過去問を使って、贈与税の計算(暦年課税)を見ていきます。
過去問:贈与税の計算(暦年課税)
【過去問(一部改題)】
Aさん(50歳)は、20XX年9月に夫Bさんから居住用不動産(財産評価額3,000万円)の贈与を受けた。Aさんが贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合の20XX年分の贈与税額はいくらなのか?
なお、20XX年においては、このほかにAさんが受けた贈与はないものとする。また、納付すべき贈与税額が最も少なくなるように計算すること。
<贈与税の速算表>
(イ)直系尊属から贈与を受けた財産の場合
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | - |
200万円超 ~ 400万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円超 ~ 600万円以下 | 20% | 30万円 |
600万円超 ~ 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,000万円超 ~ 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
1,500万円超 ~ 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
3,000万円超 ~ 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
(ロ)上記(イ)以外の場合
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | - |
200万円超 ~ 300万円以下 | 15% | 10万円 |
300万円超 ~ 400万円以下 | 20% | 25万円 |
400万円超 ~ 600万円以下 | 30% | 65万円 |
600万円超 ~ 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,000万円超 ~ 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
1,500万円超 ~ 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
↓
「贈与税の配偶者控除の適用を受けた」と記載されていますので、暦年課税の基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できます。つまり、控除額は最高2,110万円となります。
↓
その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額3,000万円から上記の控除額2,110万円を差し引くと、890万円となります。
↓
890万円に税率を乗じて、贈与税額を求めていきます。
贈与税の税率ですが、
「特例贈与財産←上記の速算表(イ)」と「それ以外の一般贈与財産←上記の速算表(ロ)」とで異なります。(贈与者と受贈者との関係で異なる!)
- 父母や祖父母などの直系尊属がその年の1月1日において18歳以上である子・孫などに対して贈与した場合に、上記の速算表(イ)を使っていくことになります。(特例贈与財産)
- 上記以外の場合に、上記の速算表(ロ)を使っていくことになります。(一般贈与財産)
↓
この過去問では、夫(←直系尊属ではありません)から妻への贈与ですので、上記の速算表(ロ)を使っていくことになります。
ですので、贈与税額は、「890万円×40%-125万円=231万円」となります。
解答:231万円