し (ウ)相反する (エ)7割
  3. (ア)買い越し (イ)売り越し (ウ)相反する (エ)5割
  4. (ア)買い越し (イ)売り越し (ウ)一致する (エ)5割

【問題30】金融商品の取引に係る各種法令

金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法といい、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法という。

  1. 金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。
  2. 犯罪収益移転防止法では、顧客等が代理人を通じて所定の取引をする場合、銀行等の特定事業者は、顧客等および代理人双方の本人特定事項の確認を行わなければならないとされている。
  3. 消費者契約法では、事業者の不当な勧誘等により消費者契約の締結に至った場合、消費者は同法に基づく損害賠償を請求することができるとされている。
  4. 金融商品販売法では、金融商品販売業者等が顧客に金融商品を販売するための勧誘をするときには、原則として、あらかじめ勧誘方針を定めて公表しなければならないとされている。

金融資産運用解答・解説

問題22、問題24、問題27、問題28、問題29、問題30の解答解説につきましては、合格セット購入者専用ページに掲載しています。合格セット購入者の方は、必ず、チェックしてください。

【問題21】経済指標

  1. 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定する統計で、総務省が作成・公表しています。
    消費者物価指数が継続的に上昇すればインフレ状態で、消費者物価指数が継続的に下落すればデフレ状態であるといえます。
  2. マネーストック統計とは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量を示した統計のことで、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの統計として、日本銀行が作成・公表しています。
  3. 国際収支統計は、一定の期間における居住者と非居住者の間で行われた対外経済取引(財貨・サービス・所得の取引等)を体系的に記録した統計で、財務省と日本銀行が共同で公表しています。
  4. 有効求人倍率は、「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表しています。

A.4

【問題23】債券

  1. 市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇します。
    例えば、金利が4%、債券価格が100円だとします。
    金利が5%になると、金利4%の債券を購入する人がいなくなるので、債券の価格が下落します。
    金利が3%になると、金利4%の債券を購入する人が多くなるので、債券の価格が上昇します。
  2. 信用度の高い債券は、購入したい人が多いので、高い価格(低利回り)でも購入してもらえます。これに対し、信用度の低い債券は、購入したい人がいないので、購入してもらうために、低い価格(高利回り)にします。
  3. 償還日前に債券を売却することができます。ただし、日々、債券価格は変動しているので、購入した価格と異なる場合があります。
    当然、債券の購入価格を下回る金額しか回収できないリスクがあります。逆に、債券の購入価格を上回る金額を回収できる場合もあります。
  4. 国債や普通社債が流通市場で取引される額は、取引所取引よりも店頭取引の方が多い状況です。

A.1

【問題25】株式指標

  1. PBR(倍)=株価÷1株当たりの純資産
    PBR(株価純資産倍率)は、「2,000円÷800円=2.5倍」です。
  2. PER(倍)=株価÷1株当たりの利益
    PER(株価収益率)は、「2,000円÷200円=10倍」です。
  3. ROE(%)=税引後純利益÷自己資本×100
    ROE(自己資本利益率)は、「200円÷800円×100=25%」です。
  4. 配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金÷株価×100
    配当利回りは、「80円÷2,000円×100=4%」です。

A.4

【問題26】外貨建て債券ファンドの取引

円安→為替差益発生※1→利回り上昇

円高→為替差損発生※2→利回り下落

※1.例えば、1ドル100円の商品を購入したとします。その後、「1ドル=120円」、つまり、円安になったとします。この場合、その商品を換金すると120円となるので、20円の利益が発生します。これが為替差益です。

※2.例えば、1ドル100円の商品を購入したとします。その後、「1ドル=80円」、つまり、円高になったとします。この場合、その商品を換金すると80円となるので、20円の損失が発生します。これが為替差損です。

A.2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

    FP2級・3級試験教材