不動産の取得・保有にかかる税金テキスト

不動産の取得・保有にかかる税金について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

このページに掲載している2級追加論点とは、2級を目指す方だけが学習してください。ですので、3級を目指す方は、学習する必要はありません。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得した個人等に対して課される税金です。

納税義務者

課税対象となる不動産を取得した者が、納税義務者となります。

【補足:ここも覚える】

  • 取得とは、登記の有無や有償、無償に関係なく、不動産の所有権を現実に取得することをいいます。
  • 交換や贈与により不動産を取得したときでも、不動産取得税が課税されることになります
  • 親族から不動産を取得したときでも、不動産取得税が課税されることになります
  • 相続により不動産を取得したときには、不動産取得税が課税されません

課税標準

1.原則

不動産取得税の課税標準は、不動産を取得した時の不動産の価格となります。

不動産の価格とは、購入価格ではなく、不動産を取得した時の固定資産課税台帳に登録されている価格(固定資産税評価額)のことです。

家屋の改築や移築の場合、価値の増加額が課税標準となります。

2.特例

税率

不動産取得税は、次の算式により求めることができます。

課税標準×税率=不動産取得税

税率は、土地については3%となり、家屋については、住宅の用に供するものは3%となり、それ以外は4%となります。

※別荘については、不動産取得税上の「住宅」に該当しません。よって、税率は、4%となります。

課税標準の特例

1.新築住宅の場合

次の要件に該当する住宅(特例適用住宅)を新築した場合や未使用の特例適用住宅を購入した場合、当該特例適用住宅の価格から、1,200万円(特例適用住宅が、平成32年3月31日までの間に取得された認定長期優良住宅の場合には、1,300万円となります。)が控除されることになります。

上記の適用を受けるためには、「新築住宅の床面積が、50平方メートル以上240平方メートル以下(賃貸マンション等については、一区画について、40平方メートル以上240平方メートル以下)でなければなりません。

【補足:ここも覚える】

  • 住宅取得者が、個人であろうと、法人であろうと、一定の要件を満たすことにより、上記の規定を適用することができます。
  • 自己の居住用に供しても、賃貸の用に供しても、一定の要件を満たすことにより、上記の規定を適用することができます。

2.中古住宅の場合

次の要件等の全てに該当する住宅を取得した場合、当該住宅の価格から、当該住宅の新築年月日に応じて、一定の控除額(最高額1,200万円となります。)が控除されます。

  • 当該住宅を取得した者が、個人であること。
  • 住宅を取得した個人が、当該住宅を自己の居住用に供する目的で取得すること。
  • 床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
  • 新耐震基準に適合していることを証明したこと。なお、昭和57年1月1日以降に新築された住宅については、新耐震基準に適合しているとみなされるので、証明は不要です。

税額の特例

上記の「課税標準の特例」の要件に該当する住宅の敷地を取得した場合、一定の要件を満たせば、次のいずれか多い額を税額から控除することができます。

  • 45,000円
  • (土地1平方メートル当たりの固定資産税評価額×1/2)×{住宅の床面積×2(200平方メートルが限度となります)}×3%

登録免許税

納税義務者

登録免許税の納税義務者は、登記を受ける者となります。この場合において、当該登記を受ける者が2人以上いるときは、これらの者は、連帯して登録免許税を納付する義務を負います。

【補足:ここも覚える】

  • 相続・合併・贈与・交換による不動産の取得に起因して所有権移転登記を行うときでも、登録免許税が課税されることになります
  • 表題登記には、原則として、登録免許税が課税されません

課税標準

  • 所有権の保存の登記(仮登記を含みます)、所有権の移転の登記(仮登記を含みます)、地上権・賃借権の設定登記(仮登記を含みます)、所有権の信託登記(仮登記を含みます)については、不動産の価額が課税標準となります。
  • 抵当権の設定登記については、債権金額が課税標準となります。

【補足:ここも覚える】

  • 不動産の価額とは、固定資産課税台帳に登録された価格のことです。
  • 新築建物について、所有権保存登記等の申請をする場合、固定資産課税台帳に登録された価格がありません。この場合、新築建物課税標準価格認定基準表による額が、課税標準となります。

税率

【1】原則

1.所有権保存登記の税率

0.4%となります。

2.所有権移転登記

(1)相続、法人の合併による移転登記の場合→0.4%となります。

(2)共有物の分割による移転登記の場合→0.4%となります。

(3)売買等上記(1)及び(2)以外の原因による移転登記の場合→2%となります。

3.所有権の信託登記

0.4%となります。

4.上記1~3の仮登記

1~3の税率の2分の1となります。

5.抵当権の設定登記

0.4%となります。

6.登記の抹消(土地・建物の表題部の登記の抹消を除きます)

1個につき、1,000円となります。

【2】特例

1.土地に関する登記の特例

土地に関する登記で、下記については、税率が軽減されます。

(1)売買による所有権の移転の登記→1.5%となります。

(2)所有権の信託の登記→0.3%となります。

2.住宅家屋に関する特例

(1)所有権保存登記の税率

個人が、一定の住宅用家屋(床面積が50平方メートル以上である等の要件を満たした家屋)を新築し、又は建築後使用されたことのない一定の住宅用家屋を取得し、当該個人の居住の用に供した場合には、当該住宅用家屋の所有権の保存の登記に係る登録免許税の税率は、当該住宅用家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けるものに限り、0.15%となります。

(2)所有権移転登記の税率

個人が、建築後使用されたことのない一定の住宅用家屋(床面積が50平方メートル以上である等の要件を満たした家屋)又は建築後使用されたことのある一定の住宅用家屋(床面積が50平方メートル以上である等の要件を満たした家屋)を取得(売買又は競落によるものに限ります。)し、当該個人の居住の用に供した場合には、これらの住宅用家屋の所有権の移転の登記に係る登録免許税の税率は、当該住宅用家屋の取得後1年以内(1年以内に登記ができないことにつき、やむを得ない事情がある場合には、一定の期間内)に登記を受けるものに限り、0.3%となります。

【補足:ここも覚える】

  • 建築後使用されたことのある住宅用家屋が、耐火建築物(登記簿に記録された家屋の構造が鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等。)の場合には、築25年以内であること又は新耐震基準に適合したものであること。
  • 建築後使用されたことのある住宅用家屋が、耐火建築物以外(木造等。)の場合には、築20年以内であること又は新耐震基準に適合したものであること。

印紙税

一定の契約書や領収書には、収入印紙を貼付して、消印することにより税金を納める必要があります。これが、印紙税です。

納税義務者

課税文書を作成した者が、納税義務者となります。1つの課税文書を2人以上の者が共同して作成した場合には、当該2人以上の者は、その作成した課税文書につき、連帯して印紙税を納める義務があります。

課税されない文書

次のものには、印紙税が課税されません。

  • 建物の賃貸借契約書
  • 抵当権の設定契約書、譲渡契約書
  • 記載金額が5万円未満の受取書
  • 国、地方公共団体等が作成する文書

納付方法

課税文書の作成者は、原則、当該課税文書に課されるべき印紙税に相当する金額の印紙を、当該課税文書の作成の時までに、当該課税文書にはり付ける方法により、印紙税を納付しなければなりません。

なお、当該課税文書に印紙をはり付ける場合には、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければなりません

例外として、一定の場合には、現金納付も可能です。

【補足:ここも覚える】

土地・建物の売買契約書を2通作成し、売主・買主がそれぞれ保管する場合の印紙税の納付は、売主・買主がそれぞれ保有する売買契約書2通に印紙を貼付して消印することにより完了することになります。

過怠税

↓下記2と3は2級追加論点

  1. 課税文書の作成の時までに、課税文書に印紙を貼り付けていない場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額(=不納付税額の3倍)に相当する過怠税が徴収されることになります。
  2. 課税文書の作成者が、所轄税務署長に対し、課税文書について印紙税を納付していない旨の申出があり、かつ、その申出が印紙税についての調査があったことによりその課税文書についての過怠税の決定があるべきことを予知してなされたものでないときは、その過怠税は、その納付しなかった印紙税の額とその10%に相当する金額との合計額(=不納付税額の1.1倍)に軽減されることになります。
  3. 貼り付けた印紙について、消印をしなかった場合には、消されていない印紙の額面金額と同額の過怠税が徴収されることになります。

消費税

  • 土地(借地権などの土地の上に存する権利を含みます。)の譲渡及び貸付けには、消費税が課税されません。ただし、1ヵ月未満の土地の貸付け等には、消費税が課税されることになります。
  • 居住の用に供することが明らである住宅の貸付けには、消費税が課税されません。ただし、1ヵ月未満の貸付け等には、消費税が課税されることになります。

固定資産税

固定資産税とは、固定資産の保有に対して課される税金のことです。

課税主体

固定資産の所在する市町村(東京都23区内の場合には、都)となります。

納税義務者

1.原則

毎年1月1日(賦課期日)現在の固定資産の所有者が、固定資産税の納税義務者となります。

2.特例←2級追加論点

  • 質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者が、固定資産税の納税義務者となります。
  • 固定資産課税台帳に、所有者として登録(登記)されている個人、法人が、1月1日前に死亡、消滅した場合、1月1日現在、実際に所有している者が、納税義務者となります。
  • 固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由によって不明である場合、その使用者を所有者とみなして、これを固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができます。

課税標準と税率

1月1日時点での固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)が、課税標準となります。

標準税率は、1.4%となります。標準税率とは、通常の税率であり、財政上その他の必要があると認める場合、違う税率に変更することができます。

住宅用地の課税標準に関する特例

住宅の敷地に供されている土地については、税負担を軽減していく必要性があることから、課税標準の特例の規定が設けられています。

なお、貸家の敷地に供されていたとしても、下記の特例の適用があります。

  1. 住宅用地の200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)
    住宅用地の価格の6分の1が、課税標準となります。
  2. 住宅用地の200平方メートル超の部分
    住宅用地の価格の3分の1が、課税標準となります。

新築住宅の税額に関する特例

下記の全ての要件等に該当する新築住宅が、3階建て以上の中高層耐火建築物については、5年間又それ以外の住宅については、3年間にわたって、床面積の120平方メートルまでの住宅部分について、固定資産税額の2分の1が減額されます。

  • 床面積の2分の1以上が、居住の用に供されていること。なお、この要件は、併用住宅(店舗兼住宅等)の場合です。
  • 居住の用に供する部分の床面積が、50平方メートル以上280平方メートル以下(戸建て以外の賃貸住宅の場合には、40平方メートル以上280平方メートル以下)であること。

納付方法

固定資産税は、普通徴収の方法により納付します。

納税通知書は、遅くとも、納期限前10日までに納税者に交付しなければなりません。

なお、市町村は、固定資産税を賦課し、及び徴収する場合においては、当該納税者に係る都市計画税をあわせて賦課し、及び徴収することができます。

固定資産税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定めます。ただし、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができます

都市計画税

都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業に要する費用に充てるため、原則、市街化区域内に所在する土地及び家屋に対して課税される税金のことです。

課税主体

都市計画区域を有する市町村となります。

納税義務者

その年の1月1日において、土地又は家屋の所有者として、固定資産課税台帳等に登録されている者が、納税義務者となります。

税率

都市計画税の税率は、0.3%(制限税率)となります。

住宅用地の課税標準に関する特例

住宅の敷地に供されている土地については、課税標準の特例の規定が設けられています。

  1. 住宅用地の200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)
    住宅用地の価格の3分の1が、課税標準となります。
  2. 住宅用地の200平方メートル超の部分
    住宅用地の価格の3分の2が、課税標準となります。

 

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