相続税・事業承継対策テキスト

相続税・事業承継対策について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

この相続税・事業承継対策テキストは、2級を目指す方だけが学習してください。ですので、3級を目指す方は、学習する必要はありません。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

相続税対策

生前贈与

生前に贈与しておくことで、相続財産を少なくすることができます。

主な相続税対策は、以下のとおりです。

  1. 贈与税(暦年課税)の基礎控除額は、110万円となっています。つまり、年間110万円までは、財産を贈与しても、贈与税が課税されることはありません。
  2. 一定の要件を満たす配偶者への贈与については、贈与税の配偶者控除の適用を受けることができるため、基礎控除額110万円に2,000万円を加えた2,110万円まで、贈与税が課税されることはありません。

生命保険に加入

生命保険金については、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。

また、生命保険金は、現金で支払われることになるため、納税資金に充てることができます。

不動産を購入

現金を持っていると、その額が、相続税評価額となります。

これに対し、前もって不動産を購入しておくと、路線価や固定資産台帳に基づき算出されるため、相続税評価額を安くすることができます。

養子縁組

相続税の基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されます。

よって、養子縁組により、法定相続人を増やすことで、相続税を減額することができます。

事業承継対策

  1. 配当金を引き下げたり、配当を行わないことにより、株価を引き下げます。
  2. 利益を引き下げることにより、株価を引き下げます。例えば、役員退職金の支給は、その会社の利益金額が減少するため、類似業種比準方式による自社株式の評価額を引き下げる効果があります。
  3. 純資産を引き下げることにより、株価を引き下げます。例えば、役員退職金の支給は、その会社の純資産価額が減少するため、純資産価額方式による自社株式の評価額を引き下げる効果があります。
  4. 自社株を後継者に贈与することにより、後継者の経営権を確保することができます。

遺留分に関する民法の特例

例えば、現経営者は、後継者に対して、自社株式を承継させたいと思い、自社株式を贈与したとします。

ここで、推定相続人が複数いる場合には、問題が生じます。

なぜなら、原則、相続人には、遺留分があるからです。遺留分により、自社株式を後継者に承継させることができなくなる可能性があります。

それを対処するために、経営承継円滑化法において、「遺留分に関する民法の特例」を規定しています。

要件

遺留分に関する民法の特例の適用を受けるための主な要件は、以下のとおりです。

  • 後継者を含めた現経営者の推定相続人全員の書面による合意を得たうえで、経済産業大臣の確認家庭裁判所の許可を受けること。
  • 合意時点に、3年以上継続して事業を行っている非上場企業であること。
  • 現経営者(旧代表者)は、過去または合意時点において会社の代表者であること。
  • 後継者は、合意時点において会社の代表者であり、現経営者からの自社株式の贈与等により、会社の議決権の過半数を保有することになったこと。

内容

  • 除外合意
    自社株式の価額を遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入しない旨の合意のことです。
  • 固定合意
    遺留分算定基礎財産に算入する自社株式の価額を合意時点の価額に固定させてしまう旨の合意のことです。

非上場株式についての納税猶予

非上場株式等についての贈与税の納税猶予

経営の後継者である受贈者が、贈与により、都道府県知事の円滑化法の認定を受ける非上場会社の株式等を先代経営者から全部又は一定数以上取得し、その会社を経営していく場合、当該後継者が納付すべき贈与税額のうち、当該後継者が贈与前から保有していた非上場株式等と合せて発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分について、課税価格の全額について納税が猶予されることになります。

2017年1月から、相続時精算課税制度に係る贈与は、贈与税の納税猶予制度の適用対象に加えられます。

なお、贈与者が死亡した場合には、納税猶予されていた贈与税額については、免除されますが、当該後継者が、その株式を相続により取得したものとみなして相続税額を計算します。

また、一定の要件を満たせば、相続税の納税猶予の適用を受けることができます。

非上場株式等についての相続税の納税猶予

経営の後継者である相続人等が、相続等により、都道府県知事の円滑化法の認定を受ける非上場会社を被相続人(先代経営者)から取得し、その会社を経営していく場合、当該後継者が納付すべき相続税額のうち、当該後継者が相続前から保有していた非上場株式等と合せて発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分について、課税価格の80%について納税が猶予されることになります。

特例制度

10年間の特例制度の適用を受けるには、「特例承認計画を提出し、確認を受けていること」「 贈与又相続若しく遺贈により自社株式を取得していること」が必要とされています。

  • 上記の規定(一般制度)では、納税猶予対象株数は、3分の2でしたが、特例制度では、全株式となります。
  • 一般制度では、贈与税の全額、相続税の80%が猶予されましたが、特例制度では、贈与税だけでなく、相続税も全額が猶予されます。

 

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