法改正対策(2017~2018年度)

FP2級・3級試験教材

2017年(平成29年)9月に実施されるファイナンシャルプランナー(FP)2級・3級の問題は、2017年4月1日時点で施行されている法令等に基づいて出題されます。

2018年(平成30年)1月、2018年(平成30年)5月に実施されるFP2級・3級の問題は、2017年10月1日時点で施行されている法令等に基づいて出題されます。

改正部分は、本試験で狙われる可能性があります。ですので、改正部分を正確におさえていきましょう。

このページでは、改正等部分のうち、重要な部分を掲載していきます。

順次UPしていきます。

法令基準日(2017年4月1日)2017年9月~試験対策

雇用保険

【新設:雇用保険の加入対象者の拡大】

平成29年(2017年)1月から、65歳以上の雇用者についても、雇用保険の適用の対象となります。よって、65歳以上の雇用者も⾼年齢求職者給付⾦、育児休業給付⾦、介護休業給付⾦、教育訓練給付金の支給対象となります。

【失業等給付】

(改正前)

倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者で、雇用保険の被保険者期間が1年以上5年未満の場合、所定給付日数は、90日です。

(改正後)

30歳以上35歳未満の者:120日

35歳以上45歳未満の者:150日

(新設:その他)

平成29年4月1日から、下記の規定が適用されます。

  • 雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する暫定措置を5年間実施します。
  • 災害により離職した者の給付日数を原則60日(最大120日)延長します。
  • 雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施します。

介護休業

(改正前)

介護を必要とする家族1人につき、通算93日まで、原則、1回のみ介護休業を取得することができます。

(改正後)

介護を必要とする家族1人につき、通算93日を、3回に分割して、介護休業を取得することができます。

確定拠出年金【3級・2級対象】

【新設:個人型確定拠出年金の加入対象者の範囲が拡大】

企業年金の加入者・国民年金の第3号被保険者(専業主婦等)も、個人型確定拠出年金の加入対象者になります。

在職老齢年金

【60歳台前半(60 歳~64 歳)の支給停止調整変更額】

47万円から46万円に改定されました。

【60歳台後半(65歳~69歳)と70歳以降の支給停止調整額】

47万円から46万円に改定されました。

老齢基礎年金

【老齢基礎年金・老齢厚生年金の改定率】

(改正前)

平成28年度の改定率は、0.999です。

(改正後)

→平成29年度の改定率は、0.998です。

それに伴い、平成29年度の老齢基礎年金の満額は、779,300円となります。

特別支給の老齢厚生年金

【改正前】

1,628円×0.999×単価乗率(1.000~1.875%)×被保険者期間の月数(480月が上限。)=定額部分

【改正後】

1,628円×0.998×単価乗率(1.000~1.875%)×被保険者期間の月数(480月が上限。)=定額部分

加給年金額

【改正前】

配偶者、第1子、第2子の場合の加給年金額は、224,500円でした。

【改正後】

配偶者、第1子、第2子の場合の加給年金額は、224,300円です。

障害年金

【改正前】

780,100円でした。

【改正後】

779,300円です。

【改正前】

子の加算額:2人目まで1人当たり、224,500円でした。

【改正後】

子の加算額:2人目まで1人当たり、224,300円です。

【改正前】

配偶者の加給年金額:224,500円でした。

【改正後】

配偶者の加給年金額:224,300円です。

【改正前】

障害等級3級の場合の障害厚生年金額の最低保証額は、585,100円でした。

【改正後】

障害等級3級の場合の障害厚生年金額の最低保証額は、584,500円です。

遺族年金

【改正前】

780,100円でした。

【改正後】

779,300円です。

【改正前】

子の加算額:2人目まで1人当たり、224,500円でした。

【改正後】

子の加算額:2人目まで1人当たり、224,300円です。

【改正前】

中高齢寡婦加算額は、585,100円でした。

【改正後】

中高齢寡婦加算額は、584,500円です。

地震保険

【保険金の支払い改定】

(改正前)

  • 全損の場合→保険金額の全額が支払われます。
  • 半損の場合→保険金額の50%が支払われます。
  • 一部損の場合→保険金額の5%が支払われます。

(改正後)

  • 全損の場合→保険金額の全額が支払われます。
  • 大半損の場合→保険金額の60%が支払われます。
  • 小半損の場合→保険金額の30%が支払われます。
  • 一部損の場合→保険金額の5%が支払われます。

法人税【2級のみ対象】

法人税の改正については、2級合格を目指している方だけが確認してください。ですので、3級合格を目指している方は、確認する必要はありません。

【法人税の確定申告書の提出期限】

内国法人が会計監査人を置いている場合で、かつ、定款等の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3月以内に決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合には、その定めの内容を勘案して4月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間、確定申告書の提出期限を延長することができます。

(改正前)

事業年度終了から3ヵ月以内に法人税の確定申告書を提出しなければなりません。

(改正後)

事業年度終了から6ヵ月以内に法人税の確定申告書を提出しなければなりません。

住宅借入金等特別控除

(改正前)

給与所得者等が使用者等から使用人である地位に基づいて貸付けを受けた住宅借入金等に係る利率が1%未満の場合、その住宅借入金等については、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の対象となりません。

(改正後)

給与所得者等が使用者等から使用人である地位に基づいて貸付けを受けた住宅借入金等に係る利率が0.2%未満の場合、その住宅借入金等については、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の対象となりません。

※なお、上記の規定は、金融機関等からの借入金等には適用がないので、注意してください。

宅地建物取引業法

【重要事項の説明】

(改正前)

宅地又は建物の取得者又は借主が宅地建物取引業者の場合でも、重要事項を記載した書面(35条書面)を交付して、重要事項の説明をしなければならない

(改正後)

宅地又は建物の取得者又は借主が宅地建物取引業者の場合、重要事項の説明については、説明を必要とせず、重要事項を記載した書面(35条書面)の交付のみで足りる

非上場株式等についての贈与税の納税猶予【2級のみ対象】

贈与税の納税猶予の改正については、2級合格を目指している方だけが確認してください。ですので、3級合格を目指している方は、確認する必要はありません。

(改正前)

相続時精算課税制度に係る贈与は、贈与税の納税猶予制度の適用対象ではありません

(改正後)

相続時精算課税制度に係る贈与は、贈与税の納税猶予制度の適用対象に加えられます

物納財産の順位

(改正前)

第1順位:国債、地方債、不動産、船舶

第2順位:社債、株式、証券投資信託および貸付信託の受益証券

第3順位:動産

(改正後)

第1順位:国債、地方債、不動産、船舶、上場されている株式、社債、証券投資信託および貸付信託の受益証券

第2順位:上場されていない株式、社債、証券投資信託および貸付信託の受益証券

第3順位:動産

法令基準日(2017年10月1日) 2018年1月以降の試験対策

受給資格期間(老齢基礎年金)

(改正前)

原則、25年以上の受給資格期間を満たした場合に、老齢基礎年金を受給することができます。

(改正後)

原則、10年以上の受給資格期間を満たした場合に、老齢基礎年金を受給することができます。

※平成29年(2017年)8月1日から、受給資格期間は、「25年以上から10年以上」と改正されます。

育児休業給付(雇用保険)

(改正前)

育児休業期間は、原則、子が1歳に達する日までです。なお、例外として、最長で、子が1歳6ヵ月に達するまで延長することができます。

(改正後)

子が1歳6ヵ月に達した時点で、一定の事由に該当する場合、再度申請することによって、育児休業期間を最長2歳まで延長することができます。

※平成29年(2017年)10月1日から、育児休業期間を最長2歳まで延長することができます。

消費者契約法

(改正前)

取消権は、追認をすることができる時から6ヵ月間行わないときは、時効によって消滅します。当該消費者契約の締結の時から5年を経過したときも、消滅します。

(改正後)

取消権は、追認をすることができる時から1年間行わないときは、時効によって消滅します。当該消費者契約の締結の時から5年を経過したときも、消滅します。

(新設)

次に掲げる消費者契約の条項は、無効となります。

  • 事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項
  • 消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があること(当該消費者契約が請負契約であるときは、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があること)により生じた消費者の解除権を放棄させる条項

所得税

2018年(平成30年)分以後から、以下の規定が適用されます。

【配偶者控除】

1.配偶者控除の要件

(改正前)

控除対象配偶者とは、以下の要件に該当する人のことです。

  1. 納税者と生計を一にしている配偶者。
  2. 年間の合計所得金額が38万円以下(給与所得の場合には、給与収入が103万円以下)であること。
  3. 青色事業専従者として給与を受けていないこと、または、白色事業専従者でないこと 。

(改正後)

控除対象配偶者とは、同一生計配偶者(改正前の控除対象配偶者のことです)のうち、その年における合計所得金額1,000万円以下である納税者の配偶者のことです。

これにより、納税者本人のその年における合計所得金額1,000万円(給与収入ですと、年収1,220万円)を超える場合、配偶者控除の適用を受けることができないことになりました。

2.配偶者控除額

(改正前)

  • 老人控除対象配偶者(70歳以上):48万円が控除額となります。
  • 上記以外の控除対象配偶者(70歳未満):38万円が控除額となります。

(改正後)

納税者本人の合計所得金額

配偶者控除の控除額

老人控除対象配偶者

左記以外

900万円以下

48万円38万円
900万円超950万円以下32万円

26万円

950万円超1,000万円以下

16万円

13万円

【配偶者特別控除】

1.配偶者特別控除の要件

(改正前)

配偶者特別控除の適用を受けるためには、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超76万円未満でなければなりません。

(改正後)

配偶者特別控除の適用を受けるためには、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下でなければなりません。

2.配偶者特別控除額

(改正前)

配偶者の合計所得金額に応じて、控除額が決まっており、最高38万円です。

(改正後)

納税者本人のその年における合計所得金額及び配偶者の合計所得金額に応じて、控除額が決まります。

本試験上、控除額全てを暗記する必要はありませんので、出題される可能性のある部分のみを掲載します。

  • 納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合
    →最高控除額は38万円です。
  • 納税者本人の合計所得金額が900万円超950万円以下の場合
    →最高控除額は26万円です。
  • 納税者本人の合計所得金額が950万円超1,000万円以下の場合
    →最高控除額は13万円です。

※上記の最高控除額は、いずれも、配偶者の合計所得金額が38万円超85万円以下の場合です。

【扶養親族等の数の算定方法】

(創設)

  • 扶養親族等の数の算定に当たり、配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされました。
  • 同一生計配偶者が障害者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされました。

※源泉控除対象配偶者とは、以下の要件を満たす人のことです。

  • 年間の合計所得金額が900万円以下の納税者と生計を一にしている配偶者。
  • 年間の合計所得金額が85万円以下(給与所得の場合には、給与収入が150万円以下)であること。
  • 青色事業専従者として給与を受けていないこと、または、白色事業専従者でないこと 。

【積立NISA】

2018年1月から、積立NISAがスタートします。

積立NISAについては、年間40万円分の非課税投資枠で生じた譲渡益などが非課税となります。

主な内容等は、以下のとおりです。

  • 口座を開設する年1月1日現在において20歳以上である国内在住の人が、利用することができます。なお、積立NISAか現行のNISAかのどちらかを年単位で選択します。
  • 対象商品は、公募株式投資信託・ ETFで一定の要件を満たすもの。
  • 非課税期間は、最長20年間です。
  • 投資可能期間は、2018年から2037年までです。
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