FP技能検定試験に合格するためには、重要論点を暗記しなければなりません。
それも、暗記する量は、多すぎることはありませんが、少なくもありません。
ですので、暗記が苦手な方にとっては、きついことですが、
「暗記できない!」「すぐに忘れる!」の解決策を探し出す必要があります。
暗記方法と忘れない方法
【STEP1】暗記すべき箇所を知る
今から、下記の重要論点5つを暗記してください。
- 相続人が複数人いる場合、相続の限定承認は、相続人全員が共同して行わなければならない。
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってする。
- 不動産の登記記録の権利部乙区には、抵当権や賃借権など、所有権以外の権利に関する登記事項が記録される。
- 原則、商業地域、工業地域、工業専用地域を除く9種類の用途地域及び用途地域の指定のない区域のうち、地方公共団体の条例で指定する区域内において、日影規制の適用がある。
- 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に支給される傷病手当金の額は、原則、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で除した額の3分の2相当額である。
暗記できましたか?
では、次の( )の中に入る言葉は何でしょうか?
- 相続人が( )いる場合、相続の限定承認は、相続人全員が共同して行わなければならない。
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の( )による集会の決議によってする。
- 不動産の( )の権利部乙区には、抵当権や賃借権など、所有権以外の権利に関する登記事項が記録される。
- 原則、商業地域、工業地域、工業専用地域を除く( )の用途地域及び用途地域の指定のない区域のうち、地方公共団体の条例で指定する区域内において、日影規制の適用がある。
- ( )の被保険者に支給される傷病手当金の額は、原則、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で除した額の3分の2相当額である。
この問題は、正解する必要がありません。なぜなら、あえて、暗記する必要のない箇所を( )書きにしました。
もちろん、正解することができたのであれば良いのですが…。
このように暗記する必要がない箇所まで暗記してしまうと、当然ですが、暗記することが嫌になりますし、自分のことを「暗記が苦手なんだ!」と決めつけてしまい、「暗記=嫌なこと」と脳が認識してしまいます。
だからこそ、暗記すべき箇所を知ることが、重要になってきます。
なお、暗記すべき箇所については、当サイトから販売している暗記復習まとめ集で提供します。
また、文章を箇条書きにするだけでは、インパクトがなく、「ここが重要だ!」と脳が認識せず、知識も定着していきません。そこで、暗記復習まとめ集は、下記のように穴埋め形式にしています。
- 相続人が複数人いる場合、相続の限定承認は、( )して行わなければならない。
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各( )の多数による集会の決議によってする。
【STEP2】自分なりの暗記方法を探す
以下の( )部分は、重視して暗記すべき箇所です
- 相続人が複数人いる場合、相続の限定承認は、(相続人全員が共同)して行わなければならない。
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各(4分の3以上)の多数による集会の決議によってする。
- 不動産の登記記録の権利部乙区には、抵当権や賃借権など、(所有権以外の権利)に関する登記事項が記録される。
- 原則、(商業地域、工業地域、工業専用地域)を除く9種類の用途地域及び用途地域の指定のない区域のうち、地方公共団体の条例で指定する区域内において、日影規制の適用がある。
- 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に支給される傷病手当金の額は、原則、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で除した額の(3分の2)相当額である。
皆さんなら、どのように暗記しますか?
残念ながら、「これさえすれば暗記することができる。」という魔法のような方法はありません。
ですので、自分に適した暗記方法を見つけ出す必要があります。
例えば、「心の中で読むだけ」「声に出して読む」「書く」「書きながら読む」「寝る前に暗記する」「時間を決めて暗記する」など様々な暗記方法があります。
私の場合、まず、上記1~5の文章を心の中で読みます。
読み終わった後、直ぐに、文章を見ない状態で、( )書き部分を中心に、暗記できているかどうかを心の中で口ずさみます。具体的に言いますと、目をつぶって、文章を思い出すような感じで、口ずさんでいました。
1回点目では、もちろん、暗記できていません。
次は、自分が口ずさんだものと文章を見比べて、どこを暗記できていなかったのか?を把握していきます。
把握した後は、再度、文章を見ない状態で、( )書き部分を中心に、暗記できているかどうかを心の中で口ずさみます。
2回転目でも、5つの重要論点全てを暗記できていませんが、2つ位は、何となく、暗記できています。
5つの重要論点全てを確実に暗記できるまで、これを繰り返しました。
【STEP3】忘れない方法
「人間は忘れる生き物」と言われていますが、間違いないと思います。ですので、暗記したはずの重要論点も忘れてしまうのが当然です。
しかし、現実には、忘れないこともあり、例えば、九九(くく)や足し算・好きな芸能人の名前や上司や友人の名前などは、忘れていません。
これに対し、ルートの計算方法や2年前の流行語などは、忘れています。
では、「なぜ、忘れることもあれば、忘れないこともあるのだろうか?」という疑問が生じます。
これは、「知識が定着していれば、忘れないのでは?」という1つの解答を導き出すことができます。
では、「知識を定着させるためには、どうすれば良いのか?」という疑問が生じます。
個人的な見解ですが、
「普段から触れている、例えば、九九(くく)や足し算は、自然と買い物のときに使っていますし、例えば、好きな芸能人の名前や上司や友人の名前は、普段から見ていたり、接している。」からこそ、知識が定着し忘れないのでは!
逆に、「例えば、ルートの計算方法は、普段から触れていませんし、例えば、例えば、2年前の流行語は、最近では聞かないし、見てもいない。」からこそ、知識が定着しきれず忘れるのでは!
結論として、
知識が定着するまで繰り返し復習しなければ忘れます。逆に、繰り返し復習すれば忘れません。
当然、繰り返す回数については、人により異なりますが…。
【番外編】復習のタイミング
- 相続人が複数人いる場合、相続の限定承認は、(相続人全員が共同)して行わなければならない。
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各(4分の3以上)の多数による集会の決議によってする。
- 不動産の登記記録の権利部乙区には、抵当権や賃借権など、(所有権以外の権利)に関する登記事項が記録される。
- 原則、(商業地域、工業地域、工業専用地域)を除く9種類の用途地域及び用途地域の指定のない区域のうち、地方公共団体の条例で指定する区域内において、日影規制の適用がある。
- 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に支給される傷病手当金の額は、原則、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で除した額の(3分の2)相当額である。
例えば、先程も見てきました上記の重要論点5つを昨日に暗記したとします。
しかし、上記の5つの重要論点のみがFP技能検定試験で出題されるわけではありません。
合格を目指す皆さんは、多くの重要論点を暗記しなければなりません。
例えば、今日に、新論点として、下記の重要論点3つを暗記するとします。
- 死亡した人に生計を維持されていた(子のある配偶者・子)が、遺族基礎年金を受給することができる。
- 第二種奨学金は、在学中は(無)利子で、卒業後から(有)利子となる。
- 所得税のいわゆる準確定申告は、原則として、相続の開始があったことを(知った日の翌日から4ヵ月)以内に行わなければならない。
このように、合格に向けて、毎日、新論点もINPUTする必要があります。そして、それに加え、暗記した5つの重要論点も復習しなければなりません。
勉強し始めた時期は、復習すべき論点も少ないので問題ないのですが、勉強し始めてから1ヵ月・2ヵ月後には、復習すべき論点が300論点などかなり多くなります。
これが皆さんを苦しめます。
また、INPUT量が少ない3級よりもINPUT量が多い2級の方が難しい理由の一つとなります。
復習よりも新論点のINPUTの方を重要視しがちですが、復習を怠ると、知識が定着せず、勉強し始めてから1ヵ月・2ヵ月後には、復習する量が多くなり、その結果、勉強が嫌になる可能性も出てきます。
ですので、知識が定着するまでは、毎日、繰り返して復習してください。