雇用保険テキスト

雇用保険について見ていきます。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

雇用保険とは

労働者が失業した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付(失業等給付)を行っていきます。

また、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上等をはかるための二事業を行っています。

雇用保険の対象者

労働者が雇用保険の対象者となります。

パート、アルバイト、派遣労働者は、次のいずれにも該当する場合、原則として、被保険者に該当することになります。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
  2. 31日以上の雇用見込があること。

【補足:ここも覚える】

  • 個人事業主や法人の代表取締役は、雇用保険の被保険者に該当しません。
  • 取締役も、原則として、被保険者に該当しません。
  • 平成29年(2017年)1月から、65歳以降の人であっても、雇用保険の対象となります。

雇用保険料

失業等給付の雇用保険料については、労働者と事業主で負担することになります。

雇用保険二事業(雇用安定事業と能力開発事業)の保険料については、全額、事業主が負担することになります。

雇用保険の主な給付内容

雇用保険の給付(失業等給付)は「求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付」の4種類があります。

基本手当(求職者給付の1つ)

基本手当とは、労働者が失業したときに支給されるものです。

1.基本手当を受給するための要件

離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上ある必要があります。

ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上ある場合に受給することができます。

  • 特定受給資格者とは、倒産、解雇などにより離職した人のことです。
  • 特定理由離職者とは、特定受給資格者以外で、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)が更新されなかったことなどを理由に離職した人のことです。

2.受給額

基本手当総額は、次の算式で求めることができます。

基本手当日額×所定給付日数=基本手当総額

※基本手当を受給したとしても、その基本手当について税金が課せられることはありません。つまり、非課税となります。

・基本手当日額

1日当たり受給することができる金額を基本手当日額といいます。

賃金日額の50%~80%(60歳~64歳の方については、45%~80%)が、基本手当日額となります。

賃金日額は、「離職した日の直前の6ヵ月に支払われた賃金(賞与等は含みません。)の合計額」を「180」で割った金額となります。

・所定給付日数

所定給付日数については、「自己都合退職、定年退職などの場合」と「特定受給資格者、特定理由離職者の場合」とで異なります。

【自己都合退職、定年退職などの場合(平成29年4月以降)】

自己都合所定給付日数(雇用保険)

【特定受給資格者、特定理由離職者の場合(平成29年4月以降)】

特定受給所定給付日数(雇用保険)

3.待期期間等

離職票の提出と求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から7日間を待期期間といいます。

待期期間が経過しないと、基本手当は支給されません。

なお、自己都合退職の場合、「7日間(待期期間)+3ヵ月(給付制限)」が経過しないと、基本手当は、支給されません。

4.受給期間

基本手当の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数が330日の場合は1年と30日、所定給付日数が360日の場合は1年と60日)です。

基本手当の受給期間内に出産、疾病などの理由により引き続き30日以上職業に就くことができない受給資格者が所定の期間内にその旨を申し出た場合、受給期間が最長で3年間まで延長することができます。

【補足:ここも覚える】

基本手当の受給期間は、原則として、離職の日の翌日から1年間ですが、60歳以上の定年退職者で、一定期間求職の申込みをしないことを希望する受給資格者が、その旨を離職の日の翌日から2ヵ月以内に管轄の公共職業安定所長に申し出たときには、受給期間を1年を限度として延長することができます。

高年齢求職者給付金(求職者給付の1つ)

高年齢継続被保険者が失業した場合、一時金として「高年齢求職者給付金」が支給されます。

高年齢求職者給付金は、雇用保険の被保険者であった期間に応じて、基本手当日額の30日分又は50日分に相当する額が支給されます。

【補足:ここも覚える】

  • 高年齢継続被保険者とは、65歳前から雇用されていた事業主に、65歳に達した日以降の日においても引き続き雇用されている者で、短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者とならないものをいいます。
  • 平成29年(2017年)1月から、65歳以上の人も、⾼年齢被保険者として雇⽤保険の適⽤対象となるため、⾼年齢被保険者として離職した場合、受給要件を満たすごとに、⾼年齢求職者給付⾦が⽀給されます。なお、年金との併給も可能です。

教育訓練給付

教育訓練給付とは、雇用保険の被保険者や雇用保険の被保険者であった者が、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、自分が支払った経費の一部が支給される雇用保険の給付制度です。

教育訓練給付金は、「一般教育訓練の教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」があります。

1.一般教育訓練の教育訓練給付金

雇用保険の被保険者であった期間が3年以上(初めて支給を受けようとする場合には、1年以上)あるなどの要件を満たす人が、給付を受けることができます。

給付額は、支払った教育訓練経費の20%に相当する額(上限は、10万円となります。)です。なお、4千円を超えないときには、支給されません。

2.専門実践教育訓練の教育訓練給付金

雇用保険の被保険者であった期間が10年以上(初めて支給を受けようとする場合には、2年以上)あるなどの要件を満たす方が、給付を受けることができます。

給付額は、支払った教育訓練経費の50%に相当する額{上限は、1年間40万円、最大120万円(3年間)}です。なお、一定の要件に該当すれば、追加で給付を受けることができます。

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付は、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2種類があります。

1.給付を受けるための要件

次の要件を満たしたときに、給付を受けることができます。

  • 雇用保険の被保険者期間が5年以上あること。
  • 60歳以上65歳未満であること。
  • 60歳以降の賃金が、60歳時点に比べて、75%未満となったこと。

【補足:ここも覚える】

  • 高年齢雇用継続基本給付金は、基本手当等を受給しないで、60歳以後も雇用を継続する方を対象としています。
  • 高年齢再就職給付金は、基本手当を100日以上残した状態で再就職した方を対象としています。ただし、再就職手当を受給している場合には、受給することができません。

2.給付額

  • 60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の61%以下に低下した場合の給付額
    =61%以下に低下した各月の賃金額×15%(支給率といいます。)
  • 60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の61%超75%未満に低下した場合の給付額
    =支給率は、15%から一定の割合で減っていきます

【補足:ここも覚える】

  • 雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金の支給対象月は、原則として、一般被保険者が60歳に達した日の属する月から65歳に達する日の属する月までの期間内にある月である。
  • 高年齢再就職給付金の支給期間は、基本手当の支給残日数が200日以上の場合には2年間、基本手当の支給残日数が100日以上200日未満の場合には1年間となります。

育児休業給付

育児休業給付は、1歳(支給対象期間の延長に該当する場合には、最長2歳)未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に、給付を受けることができます。

原則として、その休業を開始した日前の2年間に賃金支払基礎日数が11 日以上ある月(みなし被保険者期間という。)が通算して12ヵ月以上あるときに、育児休業給付金の受給資格者となります。

育児休業期間中に、賃金が支払われている場合、支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%以上であるときには、給付を受けることができません。なお、支払われた賃金が休業開始時賃金月額の30%超80%未満であるときには、給付額が減額されることになります。

1.給付額

給付額は、原則として、休業開始時賃金日額の50%(育児休業の開始から6ヵ月までは67%)相当額となります。

2.給付期間

子が1歳最長2歳)に達する日までが給付期間となります。

介護休業給付

配偶者、子、父母、配偶者の父母などを介護するために、一定の要件を満たす65歳未満の被保険者が休業をした場合に、給付を受けることができます。

なお、平成29年1月から、65歳以上の人も雇用保険の対象となるため、要件を満たせば、給付を受けることができます。

介護休業期間中に、賃金が支払われている場合、支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%以上であるときには、給付を受けることができません。

1.給付額

原則として、休業開始時賃金日額×67%(平成28年8月1日前に介護休業を開始した人に適用する給付率については、40%となります。)

2.給付期間

介護休業期間が3ヵ月を超えるときには、3ヵ月が限度となります。また、複数回介護休業を取得する場合には、通算して93日が限度となります。

なお、介護を必要とする家族1人につき、通算93日分を、3回に分割して、介護休業を取得することができます。

 

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