不動産の売買契約について見ていきます。
この分野は、本試験で出題される可能性が高いので、じっくりとこのテキストをマスターしてください。
手付
手付とは、売買契約の締結の際に、当事者の一方から相手方に交付される金銭などのことです。
なお、手付は、証約手付、解約手付、違約手付の3種類があり、原則、当事者間で、どの性質の手付にするかを決めることができます。
当事者間で何も決めることなく、手付を交付した場合、その手付は、解約手付と推定されます。
解約手付とは、手付を交付することにより、一定期間内であれば、債務不履行等がなくても契約当事者に契約を解除できる権利を与えるものです。
相手方が履行に着手するまでであれば、売主は手付の倍額を返還し、買主は手付を放棄することにより、契約を解除することができます。
共有
共有とは、ある1つの物を2人以上の者が共同で所有することです。例えば、甲建物をAとBが共同で購入した場合、その建物をAとBが2人で共有することになります。
1.共有物の保存行為
各共有者は、単独で、共有物の保存行為をすることができます。
保存行為とは、共有物について現状を維持する行為のことであり、例えば、共有物の修繕、不法占拠者がいる場合のその不法占拠者に対する共有物の明渡し請求等のことです。
2.共有物の変更行為
各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)を加えることができません。
共有物に変更を加えるとは、共有物の性質や形状の変更等のことであり、例えば、共有物の譲渡、共有物の増改築等のことです。
3.共有物の管理行為
各共有者は、管理行為をするには、持分の価格の過半数で決めていきます。
管理行為とは、共有物を利用、改良することであり、例えば、共有物について、賃貸借契約の締結や解除等のことです。
持分の価格の過半数とは、簡単には、持分の過半数のことです。例えば、共有者が3人いて、各共有者の持分が、それぞれ3分の1の場合、各共有者は、単独で管理行為をすることはできません。最低でも2人が、管理行為に賛成する必要があります。
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