所得税の課税標準テキスト

所得税の課税標準について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

損益通算

損益通算とは

例えば、〇〇所得では、△100万円の赤字が生じ、××所得では、200万円の黒字が生じたとします。この場合、〇〇所得の△100万円を、××所得の200万円から差し引くことができます。

これが損益通算です。

損益通算の結果、200万円(××所得)-100万円(〇〇所得)=100万円の黒字が生じたことになります。

損益通算の対象となる所得

以下の所得の金額の計算上、損失が生じた場合に、損益通算ができます。

  1. 不動産所得
  2. 事業所得
  3. 山林所得
  4. 譲渡所得

損益通算の対象とならない損失

不動産所得と譲渡所得の計算上、損失が生じた場合、原則、損益通算ができますが、一定の損失については、損益通算の対象となりません。

不動産所得

次の損失は、損益通算の対象となりません。

  • 土地(土地の上に存する権利を含みます。)取得のための負債の利子
  • 生活に必要不可欠ではない資産(別荘など)の貸付けによる損失

譲渡所得

次の損失は、損益通算の対象となりません。

  • 土地・建物の譲渡による損失。居住用財産を譲渡したことによる損失については、一定の要件を満たすことで損益通算ができます。
  • 生活に必要不可欠ではない資産(ゴルフ会員権や別荘など)の譲渡による損失
  • 株式等の譲渡による損失。ただし、上場株式等に係る譲渡損失については、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得(特定公社債等の利子所得を含みます。)の金額から控除することができます。

損益通算の順序

10種類の所得を以下の4つに分けます。

  1. 経常所得グループ(利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得)
  2. 一時所得グループ(一時所得、譲渡所得)
  3. 山林所得
  4. 退職所得

10種類の所得を上記の4つに分けた後は、次の順序に従って控除します。

  • 不動産所得、事業所得による損失については、経常所得グループの所得から控除していきます。
  • 譲渡所得による損失については、一時所得グループの一時所得から控除していきます。

  • 不動産所得、事業所得による損失を経常所得グループの所得から控除したのにもかかわらず、まだ、損失がある場合には、一時所得グループの所得から控除していきます。
  • 譲渡所得による損失を一時所得から控除したのにもかかわらず、まだ、損失がある場合には、経常所得グループの所得から控除していきます。

  • 不動産所得、事業所得による損失を経常所得グループの所得及び一時所得グループの所得から控除したのにもかかわらず、まだ、損失がある場合には、山林所得から控除します。山林所得から控除しても損失がある場合には、退職所得から控除していきます。
  • 譲渡所得による損失を一時所得及び経常所得グループの所得から控除したのにもかかわらず、まだ、損失がある場合には、山林所得から控除します。山林所得から控除しても損失がある場合には、退職所得から控除していきます。

山林所得による損失は、以下の手順で控除します。

  1. 経常所得グループの所得から控除します。
  2. 上記1にかかわらず、まだ、損失がある場合には、譲渡所得から控除していきます。
  3. 上記1及び2にかかわらず、まだ、損失がある場合には、一時所得から控除していきます。
  4. 上記1、2及び3にかかわらず、まだ、損失がある場合には、退職所得から控除していきます。

純損失の繰越控除

損益通算の規定を適用しても控除しきれない損失の金額(純損失の金額)があるときは、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。

純損失の金額が発生した年分の確定申告期限までに、確定申告書を提出し、 翌年以後、連続して確定申告書を提出している場合に限り、純損失の繰越控除の規定が適用されます。

青色申告をしている場合、純損失の金額全額を控除することができます。

白色申告をしている場合、純損失の金額のうち、「変動所得の損失と被災事業用資産の損失の金額」のみを控除することができます。

【補足:ここも覚える】

純損失の金額が発生した年の前年にも青色申告をしている場合、上記の純損失の繰越控除の規定に代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができます

雑損失の繰越控除

資産が、災害又は盗難若しくは横領によって、損害を受けた場合等には、その損失の一部を所得から差し引くことができます。これを雑損控除といいます。雑損控除の結果、差し引くことができなかった金額を雑損失の金額といいます。

上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除

上場株式等を金融商品取引業者等を通じて売却したこと等により生じた損失について、損益通算しても控除しきれない損失の金額がある場合、その損失の金額を、翌年以後3年間にわたり、上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除することができます。

 

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