相続時精算課税制度の計算を覚える【FP過去問ポイント解説】

FP2級・3級試験教材

贈与税の計算(相続税精算課税)の問1~問3を、簡単な具体例を使って見ていきます。

基礎的な部分ですので、必ず、押さえてください。

相続税精算課税の計算

×1年に、Aは、父親Bから現金1,000万円の贈与を受け、相続時精算課税を選択しました。

この場合、贈与税額は、1,000万円-毎年110万円の基礎控除-890万円=0円となります。

上記の算式で890万円を控除していますが、これは、特別控除額2,500万円のうち、890万円を使った!ということです。

890万円を使いましたので、特別控除額の残りは、1,610万円(2,500万円-890万円)となります。

×2年に、Aは、父親Bから現金800万円の贈与を受けました。

父親Bからの贈与については、昨年に相続時精算課税を選択しましので、暦年課税を選択することができず、相続時精算課税!ということになります。

贈与税額は、800万円-毎年110万円の基礎控除-690万円=0円となります。

上記の算式で690万円を控除していますが、これは、特別控除額の残り1,610万円のうち、690万円を使った!ということです。

690万円を使いましたので、特別控除額の残りは、920万円(1,610万円-690万円)となります。

×3年に、Aは、父親Bから現金1,200万円の贈与を受けました。

繰り返しになりますが、父親Bからの贈与については、ずっと、相続時精算課税!ということになります。なお、例えば、母親からの贈与であれば、暦年課税を選択することができます。

贈与税額は、(1,200万円-毎年110万円の基礎控除-920万円)×20%=34万円となります。

上記の算式で920万円を控除していますが、これは、特別控除額の残り920万円を全部使った!ということです。

920万円を使い、特別控除額全部を使いましたので、以後、特別控除額は「0円」ということになります。

×4年に、Aは、父親Bから現金300万円の贈与を受けました。

贈与税額は、(300万円-毎年110万円の基礎控除)×20%=38万円となります。

過去問にチャレンジ

次の記述は、適切ですか?それとも、不適切ですか?

長男Aさんが、令和X01年中に父親Bさんから現金3,000万円の贈与を受け、この贈与について相続時精算課税を選択した場合の長男Aさんの令和X01年分の贈与税額は、200万円である。

【解答】

(3,000万円-毎年110万円の基礎控除-2,500万円)×20%=78万円が贈与税額となります。

解答:不適切

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