保険制度の基礎等テキスト

保険制度の基礎等について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

社会保険制度と民間保険

保険制度には、社会保険と民間保険があります。

社会保険とは、国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度であり、健康保険、介護保険、公的年金、公的介護保険、労災保険などがあります。

民間保険とは、民間企業(生命保険会社・損害保険会社)が行っている保険であり、社会保険でカバーできないところを補っていくものです。

民間保険は、大きく生命保険(第一分野保険)と損害保険(第二分野保険)に分けることができます。また、生命保険、損害保険の中間的な存在としての第三分野保険(医療保険や介護保険など)があります。

契約者保護に関する規制等

保険業法

保険業法は、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の保護を図り、もって国民生活の安定及び国民経済の健全な発展に資することを目的とします。

内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、保険業を行うことができません。

保険業法が規定する保険募集とは、保険契約の締結の代理または媒介を行うことです。

【補足:ここも覚える】

  • 保険募集人、保険仲立人、保険代理店などが、募集行為を行うことができます。
  • 保険仲立人は、保険契約の締結の媒介を行うことはできますが、締結の代理を行うことはできません。
  • 共済契約については、保険業法の適用対象外です。

保険契約の締結又は保険募集に関して、保険会社、保険募集人、保険仲立人などは、契約者または被保険者等に対して、次に掲げる行為等をしてはなりません。

  • 虚偽のことを告げ、又は重要な事項を告げない行為
  • 重要な事項につき虚偽のことを告げることを勧める行為
  • 不利益となるべき事実を告げずに保険契約の乗換えを勧める行為
  • 保険料の割引、割戻し、保険料の立替払いその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為
  • 一の保険契約の契約内容につき他の保険契約の契約内容と比較した事項であって誤解させるおそれのあるものを告げ、又は表示する行為
  • 将来における契約者配当又は社員に対する剰余金の分配その他将来における金額が不確実な事項等について、断定的判断を示し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げ、若しくは表示する行為

【クーリング・オフ制度】

保険契約の申込みをした者又は保険契約者は、一定期間内であれば、書面によりその保険契約の申込みの撤回又は解除を行うことができます。これがクーリング・オフ制度です。

一定期間内とは、保険契約の申込みの撤回又は解除に関する事項を記載した書面を交付された場合において、その交付をされた日と申込みをした日とのいずれか遅い日から起算して8日以内です。

ただし、次の場合には、クーリング・オフができません。

  • 保険契約の保険期間が1年以下であるとき。
  • 法人が契約者であるとき。
  • 法令により加入が義務付けられているとき。例えば、自賠責保険など。
  • 医師による診査を受けたとき。
  • 既契約の内容変更のとき。
  • 事業保険契約のとき。

他の法律

1.保険法

保険法では、保険契約に関する一般的なルールを定めています。

【補足:ここも覚える】

  1. 保険契約と同等の内容を有する共済契約についても適用されます。
  2. 保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、原則、保険契約を解除することができます
  3. 保険契約者又は保険金受取人が、保険者に保険給付を行わせることを目的として故意に被保険者を死亡させ、又は死亡させようとしたときは、保険者は、生命保険契約を解除することができます
  4. 保険金受取人が、保険契約に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたときは、保険者は、保険契約を解除することができます
  5. 保険法における告知制度や保険金の支払時期等に関する規定よりも保険契約者等(保険契約者、被保険者、保険金受取人)に不利な内容の約款の定めは、海上保険契約等適用除外となる保険契約を除き、無効とされます。
  6. 保険契約者又は被保険者になる者は、損害保険契約の締結に際し、損害保険契約によりてん補することとされる損害の発生の可能性に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたものについて、事実の告知をしなければなりません。なお、保険会社から告知を求められた事項以外については、告知する必要がありません。
  7. 保険契約者又は被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故の発生の可能性に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたものについて、事実の告知をしなければなりません
  8. 告知義務違反による解除権は、保険者が解除の原因があることを知った時から1ヵ月間行使しないときは、消滅することになります。また、保険契約の締結の時から5年間を経過したときも、消滅することになります。
  9. 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利等は、3年間行わないときは、時効によって消滅することになります。
  10. 保険料を請求する権利は、1年間行わないときは、時効によって消滅することになります。
  11. 生命保険契約の当事者以外の者を被保険者とする死亡保険契約は、被保険者の同意がなければ、その効力が生じません。
  12. 傷害疾病定額保険契約の当事者以外の者を被保険者とする傷害疾病定額保険契約は、原則、当該被保険者の同意がなければ、その効力が生じません。
  13. 死亡保険契約の保険金受取人の変更は、被保険者の同意がなければ、その効力が生じません。
  14. 保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となります。
  15. 保険契約者は、保険事故が発生するまでは、保険金受取人の変更をすることができます。なお、保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができます。死亡保険契約の保険金受取人の変更は、被保険者の同意がなければ、その効力が生じません。
  16. 被保険者は、保険契約者と信頼関係が損なわれるような重大な事由が生じた場合や親族関係が終了した場合に、保険契約者に対し、その保険契約を解除することを請求することができます。

3.消費者契約法

  • 消費者契約法による保護の範囲は、個人(事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除きます。)とされており、法人は対象外です。
  • 事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、「重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認」、「不退去等困惑させる行為」があった場合、契約を取り消すことができます
  • 金融商品の販売において、金融商品販売法と消費者契約法の両方の規定に抵触する場合には、両方の規定が適用されることになります

ソルベンシー・マージン比率

ソルベンシー・マージン比率とは、大災害など予測を超える事態が起こった場合の、各保険会社の支払能力(支払余力といいます。)を示すものです。

ソルベンシー・マージン比率は、200%を健全性の基準としており、200%を超えれば、支払余力を有しているといわれています。数値が高ければ高いほど支払余力を有していることになります。

逆に、200%を下回ると、早期是正措置(業務改善命令などの措置)の対象となります。

【参考】

保険会社では、契約者に保険金などを支払うために、通常の予測に基づいて、責任準備金として保険料や運用収益などを積み立てて対応しています。

保険契約者保護機構

万一、保険会社が破綻した場合には、保険契約者を保護する必要があります。

そこで、生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構が設立され、これらの保険契約者保護機構が、保険契約者を保護していきます。

保険契約者保護機構は、主に次のようなことを行っています。

  • 破綻した保険会社の契約を引き継ぐ救済保険会社への資金援助
  • 保護機構自らが保険契約の引受け

※破綻した保険会社から救済保険会社等に保険契約が移転される場合には、その保険契約に係る保険料等の算定基礎となる基礎率が変更されることがあります

※生命保険契約者保護機構および損害保険契約者保護機構は、破綻した生命保険会社の契約を引き継ぐ「救済保険会社」あるいは「承継保険会社」に対して必要に応じて資金援助を行っていきます。

生命保険契約者保護機構の補償範囲

原則、国内で事業を行う全ての生命保険会社が加入を義務付けられています。ただし、全労済、都道府県民共済、JA共済等の共済や少額短期保険業者が取り扱う少額短期保険については、生命保険契約者保護機構の補償の対象とされていません。なお、かんぽ生命保険については、対象となります。

原則、破綻時点の責任準備金等の90%(高予定利率契約を除きます。)まで補償されることになります。

損害保険契約者保護機構の補償範囲

原則、国内で事業を行う全ての損害保険会社が加入を義務付けられています。ただし、共済・少額短期保険業者については、対象外となっています。

保険の種類により、補償の範囲は異なることになります。

1.自賠責保険・家計地震保険

保険金の100%が補償されることになります。

解約返戻金・満期返戻金の100%が補償されることになります。

 

3.年金払積立傷害保険

保険金の90%が補償されることになります。

解約返戻金・満期返戻金の90%が補償されることになります。

4.その他の疾病・傷害保険

保険金の90%が補償されることになります。

解約返戻金・満期返戻金の90%(積立型保険の場合には、積立部分の80%)が補償されることになります。

 

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