債券投資テキスト

債券投資について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

このページに掲載している2級追加論点とは、2級を目指す方だけが学習してください。ですので、3級を目指す方は、学習する必要はありません。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

債券とは

債券は、国、地方公共団体、企業などが、投資家から資金を調達することを目的として発行していきます。

発行する際に、あらかじめ利率や償還期限などを決めておきます。

債券を償還期限まで保有する場合、額面金額で償還されることになります。

償還期限前に時価で売却することもできます。

債券の種類

発行体による分類

債券は、債券の発行者の違いにより、公共債、民間債などに分けられます。

1.公共債

公共債とは、国や地方公共団体が発行する債券です。

公共債は、国が発行する国債、政府関係機関が発行する政府関係機関債(例えば、政府保証債など)、地方公共団体が発行する地方債に分けられます。

2.民間債

民間債とは、民間企業が発行する債券です。

民間債には、株式会社が発行する社債、金融機関が発行する金融債などがあります。

利払いによる分類

債券は、利払いのある利付債と利払いのない割引債に分けられます。

1.利付債

利付債は、額面金額で発行され、満期を迎えるまで定期的に利子を受け取ることができます。償還時に、額面金額を受け取ることができます。

固定利付債と変動利付債を比較した場合、他の条件が同じであれば、固定利付債の方が金利変動に伴う債券価格の変動が大きくなります。

募集方法による分類

債券は、募集方法によって、公募債と私募債に分けられます。

1.公募債

公募債は、不特定多数の投資家に対し募集されることになります。

2.私募債

特定の関係者、縁故者を対象として発行されることになります。私募債は、縁故債または非公募債とも言われています。

発行状況による分類

債券は、新発債(新規に発行される債券のことです。)と既発債(既に発行されている債券のことです。)に分けられます。

債券の発行条件

銀行からお金を借りる場合と同様、債券を発行する際にも、利率などさまざまな事を決めておく必要があります。

主に以下のものを決めておきます。

1.額面金額

額面金額とは、償還時に受け取ることができる金額のことです。

 

3.発行価格

発行価格とは、新規に発行するときの価格(額面金額100円あたりの金額を明示)のことです。必ずしも額面金額(100円)と一致しません。

  • 発行価格(100円)=額面金額(100円)の場合→パー発行といいます。
  • 発行価格(100円未満)<額面金額(100円)の場合→アンダーパー発行といいます。
  • 発行価格(100円超)>額面金額(100円)の場合→オーバーパー発行といいます。

【参考】

  • 例えば、発行価格が96円とします。これが、アンダーパー発行です。償還時には、額面金額を受け取ることになり、発行価格との差額(4円分)のことを償還差益といいます。
  • 例えば、発行価格が104円とします。これが、オーバーパー発行です。償還時には、額面金額を受け取ることになり、発行価格との差額(4円分)のことを償還差損といいます。

4.償還期限

償還期限とは、額面金額が償還される期日のことです。

5.利払日

利払日とは、利息が支払われる日のことです。

債券の市場

債券市場には、新発債の「発行市場」と、既発債の「流通市場」があります。

流通市場には、店頭市場などがあります。

店頭市場は、証券取引所を通さず、金融機関が顧客の相手方となって、売買を成立させます。

債券の利回り計算

債券の場合、利子に、償還差損益(額面金額と発行価格との差額)または売却損益を加えたものが収益になります。

債券の種類や所有期間に応じて、「応募者利回り」、「最終利回り」、「所有期間利回り」、「直接利回り」があります。

応募者利回り

応募者利回りとは、新発債を購入して、償還期限まで保有した場合の利回りのことです。

次の算式により、応募者利回りを求めることができます。

表面利率+{(額面(100円)-発行価格)÷償還年限}=A(収益)

A÷発行価格×100=応募者利回り(%)

最終利回り

最終利回りとは、既発債を購入して、償還期限まで保有した場合の利回りのことです。

次の算式により、最終利回りを求めることができます。

表面利率+{(額面(100円)-購入価格)÷残存期間}=A(収益)

A÷購入価格×100=最終利回り(%)

所有期間利回り

債券を償還期限まで保有せず、途中で売却した場合の利回りのことです。

次の算式により、所有期間利回りを求めることができます。

表面利率+{(売却価格-購入価格)÷所有期間}=A(収益)

A÷購入価格×100=所有期間利回り(%)

直接利回り

直接利回りとは、購入価格に対して1年間に支払われる利息の割合を示したものです。

次の算式により、直接利回りを求めることができます。

表面利率÷購入価格×100=直接利回り(%)

債券投資のリスク

債券投資のリスクには、「金利変動リスク」、「信用リスク」、「カントリーリスク」、「償還途中リスク」、「流動性リスク」などがあります。

金利変動リスク

金利変動リスクとは、金利の変動により資産等の価値が変動する可能性(リスク)のことです。

市場金利が上がれば、債券の価格は下がります

逆に、市場金利が下がれば、債券の価格は上がります

【参考】

例えば、金利3%の債券があったとします。その後、金利4%の債券が発行されたとします。この場合、金利3%の債券より、金利4%の債券の方が購入されます。このままでは、金利3%の債券が全く購入されなくなるので、債券の価格は下がります。

信用リスク

信用リスクとは、債券の発行体の財務状況が悪化することなどにより、元本が返済されない、利息が支払われない状態に陥る可能性のことです。

デフォルトリスクや債務不履行リスクとも言われています。

債券の信用度を判断する基準として「格付け」を利用できます。

信用リスク(デフォルトリスク)が高いと、一般に、その債券の価格は下落し、利回りは上昇します

カントリーリスク

カントリーリスクとは、債券の発行体が属する国や地域の政治情勢や経済情勢などの変化により発生するリスクのことです。

途中償還リスク

途中償還リスクとは、債券が途中償還されることにより、当初の予定利回りを確保できなくなるリスクのことです。

流動性リスク

流動性リスクとは、債券の取引高が少ないことなどのため、市場における取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格で取引せざるを得なくなるリスクのことです。

格付け

信用格付け

格付けの高い債券ほど、信用度は高くなります

格付けの高い債券ほど、利回りは低くなります

格付けの高い債券ほど、債券価格は高くなります

債券の信用格付では、通常、BB格(相当)以下の債券は「投機的格付」、BBB格(相当)以上の債券は「投資適格」とされています。

個人向け国債

個人向け国債は、個人に限定して発行される国債で、「変動10」、「固定5」、「固定3」があります。

変動10

  • 変動金利型です。半年毎に見直します。
  • 償還期限は、10年です。
  • 適用利率は、「基準金利×0.66」です。0.05%(年率)の最低金利保証が設定されています。
  • 利子の支払いは、年2回です。
  • 発行から1年経過すれば、原則としていつでも、中途換金することができます。
  • 中途換金の場合の換金金額は、「額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額」です。中途換金調整額は、「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」です。
  • 額面1万円から、1万円単位で購入することができます。
  • 毎月発行されます。

固定3

  • 固定金利型です。
  • 償還期限は、3年です。
  • 適用利率は、「基準金利-0.03%」です。0.05%(年率)の最低金利保証が設定されています。
  • 利子の支払いは、年2回です。
  • 発行から1年経過すれば、原則としていつでも、中途換金することができます。
  • 中途換金の場合の換金金額は、「額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額」です。中途換金調整額は、「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」です。
  • 額面1万円から、1万円単位で購入することができます。
  • 毎月発行されます。

転換社債型新株予約権付社債←2級追加論点

転換社債型新株予約権付社債(転換社債)とは、発行時に決められた一定の条件で、いつでも株式に転換することができる債券のことです。

債券のままおいておくこともできますし、株式に転換することもできます。

株式と債券の二つの特徴を持ち合わせています。

【補足:ここも覚える】

転換社債を株式に転換したときの価値を表した理論価格のことをパリティといい、以下の算式で求めることができます。

パリティ=(株価÷転換価格)×100

転換価格1,000円、株価1,200円の転換社債の場合、パリティ価格は、120円(1,200円÷1,000円×100)となります。例えば、そのときの転換社債の価格が130円だったとすると、転換社債は理論上の価格よりも高い値がついていることになります。

「パリティ価格<転換社債の時価」の場合、転換社債のまま売却した方が有利だといえます。
「パリティ価格>転換社債の時価」の場合、株式として売却した方が有利だといえます。

転換社債の時価とパリティ価格との差がどのくらい離れているのか示した割合のことを乖離率といい、次の算式で求めることができます。

パリティ乖離率=(転換社債の時価-パリティ価格)÷パリティ価格×100

 転換社債の値段は、乖離率が低いほど、株価の動きと連動しているといえ、乖離率が高いほど、株価の動きと連動しているといえません

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