不動産賃貸借契約(借地借家法)テキスト

不動産賃貸借契約(借地借家法)について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

このページに掲載している2級追加論点とは、2級を目指す方だけが学習してください。ですので、3級を目指す方は、学習する必要はありません。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

借地権

借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権のことです。

例えば、A所有の土地について、Bが、建物を建てる目的で、賃貸借契約を締結した場合、Aを借地権設定者、Bを借地権者といい、土地の賃借権のことを借地権といいます。

借地権には、普通借地権と定期借地権があります。

普通借地権

↓下記6と7は、2級追加論点

  1. 借地権の当初の存続期間は、最低でも30年となります。例えば、当事者間で、存続期間を20年と定めた場合、自動的に30年となり、当事者間で40年と定めた場合、40年となります。
  2. 借地権者と借地権設定者との間の合意により、借地契約を更新することができます。合意により契約が更新された場合、初めて、更新された後の存続期間は、最低でも20年となります。2回目以降の更新後の借地権の存続期間は、最低でも10年となります。
  3. 民法の規定によれば、地上権や土地の賃借権に登記があれば、借地権設定者以外の第三者に対抗できます。借地借家法では、借地権者が、借地上に自己名義の登記(自己名義の表示の登記も含みます。)がある建物を所有している場合、借地権を第三者に対抗することができます。
  4. 借地権の存続期間が満了する際に、借地権者が、契約の更新を請求したときは、借りている土地上に建物がある場合に限り、当事者間の合意がなくても、従前の契約と同一の条件(存続期間は除きます。)で契約を更新したものとみなします。ただし、借地権設定者が、遅滞なく、正当事由のある異議を述べたときは、借地権者からの更新請求を拒絶することができ、契約は更新されません。
  5. 借地権の存続期間が満了し、契約の更新がない場合、原則、借地権者は、その借地上に建てた建物を取り壊して、借りてきた元の状態にして、借地権設定者に明渡す必要があります。しかし、建物を使用することができるのに、建物を取り壊すことは、不利益です。そこで、借地借家法では、借地権者は、時価でのその建物の買取りを借地権設定者に請求することができます。これを建物買取請求権といいます。
  6. 一定期間、地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う必要があります。
  7. 一定期間、地代等を減額しない旨の特約が定められている場合、その特約は、借地権者にとって不利な特約となるため、その特約は、無効となります。つまり、特約があったとしても減額請求をすることができます。

定期借地権

定期借地権は、普通の借地権と異なり、一定期日が到来すると、借地契約は終了することになり、更新されることはありません。

なお、定期借地権には、一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権の3つの種類があります。

1.一般定期借地権

存続期間を50年以上として借地権を設定する場合、契約の更新の規定を適用しないこと、存続期間満了による借地権者による建物買取請求をしないことなどを特約で定めることができます。この特約は、公正証書などの書面によりする必要があります。

 

3.建物譲渡特約付借地権

借地権を設定する際に、借地契約の設定後30年以上経過した日に、借地上の建物の所有権を借地権設定者に相当の対価で譲渡し、借地権を消滅させる旨を特約で定めます。そして、その一定期日が到来した場合、その特約に従って、借地権は消滅します。この特約は、書面で行う必要がなく、口頭でも問題ありません。

なお、上記特約によって借地権が消滅したが、その後も、その建物の使用を継続している借地権者又は建物の賃借人(借地権者からその建物を借りていた人)が、借地権設定者に請求したときは、一定の場合を除き、その請求時に、その建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない建物の賃貸借が成立することになります。

借家権

借家権とは、借地借家法の規定の適用を受ける建物の賃借人(借家人)が有する、建物の賃借権のことです。

借家権には、普通借家権と定期借家権があります。

普通借家権

↓下記7と8は、2級追加論点

  1. 建物について、賃貸人と賃借人との間で、借家権の存続期間を定める場合、何年でも可能です。ただし、存続期間を1年未満と定めた場合、その建物の賃貸借(定期建物賃貸借等は除きます。)は、存続期間の定めがないものとみなされます。
  2. 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、相手方に対して更新をしない旨の通知等をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、更新後の契約は、存続期間の定めがないものとなります。
  3. 民法の規定では、建物の賃借権の登記があれば、例えば、賃貸人から建物の所有権を取得した第三者に対抗することができます。
    ただし、賃借権の登記については、賃貸人は、登記に協力する義務がなく、必ずしも、登記ができるわけではありません。
    そこで、借地借家法の規定では、賃貸人から建物の引渡しを受ければ、賃貸人から建物の所有権を取得した第三者に対抗することができます。
  4. 存続期間の定めがある場合、賃貸人や賃借人が、建物の賃貸借を更新したくないときには、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、相手方に対して更新拒絶のための通知をする必要があります。なお、賃貸人から更新拒絶の通知をする場合、一定の正当事由がない限り、更新したものとみなされます。
    それに対して、賃借人から更新拒絶を通知すれば、正当事由がなくても、更新されません。
  5. 建物の賃貸借について存続期間の定めがない場合、当事者は、いつでも、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができます。ただし、賃貸人からの解約の申入れは、正当事由がなければ、いつでも、解約の申入れをすることができません。
    なお、建物の賃貸人が、正当事由ある建物の賃貸借の解約の申入れをした場合、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6ヵ月を経過することによって終了します。
    これに対し、賃借人が、賃貸人に対して、解約の申入れた場合、申入れ後3ヵ月を経過することにより、建物の賃貸借が終了します。
  6. 建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が、期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができます。これを造作買取請求権といいます。なお、「造作買取請求権を行使しない旨」の特約を定めた場合、その特約は、有効となります。
  7. 一定期間、建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う必要があります。
  8. 一定期間、借賃の額を減額しない旨の特約が定められている場合、その特約は、賃借人にとって不利な特約となるため、その特約は、無効となり、減額請求をすることができます

定期借家権

定期借家権は、あらかじめ定めておいた存続期間が終了したら、更新されず、定期借家契約が終了します。定期借家権には、定期建物賃貸借と取壊し予定の建物の賃貸借の2種類があります。

1.定期建物賃貸借

存続期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書などの書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができます。

居住用建物(床面積が200平方メートル未満)の定期借家契約においては、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が、その居住用建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、存続期間が満了していなくても、その期間の中途で、その居住用建物の賃貸借の解約の申入れをすることができます。

定期建物賃貸借契約を締結しようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、その建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によりその建物の賃貸借は終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要があります。なお、その説明をしなかった場合、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効となります。つまり、定期建物賃貸借契約ではなく、普通の建物の賃貸借契約となります。

2.取壊し予定の建物の賃貸借

法令又は契約により、一定期間経過後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合には、「建物を取り壊すこととなる時に、その建物の賃貸借が終了する」旨の建物の賃貸借契約を締結することができます。なお、この特約は、その建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければなりません。

 

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