2019年9月に実施されましたFP2級学科試験の問59の問題(相続税の納税資金対策)と解答・解説です。
問題59:相続税の納税資金対策
相続税の納税資金対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税を延納する場合、担保として不適格なものでなければ、取得した土地を延納の担保として提供することができる。
- 相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付が困難な場合には、納税義務者は、任意に延納または物納を選択することができる。
- 相続税を金銭で納付するために相続により取得した土地を譲渡した場合、その譲渡に係る所得は、所得税の課税対象とならない。
- 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、特例適用前の価額である。
解答・解説
- 適切
相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税を延納する場合、担保として不適格なものでなければ、取得した土地を延納の担保として提供することができます。 - 不適切
「相続税額が10万円超であること。」「金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。」「延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保は不要である。」などの要件を満たせば、延納申請をすることができます。また、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、物納が認められています。 - 不適切
相続税の納付のために相続により取得した土地・建物を譲渡した場合、その譲渡に係る所得は、所得税の課税対象となります。しかし、相続税の申告書の提出期限の翌日から3年以内に譲渡した場合は、相続税のうち一定の金額を取得費に加算することができます。 - 不適切
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた宅地等を物納する場合の収納価額は、原則として特例適用後の価額となります。
解答:1