不動産の売買契約テキスト

不動産の売買契約について見ていきます。

この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。

このページに掲載している2級追加論点とは、2級を目指す方だけが学習してください。ですので、3級を目指す方は、学習する必要はありません。

~注意~

無料版のテキストは、一部の論点及び解説を省略しています。

ですので、教材購入者の皆さんは、必ず、教材購入者専用ページ内にありますテキスト完成版をご利用ください。

手付

手付とは、売買契約の締結の際に、当事者の一方から相手方に交付される金銭などのことです。

なお、手付は、証約手付、解約手付、違約手付の3種類があり、原則、当事者間で、どの性質の手付にするかを決めることができます。

当事者間で何も決めることなく、手付を交付した場合、その手付は、解約手付と推定されます。

解約手付とは、手付を交付することにより、一定期間内であれば、債務不履行等がなくても契約当事者に契約を解除できる権利を与えるものです。

相手方が履行に着手するまでであれば、売主は手付の倍額を返還し、買主は手付を放棄することにより、契約を解除することができます。

危険負担←2級追加論点

例えば、Aが、自己所有の建物についてBとの間で売買契約を締結したが、その建物が、地震などにより滅失した場合、建物の引渡しを受けることができないBが建物の購入代金をAに支払う必要があるのか?それとも支払わなくてもよいのか?についての規定が、危険負担の規定です。

建物の売買契約成立後、その建物の引渡し前に売主の責めに帰すことのできない事由で建物が滅失又は損傷した場合、原則、買主は、建物の代金を支払わなければなりません

【補足:ここも覚える】

  • 当事者間で、上記の規定に反する特約を定めることができます。例えば、「建物の売買契約成立後、建物の引渡し前に売主の責めに帰すことのできない事由により滅失した場合には、売主が責任を負う」という特約を定めた場合、買主は、代金を支払う必要がありません。
  • 売主の責めに帰すことのできる事由により、建物が滅失した場合には、債務不履行の問題が生じます。
  • 建物の売買契約成立前に建物が地震などにより滅失した場合、建物の売買契約自体が有効に成立しないことになりますので、危険負担の問題は生じません。

瑕疵担保責任

Aが、自己所有の建物をBに売却した。その建物に隠れた瑕疵があった。この場合、Aは、故意、過失に関係なく、担保責任を負うことになります。

買主が善意無過失の場合、買主は、売主に対して、契約解除、損害賠償請求をすることができます。なお、瑕疵により売買契約を締結した目的を達成することができないような場合に、契約を解除することができます。

善意無過失の買主が売主に責任追及できる期間は、事実を知った時から1年以内です。

なお、損害賠償請求権は、引渡し時から、10年経過すると時効により消滅します。

【補足:ここも覚える】

  • 隠れた瑕疵の「隠れた」とは、瑕疵の事実について、買主が善意無過失であるということです。例えば、建物の雨漏りがあることを、買主が知っていた又は注意をしていたら知り得た場合には、隠れた瑕疵に該当しないので、売主は、瑕疵担保責任を負いません。
  • 善意無過失の買主が、購入した不動産等に瑕疵があった場合、売主は、故意、過失に関係なく、担保責任を負うことになります。
  • 民法上、売主と買主との間で、上記の担保責任を負わない旨の特約を定めることはできます。ただし、売主が、知りながら買主に告げなかった事実または売主が自ら第三者のために設定したり、第三者に譲り渡した権利については、担保責任を免れることができません。

共有←2級追加論点

共有とは、ある1つの物を2人以上の者が共同で所有することです。例えば、甲建物をAとBが共同で購入した場合、その建物をAとBが2人で共有することになります。

1.共有物の保存行為

各共有者は、単独で、共有物の保存行為をすることができます。

保存行為とは、共有物について現状を維持する行為のことであり、例えば、共有物の修繕、不法占拠者がいる場合のその不法占拠者に対する共有物の明渡し請求等のことです。

2.共有物の変更行為

各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができません。

共有物に変更を加えるとは、共有物の性質や形状の変更等のことであり、例えば、共有物の譲渡、共有物の増改築等のことです。

3.共有物の管理行為

各共有者は、管理行為をするには、持分の価格の過半数で決めていきます。

管理行為とは、共有物を利用、改良することであり、例えば、共有物について、賃貸借契約の締結や解除等のことです。

持分の価格の過半数とは、簡単には、持分の過半数のことです。例えば、共有者が3人いて、各共有者の持分が、それぞれ3分の1の場合、各共有者は、単独で管理行為をすることはできません。最低でも2人が、管理行為に賛成する必要があります。

債務不履行←2級追加論点

債務不履行とは、簡単に言うと、正当な理由がないのに約束を守らないことです。債務不履行は、履行遅滞、履行不能、不完全履行に区分されます。

1.履行遅滞

履行遅滞とは、債務を履行することが可能であるにもかかわらず、債務を履行すべき時期に履行しないことをいいます。

履行遅滞が成立すると、債権者は、債務者に対して、損害賠償の請求・強制執行・契約を解除することができます

履行遅滞が成立した場合、債権者は、債務者に対して、相当の期間を定めてその履行の催告をします。そして、債務者が、その期間内に履行しなかった場合、債権者は、契約を解除することができます。

2.履行不能

債権が成立した後、債務を履行することが不可能になったことをいいます。履行不能が成立すると、債権者は、債務者に対して、損害賠償の請求・契約を解除することができます

履行不能が成立した場合、債権者は、債務者に対して、その履行の催告をすることなく(無催告)、契約を解除することができます。

 

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