相続・事業承継対策の用語の意味を掲載しています。効率的な勉強をするためにも、用語の意味を把握していきましょう。
用語の意味(あ行)
遺産分割
ある人(被相続人)の死亡に伴い、相続は開始されることになります。
相続人が複数人いる場合、相続財産は、共同相続人の共同所有という形になります。
このままでは、各共同相続人は、その相続財産を自由に処分したりすることができません。
そこで、相続財産を1人1人の相続人に分割する手続をすることができます。
その分割を遺産分割といいます。
遺贈
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することを遺贈といい、包括遺贈と特定遺贈があります。
【関連用語】
- 包括遺贈とは、遺産の全部又は一定の割合を指定してなされる遺贈のことです。
- 特定遺贈とは、遺言者の遺産のうち、財産を特定して行う遺贈のことです。
遺留分
遺留分とは、一定の相続人が、相続財産を最低限相続できるように定められている割合のことです。
例えば、被相続人が、遺言により、他人に全財産を与える旨の遺言を残していた。
そうすると、他人が全財産を取得することになると、被相続人の家族が、一切、財産を取得することができなくなります。そこで、一定の家族が、最低限の財産を相続できるようにしてあげようとするのが、民法に規定されている遺留分です。
延納
相続税・贈与税は、一括納付が原則ですが、下記の要件に該当すれば、相続税・贈与税を元金均等年払いで、分割して納付することができます。
これを延納といいます。
用語の意味(か行)
貸宅地
貸宅地(底地)とは、借地権付きの宅地の所有権のことです。
貸家建付借地権
貸家建付借地権とは、土地を借りた者が、その借りた土地に建物を建て、その建物を他の人に貸し付けている場合の借地権のことです。
貸家建付地
貸家建付地とは、土地の所有者が建物を建築し、その建物をほかに貸し付けている場合の宅地のことです。
換価分割
遺産分割において、共同相続人のうち1人または数人が、相続により取得した財産の全部または一部を売却処分し、その代金を分割する方法を換価分割といいます。
協議分割
被相続人の遺言による指定がない場合、共同相続人間による協議により分割していきます。
被相続人の遺言による指定がない場合、相続人全員で話し合って、相続人全員の合意により、遺産を分割していきます。
限定承認
相続人が、被相続人のプラス財産の範囲内で、マイナス財産も承継することを限定承認といいます。
例えば、相続人が、被相続人には、貯金や土地などのプラス財産があるのはいいが、借金などのマイナス財産もたくさんあるだろうと思った場合、単純承認をしてしまったら、万が一、借金の額が1億円で、貯金と土地の価値を合わせて8,000万円だったとしたら、相続人は、2,000万円については、返済する必要が生じてきます。
このような相続人のために、限定承認が有効になってきます。限定承認をすると、8,000万円のプラス財産(貯金と土地)の範囲内で、マイナス財産(借金)を引き継ぐ、つまり、8,000万円の借金しか引き継がないので、相続人は、返済する必要はありません。
現物分割
遺産その物を現物で分ける方法です。
公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言をしようとする者が、証人2人以上の立会いのもと、公証人に遺言内容を口頭で述べ、公証人が作成していくものです。
用語の意味(さ行)
死因贈与
死因贈与とは、例えば、自分が死んだら、建物をあげる場合など贈与者の死亡により効力が生じる贈与のことです。死因贈与は、性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用します。
指定分割
被相続人が、遺言により分割方法を定めているときには、その指定に従って分割していきます。また、被相続人は、遺言により、分割方法を定めることを第三者に委託することができます。
例えば、被相続人の遺言に、「家はAに、土地はBに与える」としているのなら、その遺言に従うことになります。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言をしようとする者が、遺言の全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押す必要があります。財産目録については、パソコンでも可能!
自用地
自用地とは、自己が使用している宅地のことです。
推定相続人
例えば、今、Aさんが死亡し、相続が開始した場合に、相続権を有することになる人のことを推定相続人といいます。
成年被後見人
成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者のことをいいます。
相続欠格
民法891条に規定されている相続欠格事由に該当する者には、相続権を失わせようする制度のことを相続欠格といいます。
相続廃除
被相続人が、自分を以前に虐待したり、著しい非行があった者に、相続させたくないときには、あらかじめ、被相続人の請求に基づき家庭裁判所の審判によって推定相続人(いずれ、相続人になる者)から相続権を失わせることを相続廃除といいます。
相続放棄
相続人が、被相続人の権利義務を一切承継しないことを相続放棄といいます。
用語の意味(た行)
代襲相続
相続人となるはずの者(子供や兄弟姉妹)が、相続開始以前に死亡した場合、相続欠格に該当した場合、相続廃除の審判を受けた場合に、その者(子供や兄弟姉妹)の子供(子供→孫、兄弟姉妹→甥姪)が、その者(子供や兄弟姉妹)の代わりに相続人となることができます。
これを代襲相続といい、代襲相続により相続人となった者(孫や甥姪)のことを代襲相続人といいます。
代償分割
遺産分割において、相続人の1人または数人が、遺産の一部または全部を相続により取得し、その財産を取得した者が他の共同相続人に対して債務を負担する方法を代償分割といいます。
単純承認
相続人が、被相続人の権利義務を無制限に承継することを単純承認といいます。
「被相続人の権利義務を無制限に承継する」とは、被相続人のプラス財産(現金預金等)に加え、マイナス財産(借金等)についても承継します。
直系尊属
被相続人の直系尊属とは、父母、祖父母等のことです。
父母と祖父母とでは、親等の近い者が優先して相続人となります。よって、親等の近い父母が相続人となります。そして、祖父母は、父母がいない場合に、相続人となります。
直系卑属
被相続人の直系卑属とは、子供、孫、ひ孫等のことです。
定期贈与
定期贈与とは、例えば、毎月末に一定のお金を給付する場合など定期の給付を目的とする贈与のことです。
用語の意味(な行)
任意後見制度
本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来、自己の判断能力が不十分になったときに備えて、自ら任意後見人を決めておく制度です。
用語の意味(は行)
半血兄弟姉妹
片親だけが同じ兄弟姉妹のことを半血兄弟姉妹といいます。
これに対し、両親が同じ兄弟姉妹のことを全血兄弟姉妹といいます。
被保佐人
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者で、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者のことをいいます。
被補助人
被補助人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者で、家庭裁判所から補助開始の審判を受けた者のことをいいます。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は、封印した遺言書を公証人、証人2人以上の前で提出し、遺言の内容を秘密にしておくものです。なお、家庭裁判所の検認が必要です。
負担付贈与
負担付贈与とは、受贈者にも一定の負担を負わせる贈与のことです。例えば、贈与者が、「老後の生活の面倒をみてくれるのなら、家を贈与する。」というようなものです。
物納
相続税は、金銭で納付することが原則ですが、一定の要件等に該当するときには、相続財産を現物で納付することができます。これを物納といいます。
法定相続分
法定相続分とは、民法に規定されている相続分のことです。相続人となる人との組み合わせによって、相続分が異なります。
相続分とは、複数の相続人間で、被相続人の遺産を分け合うことができない場合等に、被相続人の遺産に対して、自分が主張することができる基準となる取り分の割合のことです。