中小企業の資金計画テキスト

中小企業の資金計画について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

「中小企業の資金計画テキスト」については、2級を目指す方だけが学習してください。ですので、3級を目指す方は、学習する必要はありません。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

中小企業の資金調達方法

中小企業の資金調達方法としては、株式の発行等によって投資家から資金を調達する直接金融や金融機関からの借入れ等によって資金を調達する間接金融があります。

直接金融

直接金融とは、株式の発行や債券の発行など、貸し手が借り手に、金融機関を通さずに、直接、資金を融通する方法のことです。

1.株式発行

企業が株式を発行することにより、投資家が株式を購入し、資金を調達していきます。

  • 株主割当増資
    新株式を引き受ける権利を既存の株主に与えて、新株式を発行していきます。これが、株主割当増資です。

  • 第三者割当増資
    発行会社の従業員、取引先、金融機関など発行会社と関係のある特定の者に新株式を引き受ける権利を与えて、新株式を発行していきます。これが、第三者割当増資です。

  • 公募増資
    現在の株主等に限定することなく、不特定多数の株主を募集して、新株式を発行していきます。これが、公募増資です。

2.私募債の発行

少数かつ特定の投資家を対象に発行される社債のことを私募債といいます。

親族、知人、取引先などの縁故者(50人未満)を対象に発行される社債のことを少人数私募債といいます。

【補足:ここも覚える】

  • 社債は、株式会社に限定されているわけではなく、特例有限会社、合名会社、合資会社、合同会社も発行することができます。
  • 社債には、不特定多数の投資家を対象として募集する公募債と、特定少数の投資家が直接引き受ける私募債があります。
  • 中小企業が私募債を発行する際に利用することができる特定社債保証制度は、信用保証協会による保証制度です。

間接金融

間接金融とは、銀行からの借入れなど、貸し手が金融機関等を通して、借り手に、間接に、資金を融通する方法のことです。

1.当座貸越(当座借越)

銀行と当座借越契約を結んでおくことにより、借越限度額までは、当座預金の残高を超えた額の資金の融資を受けます。

2.証書貸付(証書借入)

借用証書により、金融機関から融資を受けて資金を調達する方法のことです。

3.手形貸付(手形借入)

借用証書の代わりに、企業が借入金額を額面とする金融機関宛の約束手形を差し入れることで金融機関から融資を受けて資金を調達する方法のことです。

4.インパクトローン

資金使途に制限のない外貨で融資を受けます。

外貨建ての借入れに先物為替予約によるリスクヘッジをした融資形態を、先物予約付インパクトローンといいます。

5.ABL(アセット・ベースト・レンディングの略称)

企業が保有する在庫(原材料や商品)、売掛金(商品代金の未回収分)などの資産を担保として融資を受けます。

その他

1.ファクタリング

企業が保有している売掛債権を、期日前にファクタリング会社に売却し、期日前でも資金を回収することができます。

※ファクタリング会社が、当社に代わって、得意先から売掛債権を回収していきます。

2.リース

リース取引とは、コピー機など特定の物件の所有者(貸手=リース会社)が、借手に対して、当事者間で合意された期間(リース期間といいます。)にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、貸手に対して合意されたリース料を支払っていく取引のことです。

リース取引には、原則、リース期間の中途において解約できないファイナンス・リース取引とファイナンス・リース取引以外のオペレーティング・リース取引があります。

企業の財務諸表

企業の財務諸表には、「貸借対照表(B/Sとも言われています。)」、「損益計算書(P/Lとも言われています。)」、「キャッシュフロー計算書(C/Fとも言われています。)」などがあります。

貸借対照表

貸借対照表とは、企業の期末における財政状態を明らかにした報告書のことです。

<貸借対照表>

貸借対照表のイメージ図

【貸借対照表に記入すべき科目】

貸借対照表は、借方(左側)と貸方(右側)で構成されており、企業がどのように資金を集めてきたか(資金の調達源泉)と企業が集めてきた資金をどのように使っているのか(資金の運用形態)を示しています。

 

  • 資金の調達源泉→負債及び純資産
    ※負債とは、借入金、買掛金など将来お金を支払わなければならいない義務のこと、つまり、企業にとってマイナスとなる財産のことです。
    ※純資産とは、資産の総額から負債の総額を差し引いたものです。
  • 資金の運用形態→資産
    ※資産とは、現金、建物、土地、貸付金、売掛金、備品など企業にとってプラスとなる財産のことです。

【貸借対照表上の指標】

1.当座比率

当座比率は、企業の短期的な支払能力を判断する指標で、次の算式で求めることができます。通常、この数値は高い方が望ましいとされています。

当座資産÷流動負債×100=当座比率(%)

※当座資産とは、特に換金性の高い現金および預金、売掛金、受取手形などです。

2.流動比率

流動比率は、流動資産と流動負債を比較することで、企業の短期的な支払能力を見るための指標で、次の算式で求めることができます。

流動資産÷流動負債×100=流動比率(%)

3.固定比率

固定比率は、固定資産と自己資本を比較することで、固定資産に投資した資金が自己資本(返済義務がないもの)でどれだけまかなっているかを見るための指標で、次の算式で求めることができます。なお、100%を超えていると、借金をして固定資産を購入していることになります。

固定資産÷自己資本×100=固定比率(%)

4.自己資本比率

自己資本比率は、純資産(総資本)に占める自己資本の割合を示す指標で、次の算式で求めることができます。この数値が高い方が財務の健全性が高いと判断されます。

自己資本÷総資産×100=自己資本比率(%)

自己資本=純資産(資産-負債) -新株予約権-少数株主持分

【補足:ここも覚える】

  • 株式発行による増資資金は、貸借対照表上の純資産勘定で確認することができ、社債発行による調達資金は、貸借対照表上の負債勘定で確認することができます。

  • 決算日の翌日から1年以内に現金化・費用化されるものは、流動資産になり、決算日の翌日から1年を超えるものは、固定資産になります。

  • 決算日の翌日から1年以内に支払期限が到来するものは、流動負債になり、決算日の翌日から1年を超えるものは、固定負債になります。例えば、金融機関から借り入れた資金のうち、返済期限が1年以内に到来するものについては流動負債に計上することになります。

損益計算書

損益計算書とは、企業の一会計期間における経営成績を明らかにした報告書のことです。

<損益計算書>

損益計算書のイメージ図

【損益計算書に記入すべき科目】

1.売上原価

売上原価=期首商品棚卸高(期首の在庫)+期中の商品仕入高-期末商品棚卸高(期末に残った在庫)

2.売上総利益

売上総利益=売上高-売上原価

 

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書とは、1事業期間における企業の資金の流れを表すものです。

<キャッシュフロー計算書>

キャッシュフロー計算書のイメージ図

1.営業活動によるキャッシュフローとは

営業活動によるキャッシュフローは、「営業活動からどのくらいの資金を得たのか」などを表しています。

2.投資活動によるキャッシュフローとは

投資活動によるキャッシュフローは、「将来の利益獲得等のためにどのくらいの資金を支出したのか」などを表しています。

3.財務活動によるキャッシュフローとは

財務活動によるキャッシュフローは、「営業活動や投資活動を維持するのにどれくらいの資金を調達したのか」などを表しています。

 

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